ドイツのアルコール消毒液の事情について
先週の投稿からドイツはじめ欧州の感染者数は留まるところを知らず、ドイツでは首相から「要請」ではなく「批判」が飛び出すという異例の状態になっています。
前回は「ドイツのマスク事情」について書きましたが、シェンゲン協定のある欧州では他国からの人の移動を止められないという事情もあり、行政府の異なる多国間の一国でも感染者がいれば自分の国に流入するという問題があります。
このため入国者に関しての隔離措置は行われておらず「帰国後の待機を覚悟すれば出張可能」ということで(会社命令により)出張と相成ったわけですが。
まぁそれはそれとして。
そんなわけで欧州各国の感染状態については「基本持ち込まれる分には無防備」という欧州の弱点を分かった上で比較することになり、例えばこの記事でも
発生率の高いバイエルンの大部分がオーストリアと国境を接していることは関連があるようだ。この地域には越境通勤者や週末を国境付近のアルプスで過ごす旅行者も多い。
といった記述があります。
とはいえ
ドイツの近況は世界的にも大きく報道されているが、実際のところ、ワクチンを完全接種した身としてはそれほどの不自由や脅威は感じない。基本的なルールさえ守っていれば、そこそこ普通の生活ができる。
というのは実際に訪問しても感じたことで、「ロックダウン」と言っても外に出られないわけでもないし、ワクチンさえ打って入れば普通の生活ができるんだろうと思います。
(先々週時点、11月11日撮影のフランクフルト市内。こうしてクリスマスの何週も前から市内にマーケットを「建設」するので、テンションも人出も相当な物)
(これは2015年のフライブルグのクリスマスマーケット。といっても撮影は11月26日。11月末~12月までずっとこのお祭りが続きます)
記事では「ワクチン接種がキモ」と書かれていて、それは否定するつもりも無いのですが、マスクとは別に気になったのは「手洗い」について。
ドイツでも店舗前には消毒用のスプレーが設置されていたんですが、その数は日本と比べて圧倒的に少なく、また手に取っても「水?」という感じでした。少なくとも私が観察したところでは全部。
どう見ても濃度70%以上のアルコールじゃない。
「ワクチン」は大事だし、「Social distancing」も大事。それはそう。
日本も「三つの密」と言い続けて効果があったのだろう、という話もあります。
ただ日本ではもう一つ、「手洗い・うがい・マスクの徹底」も繰り返し言われてきて、それも結構浸透してると思います。
少なくとも「手洗い」はどこにでもアルコール消毒液が設置されていて、例えばスーパーに行けばみんなシュッとやってから出入りしてる。「マスク」もみんなしてる。
(少なくとも自分の観測範囲では)
翻ってドイツでは、前の記事の通りみんなできる限りマスクを外そうとするし、街中で「手洗い」をできる環境も極端に少ない。
(アルコール消毒液がない or 消毒できてない、駅のトイレは有料等々)
(ちょっと近づいて撮影が憚られたので、離れたところから撮ったスイスの駅の有料トイレ。2016年撮影)
コロナ禍の中で人の行き来が極端に減ったので、彼の国の事情は記事や数字に頼ることが多くなり、結果として「ワクチン接種率」など一律に比較できる指標で話をするようになっていますし、それ自体はいいことだと思うんですが、行ってこそわかる「空気感」って結構大事だなと思うので、改めて書きました。
アルコール消毒液の件、短期間の滞在でデータのN数が少ないので、前回は書きませんでした。
「実際にはそんなことないよ」という意見があればぜひお願いします。