ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

iOSの終焉の足音

大体このブログでApple製品を取り上げるときはApple批判というのがお約束なので、
読まれるときは「またか」と思ってくださいな。
ということで先日のiOS5iPhoneなどApple製品のOS)の発表を聞いて思ったこと。

iCloud / The Next Web


ガジェット好きとしてはAppleの新商品発表は毎回大嫌い。
今回のように大した発表が無くても、巡回サイトが一様に同じような情報で埋まるから。
そして興味が無くてもそれなりに情報が入ってきてしまう。
まぁ、宗教だよね、この盛り上がりは。
実際発表を待ち受ける人達の感情の動きは宗教に近いという研究もある訳で。

iOSというプラットフォームの力

AppleiOS5は細かい機能のアップデートが大量に詰められているが、
簡単に言うと今までサードパーティ企業が作ってきた便利なソフトをOSが取り込んでしまったという感覚。
リンク → ■Appleに殺されてしまうひと達まとめ、あるいはプラットフォームに依存するということ
リンク → アップルに却下されたアプリがアップルにパクられた!Wi-Fi Sync開発者呆然


Appleは最初は音楽で、次にアプリケーションソフトで巨大なプラットフォームを作り、
参加者の裾野を広げることで圧倒的な力を示してきた。

iTunes Store, impresion en iPhoto y iPhone en M〓xico / marcopako 

そのプラットフォームが機能したのはこの二点があったから。

  1. 参加者の敷居が低い(誰でも参加できる)
  2. 参加するメリットが大きい(すぐに収入に繋がる)

この1→2のストーリーが上手く働いて、
「巨大な成功を夢見てアプリを作る」
という「夢」を上手く演出できたのは成功の大きな要因だと思う。

ローンチの機能強化は夢を潰す

OSのローンチソフトは色々と叩かれるが、サードパーティに開かれているシステムほどそのバージョンアップは難しい。
プラットフォームはサードパーティに「夢」を与えられるかがとても重要で、
優れたローンチはサードパーティの夢を摘んでしまう。
一番悪いのは、サードパーティの優れたソフトの機能をローンチが次々取り込んでしまうこと。
今回のiOS5の発表を興味も無く眺めていて思ったのは、「Twitpicクラスも潰すのか」ということ。
twitterは近年のネット業界では文句なしの大成功だが、それをOSが取り込むと周辺アプリを根こそぎ潰してしまう。
同じ事はカメラ機能の強化等についても言える。

twitpic / daniel.julia


「だからAndroidがいい」というつもりも無いが、
一企業のプラットフォームに依存する仕組みは、失敗はあっても成功は無いことが今回のOSアップデートの示す物だと思う。
その意味ではプラットフォームに依存しないtwitterや、
OSアプリを越えてアニメや他プラットフォームに展開することで事業を拡大するAngrybirdは本当の意味での成功事例と言える。
プラットフォーム事業は成功すると巨大な産業になるが、
プラットフォームに参加する側は、そのプラットフォームに「依存」するのではなく、「利用」しなければいけない。
そのためにはプラットフォームにも対抗基軸が必要になる。
現在はスマートフォンのプラットフォーム戦争が熱いのでプラットフォームは
iOS vs Androidだが、当然ここにMicrosoftもいるし、死んだコンテンツとされているがSymbianもいる。
個人的にはこの基軸に対抗できるのはSONYPS Vitaじゃないかと思うんだが、
PlayStation以来のオープンプラットフォームをSONYが提供できれば、この二大巨頭に風穴を開けることだってできると思う。
安価なプラットフォームは簡単に提供できるし、ダウンロード環境もある。
問題は開発者が気軽にソフトを提供できる環境作りだな。

E3 2011 - Sony Media Event - PS VITA / popculturegeek.com