ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

「ボードゲーム制作者向けアンケート 2020」結果報告

ボードゲーム制作者向けアンケート、今年は79件の回答を頂きました。

2016年 94件

ボドゲ制作者アンケート、結果発表

ボドゲ制作者アンケート、最終集計「+α」

2017年 82件

ゲムマ2017秋・アンケート結果:2017概況

ゲムマ2017秋・アンケート結果:2016→2017年比較

2018年 124件

2018アンケート結果:第一弾

2018アンケート結果:第二弾

2019年 139件

2019出展者向けアンケート結果:第一弾

2019出展者向けアンケート結果:第二弾

2020年 79件  

 回答数は例年より少なかったのですが、コロナ禍の影響もある中、多くの回答を頂きました。ありがとうございました。

今年はゲームマーケット春(東京)・大阪が中止になり、ゲームマーケット秋(東京)の参加を辞める方も多いと考えられたため、従来の「ゲームマーケット出展者向けアンケート」を改め、「ゲーム制作者向けアンケート」とし、ゲムマに出展していない方も回答対象としました。

とはいえ、やはり回答者は出展者が大勢を占める結果となりました。

 

今年の気になる点は、コロナ禍による昨年からの変化かと思いますので、昨年と同じ質問項目については今年と昨年の結果を並べて表示しています。

 

サークルについて

活動の拠点はどちらですか?

2020年

f:id:roy:20201202202009p:plain

関東地方 65 82.3%
近畿地方 7 8.9%
中部地方 4 5.1%
東北地方 2 2.5%
北海道 1 1.3%

 

2019年
f:id:roy:20191202101750j:plain

昨年と比較すると圧倒的に関東が多くなり、四国・九州・沖縄の遠方からの回答がゼロになりました。参加者からの回答が多いことを考えると、やはり地方からのゲムマ参加を控える方が多かったと考えられます。

(私も今回は委託のみで、会場にはお邪魔していません)

 

サークルのメンバーは何名ですか?

2020年

f:id:roy:20201202204726p:plain

1 39 49.4%
2 17 21.5%
3 10 12.7%
4 5 6.3%
5 5 6.3%
6 1 1.3%
8 1 1.3%
10 1 1.3%

 

2019年

f:id:roy:20191202101808j:plain

人数比は昨年とほぼ変わらず。おおよそ同じ傾向でまんべんなく回答頂いていると考えられます。

 

ゲームマーケット2020秋について

ここからはゲームマーケットについて。

後半の質問は出展者のみ回答なので、回答数が他の質問より少なくなります。

ゲームマーケットの参加形態を教えて下さい

2020年

f:id:roy:20201202205310p:plain

土曜・日曜両日 28 35.4%
土曜のみ 27 34.2%
出展していない 10 12.7%
エリア 6 7.6%
日曜のみ 5 6.3%
それ以外(共同出展で一日のみ参加など) 3 3.8%

出展形態による分類。

今年は昨年と出展形態が変わったため、昨年との比較は載せていません。

「出展していないサークルからの回答も募集」としましたが、出展していないサークルからの回答は全体の13%で、ほとんどの回答は出展者からでした。

 

ボードゲームを作り始めて、何年目ですか?

2020年

f:id:roy:20201202205813p:plain

1 8 10.1%
2 16 20.3%
3 19 24.1%
4 15 19%
5 5 6.3%
6 5 6.3%
7 2 2.5%
8 3 3.8%
9 1 1.3%
10 5 6.3%

2019年f:id:roy:20191202101902j:plain

このグラフを見た時、今回のアンケートを実施して良かったと思いました。

全体の3割を占める新規参入組から、製作年が長くなるほど減っていく、というのがボードゲーム制作者の年齢(?)ピラミッドでしたが、それが今年は大きく崩れたことが分かります。

グラフを見ると1~2年目が大きく減少していて、3年目以上の「中堅・ベテラン」はそのまま残ったという感じです。

 

ゲームマーケットへは何回出展しましたか?

2020年

f:id:roy:20201202210759p:plain

1 10 12.7%
2 10 12.7%
3 9 11.4%
4 10 12.7%
5 8 10.1%
6 7 8.9%
7 6 7.6%
8 6 7.6%
9 2 2.5%
10 11 13.9%

2019年

f:id:roy:20191202101917j:plain

上の質問に引き続き、こちらはゲムマへの出展回数についての質問。

当然1~2年目の出展が少ないので1~3回目の出展が軒並み減って、キレイに横並びの回答件数になりました。

ゲームマーケットは今まで年三回開催のため、年2~3回参加するサークルが多かったようです。

 

【出展者対象】販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)

ここからは今回のゲームマーケットに出展したサークルを対象にした質問内容です。

2020年

f:id:roy:20201202211457p:plain

0個 1 1.4%
1~10個 8 10.8%
11~25個 7 9.5%
26~50個 15 20.3%
51~100個 19 25.7%
101~200個 15 20.3%
201~400個 4 5.4%
401個~500個 1 1.4%
501個~745個 2 2.7%
746個~999個 1 1.4%
2,000個~ 1 1.4%

2019年f:id:roy:20191202101945j:plain

ぱっと見、販売数に関して同じような傾向に見えますが、「100個以下」の占める割合が 55.3%→67.7% と増加しており、平均値が減少していることが分かります。

「25個以下」という一番数量の小さい層も減っていますが、これは1~2年目の参加者が減っているため、「経験が浅くてあまり売れなかった」という事例が減っているためでは?とも考えられます。

 

【出展者対象】販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)

2020年

f:id:roy:20201202212511p:plain

0円 1 1.4%
~1万円未満 4 5.4%
1万~3万円未満 5 6.8%
3万~5万円未満 9 12.2%
5万~10万円未満 14 18.9%
10万~20万円未満 14 18.9%
20万~40万円未満 13 17.6%
40万~60万円未満 5 6.8%
60万~100万円未満 3 4.1%
100万~150万円未満 6 8.1%

2019年

f:id:roy:20191202105243j:plain

金額に関しても、おおよその傾向は個数と同じ。

こちらは「5万~40万円未満」という幅広いエリアが少しずつ広がりました。

 

収益に関する質問

みんな大好き、利益のお話。

【出展者対象】イベント全体としては黒字ですか?

2020年

f:id:roy:20201202213455p:plain

赤字 : 50~100万円未満 1 1.4%
赤字 : 30~50万円未満 2 2.8%
赤字 : 10~30万未満 10 13.9%
赤字 : 1~10万未満 17 23.6%
ほぼトントン : ±1万円以内 14 19.4%
黒字 : 1~10万円未満 11 15.3%
黒字 : 10~30万円未満 11 15.3%
黒字 : 30~50万円未満 2 2.8%
黒字 : 50~100万円未満 3 4.2%
黒字 : 100万円以上 1 1.4%

 

2019年f:id:roy:20191202105303j:plain

売り上げに対して、利益に関する部分ではグラフの形が驚くほど変わっていません。

むしろ「ほぼトントン:±1万円以内」というゾーンが増えていて、「とりあえず大きく赤字にはならないように」という動きを取っていることが分かります。

経験のある3年目以上が出展者(回答者)の大勢を占めた結果であること、また大きな赤字が減ったことについては「着ぐるみを作ったため」と言った、最初から大赤字になるような遊びをするサークルさんがいなくかったという事も影響しているでしょう。

 

実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)

その結果が良く分かるのが次の回答。

2020年

f:id:roy:20201202214056p:plain

黒字 48 60.8%
赤字 31 39.2%

2019年

f:id:roy:20191202104613j:plain

これまですっと「おおよそ半分が黒字」だった結果が、初めて「黒字:赤字=6:4」と崩れました。

これは「ボードゲームは儲かる」という話では無く、むしろ「必死に作って売っても赤字になっていた制作者が参入していない or 撤退している」という状況と考えられます。

今回のゲムマは従来より売り上げ個数・金額とも減少している傾向が見て取れますが、その中でもしっかり最低限の利益を取れる or 最低限の損失に抑えられるサークルが残っているようです。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響について

今年だけの質問内容です。

従来に比べて、今年はどうだったかを回答してもらっています。

昨年までと売り上げはどう変化しましたか?

f:id:roy:20201202214629p:plain

ほぼゼロ(-80%以下) 6 7.6%
半減以下(-79~50%) 17 21.5%
減少(-49%~-21%) 12 15.2%
大きく変わらず(±20%の範囲) 30 40.5%
増加(+21~49%) 5 6.3%
大幅増(+50~79%) 1 1.3%
倍か、それ以上(+80%~) 6 7.6%

減っている所が多いものの、半分近くは大きく変化せず。

なんと大きく増加したところも15%ほどある!という結果に。

ボードゲームの市場自体はコロナ禍の引きこもり需要の中で増えているというニュースは多数報道されており、例えば「人生ゲーム」など定番の物は3~4倍にも売り上げが増えているそうです。しかし、こと個人制作のボードゲームにおいては展示会やオープン会といった「知ってもらう」機会が減ったことで売り上げの減少につながっている所も多く、売れる物、売れないものの二極化が進んでいると感じます。

この環境下で伸びるのか~スゲーな~、うらやましい。

ちなみにうちは、減少組です。

 

反省の弁:

この質問、「今年から作り始めた」という方のことを考えていない質問内容でした。この点は私の考慮不足で大変申し訳ありません。

「どれを回答して良いか分からず迷った」という声も頂いており、反省しています。

 

今年の活動内容について、該当するものをチェックしてください(複数回答可)

こうした状況下でのアクションを回答してもらいました。

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例年と同じだった 17 21.8%
展示会が減った/無くなった 51 65.4%
持続化給付金を申請/受け取った 16 20.5%
文化芸術活動の継続支援事業(文化庁)を申請した/受け取った 7 9%
今までとは違う活動を始めた 27 34.6%

この他自由記入で回答いただいた内容を列挙します

  • 今年からの活動なので比較対象無し(3件)
  • 共同出展を依頼した
  • 今年から始めたのでイベント中止・給付金申請不可で辛い思いをしました
  • そもそも新作を出すことを延期したため、テストプレイぐらいしか活動していません
  • サークルとしての活動をセーブした
  • 完全自粛
  • ずっと身内に向けてゲームを作っていたが、初めて外にゲームを出した

 

次回のゲームマーケットは参加しますか?

この状況が続きそうなので、次回以降の見込みも伺いました

f:id:roy:20201202222129p:plain

26.7%(1/4)は参加しないか、現時点で判断がつかないというご意見でした。

 

その他コメント

その他コメントを転載します。

「アンケートありがとうございます」とか、自己紹介している物などはこちらで省いています。

(一部文章を削っていますが、基本的にそのまま転載しています。コメント内容で問題があればDMを頂ければ削除させて頂きます)

 

友達を家に呼んでゲーム会をするのが好きでしたが、コロナ禍で今年は行わず、そのせいかボドゲを遊ぶことがなくなり、購入欲も無くなってしまいました。制作欲はほどほどにありますが、多趣味なので今は他のことをしています。
久しぶりお会いできてみんなでコロナを乗り越えパラダイムが変わったことを感じるイベントでした。そしてアナログゲームを作る上で人と会うことが大事なんだと改めて思えました。
次回は参加料も考慮して、見送ることにしました。 1人サークルなので委託することもないですし、一般参加者としてゲムマに行くかどうかは分かりません。
印刷所さんの出展や、企業の営業、若手サークルへの青田買いも散見され。ボドゲが盛り上がりつつある事を感じました。個人サークルもアマチュアぽさが減り、デザインがキレイなものが増え、戦国時代に突入にしたと思います。あと、マダミス界隈が人狼ブームのときと同じような曲線で隆盛と衰退を、辿っている気がします。
今回のゲムマは特にいつもと違うので、参加したサークルで「今回のゲムマ」でした工夫・アイデア・技術とかあれば知りたいです。(今後のサークル参加の参考にしたいです)
試遊に頼る方式を転換して、見るからに面白そうだというディスプレイand売り子にすることや、イベントを作ることで、売り子のモチベーションを上げるなど、沢山の試みをしてみた。それにより、確かに支出が増えたので、トントンになったが、楽しい時間を過ごすことができた。
ゲムマメイン・委託サブでだったのが、委託メインで売るスタイルに変わりました。感覚があります。イベントだけでの収益化が難しくなったのを感じます。
試遊卓がないのは、比較的時間のかかるゲームを作っている自分としてはキツイですね。 ゲムマ春は見送る予定ですが、仮に試遊卓があれば次回作が完成していなくても参考出展として出たい気持ちはありました。 次回作の制作期間は現時点で1年半くらいになりますが、大々的にテストプレイ会も開催しにくいので、知り合いに声を掛けてひっそりとやるしかなく、正直テストプレイ不足を感じています。 無理してゲムマ合わせにする必要もないかもしれないと思い始めています。 今後は独自でまたは知り合いと協力して試遊イベントでも開催するなど独自に動く必要もあるだろうと感じています。
コロナ対策用品、設営機材で1万円くらいかかったので赤もいいとこですが、今までと違い高さのあるディスプレイが出来てブースが目立つようになったのが良い点ですね。
安易なカードスタンド屋が減った
コロナの影響で、今年はゲムマだけでなく、イベントへの参加や製作について、イレギュラーな対応が常に求められてきました。正解もわからないなか、自分でこれだという方法を見つけて対応していくというのは、個々ではしんどいものがあったと思います。SNS上でコロナ対策について、イベント前に活発に交流があったことは必然で、それにより出展者同士の不安をやわらげている側面があったと思います。 イベント自体の収支も当然ですが、コロナの対応、それにともなくイベントの制限により、いつもりよりイベントにかける労力や費用が大きくなったことも気になりました。特に精神的に支払ったものが大きかった割に、費用的にリターンの少なかった製作者さんが多くなければいいのに、と思っています。 こちらのアンケートの結果が、ネガティブに受け止められることなく、次年度以降の傾向と対策に具体的に生かせてることを心から願います
人集めなどに、いいねもRTもしづらい立場です
コロナ渦ですがなんとか盛り上がれるようにがんばっていきたいです。
コロナにより試遊などが大幅に減り、参加できる時間も大幅に減ったため、ゲームマーケットの会場で新しいゲームに出会える機会が減りより偏りがキツくなってると思いました。事前の認知などを促進する仕組み自体をセットでイベントを作り上げて欲しいなあと。ゲムマHPに本気出して欲しい。
コロナで大変というより数多くのサークルさんの中に埋もれてしまって大変という感のほうが強いです。
ゲーム作成はとても楽しく、また、それを外に発表するという体験も大変楽しかったので、これからもゲームマーケットのようなイベントが沢山催され、自分たちもでることができれば、たいへん嬉しく思います。
 

さいごに

回答いただいた皆様、またアンケートの告知にご協力いただいた皆様はじめ、ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
アンケートも今年で5年目を迎え、特に今回は「昨年との比較」という点で定点観測してきた意味が出たかなと思います。
 

www.ryokuyou.co.jp

ちなみに同人誌でも、印刷会社が実施する形で同様のアンケートが実施されていました。

こちらの回答数は2,811件と私のゲムマアンケートの35倍。

正直、こちらがあるなら私は実施しなくて良いのでは?とも思いましたが、売り上げに関する傾向など異なるジャンルで比較して参考になる部分もあり、情勢の分析に多少なりとも役立つデータを提供できたなら幸いです。

 

ということで誰にとっても激動と言って差し支えない一年のアンケート結果でした。

 

 

最後に改めて、今更ですが「お前誰やねん」という方もいらっしゃるかと思いますので、自己紹介(+宣伝)を。

「ペンとサイコロ」というサークル名でボードゲームボードゲームの周辺パーツ制作を行っています。

制作ゲームはボードゲーム専門店のほかヨドバシカメラ様等の電器店、一部ゲームはロフト様等でも取り扱い頂いていますが、店舗に無い場合はお問い合わせいただくか、下記「ペンとサイコロ」通販サイトよりご購入いただけます。

pen-and-dice.booth.pm

私自身の今年の活動としては、WEBでの展示会が出来ないかと「VAGE -Virtual Analog Game EXPO-」を企画しました。

2度のイベントを開催し、その後が続かなかったものの、場所は残しており「制作者同士の部室」として緩い情報交換の場になれば、と思っています。

無料で自由に出入りできるので、よろしければお気軽に参加ください。

ほとんど投稿がありませんが、投稿してもらえば結構すぐに反応があります。

discord.gg

最近はそもそもゲーム会への参加を控えている以上、ボードゲーム作りはこの1年完全に停滞しています。

このため、この1年は新しい試みとしての「ダイスローラー」「ダイススピナー」といった、ボードゲーム周辺のツール作りに挑戦していました。

youtu.be

3DモデリングはCADとCGを両方勉強していて、こんなモデリングもしています。(写真中の牡蠣をモデリング→出力)

練習がてら色々作ってみたいので、「こんなの作れる?」というお話があれば声をかけてください。

以上、ここまで読んでくださってありがとうございました。