寄生獣からヒストリエまで、岩明均作品
高校時代に読んで、衝撃を受けた作品を挙げるなら
自分の中ではかなり上位に入るのが「寄生獣」。
「シュールなグロテスクマンガ」という雰囲気で始まって、
「人類とは」という大きなテーマで完結する見事なストーリーは今読んでも全く色あせない。
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/07/20
- メディア: コミック
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岩明均というマンガ家はこれがデビュー作では無くて、
このまえに「風子のいる店」という作品を描いている。
ただ本人も「寄生獣から作品の作り方が変わった」と明言しているように、
寄生獣以前と以降で全く違う雰囲気になっている。
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/05
- メディア: 文庫
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心に余裕(ヒマ)がある生物 なんとすばらしい!!
寄生獣で印象的だったのは、ミギーのこの最後の台詞。
人間とは何か、を人間では無い「寄生獣」が、「人間と動物の違い」を一言で表している。
「そりゃ人間がそれだけヒマな生物だからさ」
「だがな それこそが人間の 最大の取り柄なんだ」
「心に余裕(ヒマ)のある生物 なんとすばらしい!!」
という言葉の後ろには、「だから人間の幸せとは暇を作り出すことじゃないか」
というこの作者の意見がある。
この「人間とは」「なぜ生きているのか」という問題提起から
「幸せとはこういうこと」という作者なりの結論を描くのは
短編集「骨の音」から「寄生獣」に描けての作者のテーマだったよう。
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/01
- メディア: コミック
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なんでこんな事を今更書くか、というと
今更ながら、会社を変わって、子供が生まれて、自分も家族も病気になったりして、
「心の余裕」の大切さを今更ながら痛感するようになったから。
他の生物に比べてたくさんエネルギーを消費するから、たくさん森を破壊できるから、あるいは再生できるから
人間が偉いのでは無く、心に余裕を持って楽しんで、悲しむことができるから
人間は人間たり得るんじゃ無いか、というのはこの年になって改めて実感できるようになった。
岩明均作品に惹かれる理由
寄生獣以降の作品は以下の通り。まぁ、はっきり言って少ないです。
(本人も認めているらしい。まぁ、資料がとんでもなく必要な作品ばっかりだし)
ヒストリエはまだ続刊なんで判断はできないけど、どの作品も面白いです。
ただ、それとは別に自分が岩明作品に惹かれる理由があって、それは「主人公が妙に自分に似ている」ということ。
自分がそう思っているだけかと思ったら、嫁も言っているので、多分そうなんだと思う。
寄生獣の主人公を見て最初にそう思ったが、ヘウレーカやヒストリエではさらに似ている気がする。
まぁ、オレはあんなに能力が高くないけど。
でもまぁ、やりたい仕事をしたい、偉い人の秘書官として自由に動ける立場を手に入れて、
工場に行って最新技術を勉強して子供向けのオモチャに転用するとか、なんか考えるベクトルも見た目も似てる。
作品はどれも面白いので、オススメです。
そして特にオレを知っている人は、読んで似てたかどうかコメントを頂ければ。
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/22
- メディア: コミック
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