「リアルのバブル」とその先
TCG(カードゲーム)のブシロードが新日本プロレスを買収しましたが、びっくりするぐらい好調のようです。
「40代以上ではプロレスに思い入れのある人が多いが、若い人はプロレスを知らない」
と記事にもありますが、私も過去に一度だけプロレスを観に行った事があるぐらいで、思い入れは全くありません。
また「プロレスはバブルを迎えている」とありますが、音楽業界ではCDの売上げ低迷に反比例してライブ市場が広がっているなど、ライブ感を求めるのが市場トレンドのようです。
「2.5次元」と評されるアニメやゲームの舞台化や、「アイマス」「ラブライブ」などの声優が行うライブも活況ですが、これもその一環ではないでしょうか。
ボードゲームも市場自体は小さいとはいえ順調に拡大しているようです。
わかりやすい指標は日本最大のイベントである「ゲームマーケット」の規模拡大ですが、肌感覚としてもテレビで取り上げられるようになるなど裾野を広げている感覚があります。
このデジタル全盛、これからはVRだとかARだとか言われているご時世に
ボードゲームなんていう古くさいコンテンツが注目され、伸びているのは
こうした「ライブ」全盛と決して離れた話ではないと思います。
アナログバブル
音楽もデジタルが席巻し、あらゆる興業はYouTubeなどの動画配信で簡単に見られる時代だからこそ「リアル」の比重が上がる。
どこの業界でも同じような潮流はありますが、それについて行けるかがポイントだと思います。
例えば「笑点」。今でこそお茶の間で当たり前に見られるものになっていますが、あれだってテレビの台頭で危機感を持った落語界が「大喜利」という形でテレビに進出したという苦肉の策からスタートしたと聞いています。
先の記事で「プロレスはバブル」という言葉を引用しましたが、今は「リアル」な業界全体が一種のバブルなのかも知れません。
そうなると、それを拡大していくと共に、今後を踏まえて時代の潮流であるデジタルといかに連携していくかが重要で、それを忘れるとブームの後に一気に衰退することになるのでしょう。
バブルの先へ
そうした観点で見ると、先の記事の「プロレス」は本当に良くやられていると思います。
逆に音楽では「ライブをやればやるだけ儲かる」状態が懸念されているとのこと。
つまりライブばかりで音楽を作る時間が以前より減っていると。
こうした問題点を自分の業界で俯瞰し、早い段階で対策を打つのは重要だと思います。
さて、翻ってボードゲームという界隈ではどうか。
個人的にはボードゲームを「遊ぶ」観点からの発信が弱いと思っています。
ボードゲームを遊べる場所は増えていますし、そうした場に限らず体験会は色々と行われています。
そうした「リアル」の体験会は最も効果的とはいえ、それをネットに展開する力が弱い、という感覚です。
ボードゲームの紹介を詳しく行われているブログ記事はたくさんありますし、ポータルもあります。またPodcast配信されている方もたくさんいらっしゃいます。
でも、発信の主戦場は今の時代、ブログなのでしょうか。
そんなことを、このインタビューを拝見して思いました。
ブログはブログで良いのですが、やはり今の時代に対応するにはプレイ動画を配信する必要があるんだろうなと。
動画はノウハウが全然違うし、編集作業も大変です。
(「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」の最初のプロモーションで動画を作りましたが、大変でした)
しかしそうした分野だからこそ、先駆者になれるしインパクトもある。
これからの時代に大事なのは、いかに「文字を減らせるか」だろうなと思う訳です。
実際に知らない海外のゲームでも、動画で説明しているのを見ると、言葉は分からなくてもなんとなくルールは分かります。
私自身はゲーム制作も忙しいのでなかなかそこまで手が回らないのが本音ですが、ボードゲーム界隈でもそうした優れた動画配信ページがもっと増えてきて欲しいと思います。
ちなみに私のゲームで言えば、フクハナさんが動画で「かいちん」のルール説明をして頂いています。
この他、まじんさんは陰陽賽のプレイ動画をあげて頂いたり。
本当、こうした動画を作って頂ける皆様には感謝です。