ボードゲーム制作者向けアンケート、今年は79件の回答を頂きました。
回答数は例年より少なかったのですが、コロナ禍の影響もある中、多くの回答を頂きました。ありがとうございました。
今年はゲームマーケット春(東京)・大阪が中止になり、ゲームマーケット秋(東京)の参加を辞める方も多いと考えられたため、従来の「ゲームマーケット出展者向けアンケート」を改め、「ゲーム制作者向けアンケート」とし、ゲムマに出展していない方も回答対象としました。
とはいえ、やはり回答者は出展者が大勢を占める結果となりました。
今年の気になる点は、コロナ禍による昨年からの変化かと思いますので、昨年と同じ質問項目については今年と昨年の結果を並べて表示しています。
サークルについて
活動の拠点はどちらですか?
2020年
2019年
昨年と比較すると圧倒的に関東が多くなり、四国・九州・沖縄の遠方からの回答がゼロになりました。参加者からの回答が多いことを考えると、やはり地方からのゲムマ参加を控える方が多かったと考えられます。
(私も今回は委託のみで、会場にはお邪魔していません)
サークルのメンバーは何名ですか?
2020年
2019年
人数比は昨年とほぼ変わらず。おおよそ同じ傾向でまんべんなく回答頂いていると考えられます。
ゲームマーケット2020秋について
ここからはゲームマーケットについて。
後半の質問は出展者のみ回答なので、回答数が他の質問より少なくなります。
ゲームマーケットの参加形態を教えて下さい
2020年
出展形態による分類。
今年は昨年と出展形態が変わったため、昨年との比較は載せていません。
「出展していないサークルからの回答も募集」としましたが、出展していないサークルからの回答は全体の13%で、ほとんどの回答は出展者からでした。
ボードゲームを作り始めて、何年目ですか?
2020年
2019年
このグラフを見た時、今回のアンケートを実施して良かったと思いました。
全体の3割を占める新規参入組から、製作年が長くなるほど減っていく、というのがボードゲーム制作者の年齢(?)ピラミッドでしたが、それが今年は大きく崩れたことが分かります。
グラフを見ると1~2年目が大きく減少していて、3年目以上の「中堅・ベテラン」はそのまま残ったという感じです。
ゲームマーケットへは何回出展しましたか?
2020年
2019年
上の質問に引き続き、こちらはゲムマへの出展回数についての質問。
当然1~2年目の出展が少ないので1~3回目の出展が軒並み減って、キレイに横並びの回答件数になりました。
※ゲームマーケットは今まで年三回開催のため、年2~3回参加するサークルが多かったようです。
【出展者対象】販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)
ここからは今回のゲームマーケットに出展したサークルを対象にした質問内容です。
2020年
2019年
ぱっと見、販売数に関して同じような傾向に見えますが、「100個以下」の占める割合が 55.3%→67.7% と増加しており、平均値が減少していることが分かります。
「25個以下」という一番数量の小さい層も減っていますが、これは1~2年目の参加者が減っているため、「経験が浅くてあまり売れなかった」という事例が減っているためでは?とも考えられます。
【出展者対象】販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)
2020年
2019年
金額に関しても、おおよその傾向は個数と同じ。
こちらは「5万~40万円未満」という幅広いエリアが少しずつ広がりました。
収益に関する質問
みんな大好き、利益のお話。
【出展者対象】イベント全体としては黒字ですか?
2020年
2019年
売り上げに対して、利益に関する部分ではグラフの形が驚くほど変わっていません。
むしろ「ほぼトントン:±1万円以内」というゾーンが増えていて、「とりあえず大きく赤字にはならないように」という動きを取っていることが分かります。
経験のある3年目以上が出展者(回答者)の大勢を占めた結果であること、また大きな赤字が減ったことについては「着ぐるみを作ったため」と言った、最初から大赤字になるような遊びをするサークルさんがいなくかったという事も影響しているでしょう。
実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)
その結果が良く分かるのが次の回答。
2020年
2019年
これまですっと「おおよそ半分が黒字」だった結果が、初めて「黒字:赤字=6:4」と崩れました。
これは「ボードゲームは儲かる」という話では無く、むしろ「必死に作って売っても赤字になっていた制作者が参入していない or 撤退している」という状況と考えられます。
今回のゲムマは従来より売り上げ個数・金額とも減少している傾向が見て取れますが、その中でもしっかり最低限の利益を取れる or 最低限の損失に抑えられるサークルが残っているようです。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響について
今年だけの質問内容です。
従来に比べて、今年はどうだったかを回答してもらっています。
昨年までと売り上げはどう変化しましたか?
減っている所が多いものの、半分近くは大きく変化せず。
なんと大きく増加したところも15%ほどある!という結果に。
ボードゲームの市場自体はコロナ禍の引きこもり需要の中で増えているというニュースは多数報道されており、例えば「人生ゲーム」など定番の物は3~4倍にも売り上げが増えているそうです。しかし、こと個人制作のボードゲームにおいては展示会やオープン会といった「知ってもらう」機会が減ったことで売り上げの減少につながっている所も多く、売れる物、売れないものの二極化が進んでいると感じます。
この環境下で伸びるのか~スゲーな~、うらやましい。
ちなみにうちは、減少組です。
反省の弁:
この質問、「今年から作り始めた」という方のことを考えていない質問内容でした。この点は私の考慮不足で大変申し訳ありません。
「どれを回答して良いか分からず迷った」という声も頂いており、反省しています。
今年の活動内容について、該当するものをチェックしてください(複数回答可)
こうした状況下でのアクションを回答してもらいました。
この他自由記入で回答いただいた内容を列挙します
- 今年からの活動なので比較対象無し(3件)
- 共同出展を依頼した
- 今年から始めたのでイベント中止・給付金申請不可で辛い思いをしました
- そもそも新作を出すことを延期したため、テストプレイぐらいしか活動していません
- サークルとしての活動をセーブした
- 完全自粛
- ずっと身内に向けてゲームを作っていたが、初めて外にゲームを出した
次回のゲームマーケットは参加しますか?
この状況が続きそうなので、次回以降の見込みも伺いました
26.7%(1/4)は参加しないか、現時点で判断がつかないというご意見でした。
その他コメント
その他コメントを転載します。
「アンケートありがとうございます」とか、自己紹介している物などはこちらで省いています。
(一部文章を削っていますが、基本的にそのまま転載しています。コメント内容で問題があればDMを頂ければ削除させて頂きます)
さいごに
ちなみに同人誌でも、印刷会社が実施する形で同様のアンケートが実施されていました。
こちらの回答数は2,811件と私のゲムマアンケートの35倍。
正直、こちらがあるなら私は実施しなくて良いのでは?とも思いましたが、売り上げに関する傾向など異なるジャンルで比較して参考になる部分もあり、情勢の分析に多少なりとも役立つデータを提供できたなら幸いです。
ということで誰にとっても激動と言って差し支えない一年のアンケート結果でした。
最後に改めて、今更ですが「お前誰やねん」という方もいらっしゃるかと思いますので、自己紹介(+宣伝)を。
「ペンとサイコロ」というサークル名でボードゲーム・ボードゲームの周辺パーツ制作を行っています。
制作ゲームはボードゲーム専門店のほかヨドバシカメラ様等の電器店、一部ゲームはロフト様等でも取り扱い頂いていますが、店舗に無い場合はお問い合わせいただくか、下記「ペンとサイコロ」通販サイトよりご購入いただけます。
私自身の今年の活動としては、WEBでの展示会が出来ないかと「VAGE -Virtual Analog Game EXPO-」を企画しました。
2度のイベントを開催し、その後が続かなかったものの、場所は残しており「制作者同士の部室」として緩い情報交換の場になれば、と思っています。
無料で自由に出入りできるので、よろしければお気軽に参加ください。
ほとんど投稿がありませんが、投稿してもらえば結構すぐに反応があります。
最近はそもそもゲーム会への参加を控えている以上、ボードゲーム作りはこの1年完全に停滞しています。
このため、この1年は新しい試みとしての「ダイスローラー」「ダイススピナー」といった、ボードゲーム周辺のツール作りに挑戦していました。
3DモデリングはCADとCGを両方勉強していて、こんなモデリングもしています。(写真中の牡蠣をモデリング→出力)
練習がてら色々作ってみたいので、「こんなの作れる?」というお話があれば声をかけてください。
クリスマスコフレの時期ですが、
— 喜屋武蓮(キャンレン)🌹 (@kyan322) 2020年11月22日
喜屋武は自分好みのゴテゴテなパクトを作りました。
フラ●ーノーズのエンジェルシリーズとか、カ●ボウのミラノコレクションとか、AN●A SUIとか、そんな感じのキラキラしたパクトが欲しかったけどなかなか難しいのでいつも使ってるものをアレンジしました💎 pic.twitter.com/5nHJJjDiiP
以上、ここまで読んでくださってありがとうございました。