ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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スーパークールビズから始まる新しい裃の形

まぁ、普及しないと思うんだけどね、スーパークールビズ
クールビズが普及したかって言うと、普及したように見えるけど
ちゃんとした打ち合わせの場ではやっぱりクーラーを効かせて、ネクタイを締める訳ですよ。
で、律儀にネクタイしている会社を「真面目だね」と評価する人もいる訳ですよ。
そういう意味で、本質的にクールビズもまだ浸透していない。
そして今回のスーパークールビズ
何のことは無い、「緊急事態だからポロシャツで会社行っていいですよ」という話。
これを発表している大本営がネクタイ付きの背広で発表しているんだから、それをみた企業が導入できる訳が無い。

なんかあれだね、戦時中の「代用食」とかそういうのを思い出すね。
緊急事態になると大本営はとってつけたような対策案を出して「対策した」というけど、
国民の実情に合ってないんだから、結局何も解決してないという。

背広廃止論

そもそも「ワイシャツ・背広」というスタイルは高温多湿の日本に向かない。
MASTERキートン「砂漠では意外に背広はいいんだよ」という話があったが、
「高温」ではなく「多湿」に背広は圧倒的に向かないんじゃ無いかと思う。


ということで提案。
日本の気候に合った、新しい服を作ったらいいんじゃない?
背広を簡略化したクールビズじゃなく、
裃や羽織袴のように、「これが日本の公的な服です」というしっかりした物を。
言ってみれば「新・裃」
着物は羽織袴のようなしっかりした物は暑苦しいが、簡易的な着物や浴衣なら夏でも着られる。
同じように公的な物から簡素な物までラインナップすれば、失礼で無くオフィスで過ごしやすい服を導入できると思うんだが。

Men's KIMONO (Kamishimo) / gintacat

クールビズはなぜダメなのか?

なんで新しい服か?それは今の「背広−α」スタイルでは、結局「正式な場では背広」から抜けられないから。
中近東の国々では男性はみんな白い服(カンドーラ、ディスダーシャ)を着ているし、それは正式な場でも、国家元首でもそう。
日本はヨーロッパとは気候が違うんだから、日本スタイルを作ってしまえばいい。

Palestine_Gaza_Arab-Suqrir_NK26334 / gnuckx


「公式なスタイル」としてしまえば、国家元首NHKのニュースキャスターもその「新・裃」を着ることができる。
ニュースで毎日その姿を見せられれば、公式な場で着ても違和感が無くなるだろうし、
徐々にそのスタイルが日本の標準になるんじゃ無いか?
(羽田さんは以前国会でも半袖ルックだった?しらねぇよ、そんなの)
何より、もともとが日本の風土に合わせて作られる物なので、着心地を良く作る事ができる。
「着るのが大変」「メンテナンスの手間がかかる」「動きにくい」
として日常から消えつつある着物と違い、本質的に着心地の良いなら、「周囲の目」をクリアできれば置き変われる可能性は高い。


何より、カンドーラ/ディスダーシャが「中近東あたりの服」というイメージのように、
この「新・裃」「日本向け」でなく「高温多湿気候向け」だとするなら、
これが日本の服では無く「アジアの一般的な公的な服」となれる可能性もある。
そうなると最初に導入した日本のメーカーはアジアで一定の売り上げを出すこともできるはず。
(もちろんその後にはアジア各国での熾烈な食い合いが始まる)
まぁ、便利だしいいと思うんだけど。

震災・原発事故をタダの「嫌な思い出」にしないために

原発から始まったこの日本全体の大節電ブーム。
単なる「我慢の夏」ではなく、これは生活を考え直す一つの契機にすればいいと思う。
二次電池自然エネルギー発電のように、今までなかなか進まなかった新技術を導入するのも一つだし、
本質的に今までよりも生活しやすくするためのルールの変更を行うきっかけにするのも一つだと思う。

solar power / van_mij


政府はスーパークールビズの掛け声をかけたからもういいよね」ではなく、
もう一歩踏み込んで、欧米から押し頂いた背広スタイルそのものから考え直す機会としてはどうか。
原発が起きて大変だったねでは無く、その躓きをきっかけにさらに先を見ることができれば、
日本はより良い国になると胸を張って言える気がする。