ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

この記事を書けと誰かが叫ぶ、スカウターカーナビ、登場!

この技術が出たのなら、ブログを書けという声がどこからともなく聞こえる!出張帰りで疲れているのに今日書いて投稿しますよ。


以下リンク先
ARスカウターモード搭載カーナビ、パイオニアから
フロントガラス越しの映像に情報を重ねて表示できる「ARスカウターモード」搭載、新型カロッツェリア「サイバーナビ」

簡単な解説

パイオニアから新しいカーナビが登場。
カメラ画像をカーナビ上に表示し、ARで進行方向、車線情報、前方車両状況などを表示する
通称スカウターモード」を搭載。

それにしてもスカウターってドラゴンボールの完全な造語、でいいんだよね?
ここまで普通に使われるという浸透力が本当に凄い。


一応冷静な解説を加えておくと、この表示はカーナビ画面上で行われる。
BMWの上位機種ではフロントガラスにコンパネの情報を表示する
HUD(ヘッドアップディスプレイ)を搭載した車種があったはずだが、
今回のパイオニアのカーナビは、表示の内容はともかくカーナビとしては普通の1DIN/2DINタイプ。
カーナビ画面なので運転中に見続けてはいけません。
「ARの方が分かりやすいのでずっとこっちを見て運転していて事故りました」というときは
「前方の画面を見ていたのに前方不注意」
となるのでご注意ください。

いつものコメントと将来性

ARが実用化したら、いつも通りコメントしますよ。
「何の役に立つのか」
「どう展開するのか」
そして「夢の将来像」

何の役に立つのか

パイオニアに言わせると「地図から実際の道に変換する作業を無くし、直感的に分かりやすくする」
ということで「分かりやすいカーナビにする」ことが目的とのこと。
もちろんそれはある。
ただこれだけでは弱いのはパイオニア自身も理解している。


例えば画像を保存するメモリー機能や、自動で新しいルートを学習する機能などカーナビの機能も拡充している。
ARを行うにはカメラを搭載する必要があるので、カメラをAR専用にせず他の機能を付けたのは正しい。

どう展開するのか

車線がずれた際の指示や、前方の車を認識してターゲットマーカーを表示するなど
運転に関する機能が搭載されているのが興味深い。
どちらも自動運転に繋がっていく機能と言える。


カーナビメーカは戦略的に難しい時期にいると思う。
PNDという安価モデルが世界を席巻していて、高機能カーナビはナビの必要性は薄い米国などではあまり売れない。
(道が単純ででかいのでカーナビが日本のように高機能である必要性が低い)
ハイエンドは自動車メーカも興味を持っていて、各メーカでタイアップを行っている。
自動車メーカは当然最終的には自分のところに取り込みたいと考えているし、
最新の機能を自動車メーカ主導で作ってしまうとカーナビメーカは自社のメリットを出せなくなる。


その中で今回のカーナビ。
カーナビは今後車の「メインコントローラ」になる可能性を秘めている。
そのためにカーナビはGPSだけで無く、様々な情報を集約し、運転に指示を出せる必要がある。
今回の「カメラ」「画像認識」「運転指示」「ルート生成」はこの辺への布石じゃ無かろうか。
今後はこの運転指示部分をさらに強化すると思う。
距離センサとの連動、自動クルーズ対応が次の展開かな。

夢の将来像

電気自動車が盛り上がる中で、
「自動車を誰でも作れる時代が来る」とは以前から言われているところ。
その中で電池メーカや電機メーカなど、各社がパーツを作り、自動車を作るようになる。
これは、メインフレームからパソコンになったときと同じように考えられると思う。
誰でもパソコンを作れる。
その時にプラットフォームとなったものは何か。
プラットフォームを提供したAppleMicrosoftはパソコン業界で覇権を取った。
自動車ではカーナビがその中心に入る可能性があるのではないか。


世界で電気自動車が売れるようになる。
それと並行して、オートクルーズ(自動航行)の時代が来たらどうなるだろう。
安全性の保証を嫌う自動車メーカがなかなか手を出そうとしないオートクルーズも、
全く別の会社が力を入れれば一気に普及が進むかもしれない。
何より、そういった新しい機能が電気自動車の普及のきっかけをつかむかもしれない。


その時にそこまで高機能なカーナビを供給できるのは、ガラパゴス化した日本のカーナビ各社だけかもしれない。
そんな夢物語も、ちょっと楽しくない?