ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ゲムマ2017秋・アンケート結果 第二弾:2016→2017年比較

ゲームマーケット2017秋も終了し、制作者向けアンケートを実施しました。

その結果はこちら。

roy.hatenablog.com

 

アンケートは昨年に引き続き二回目となるため、たった一年ではありますが回答を比較してみます。

昨年と今年、同じゲームマーケット秋でも、一番大きな違いは「二日開催」です。

増え続ける参加者に対して二日開催はどう作用したか。

出展サイドから見た変化を、アンケートから探れるかを見てみます。

 

Q2:ゲームマーケットへの出展は何回目ですか

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出展回数には大きな変化なし。

このぐらいの変化は誤差でしょう。

毎年3割程度は初参加者が入る業界というのは非常に新陳代謝が激しく健全と言って良いかと思います。

しかしまぁ、これでみるとうち(ペンとサイコロ)も十分「中堅」ですね。今更ながら。

 

Q3:販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)

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大きく変化が見えたのはこの辺です。

「参加サークルが見えて回りきれないから、売れるところ・売れないところの差が激しくなる(なっている)」

という声をポツポツと聞くことがありました。

では実際はどうか。

二日開催で販売時間が増えたこともあり、全体的に販売数は増加傾向でした。

数字では「101~200個」のゾーンが大きく増え、「26~50個」が減っています。

販売時間は単純に2倍ですから、販売時間増を上回る販売増があったといえます。

 

Q4:販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)

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これに伴い販売金額も増えています。

5万円未満の割合が軒並み減少し、20万~60万円の割合が増加。

全体的には「開場時間の増加を上回るほど、売り上げは増えた」ゲームマーケットといえるのではないでしょうか。

 

Q5:イベント全体としては黒字ですか?

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ところが思ったほど改善していないのが利益。

多少は改善しているのですが、大幅な赤字を出しているサークルは少数ながら増加しており、全体の収支としては「多少良くなったかな?」という程度。

やはり二日開催による経費の増加はかなり効いているということですね。

私も奈良からの出張参加組なので、二日開催だと旅費も結構な金額になりますから、それはよくわかります。

ただ、大きな赤字が出ているところはおそらくは「作りすぎ」。全体の販売数が増えていることから、制作数も従来より大きくなっており、外れたときに大きな赤字を出すサークルが出始めているものと思われます。

 

仮にも6作のゲームを制作した人間から僭越ながらコメントさせていただくと、

  • 初めてのゲーム制作
  • あまり宣伝もしていない

という状態で、貼り箱の外箱付きで200個~300個作るというお話を最近聞きます。

「最近は見た目も良く、外箱もしっかりしていないと売れない」と言われているのかもしれませんが、初期投資を増やしたから売れるものでもありませんし、安く作れば売れなくてもリスクを減らせます。

箱やボードを使うボードゲーム制作は、決して安い投資ではありませんから、リスクを避ける方法も考えておいた方がいいですよ、と思います。

例えば私はクラウドファンディングを二回実施していますし、新作「卓上ヘボコン 対戦キット」は過去の利益の範囲で制作しています。そうして、失敗した際のリスクを毎回ある程度見込んで動いているわけです。

このアンケートを始めたきっかけも「お金のことをちゃんとして、長くボードゲーム制作を続けるための情報収集」だったので、参考になれば幸いです。

 

Q6:実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)

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そして最終利益。

ここまでの数字の変化を考えるとびっくりするぐらい「ちょうど半々」に落ち着きました。

赤字のサークルはゲーム制作から離れ、また新規参入が増えることでトータルとしてはこの数字に落ち着くのだと思われます。

 

黒字化と参加回数のクロス集計比較

ちなみに参加回数と最終赤字・黒字でのクロス集計結果はこうなりました。

こちらが昨年(2016年)のもの

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こちらが今年(2017年)のもの。

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グラフとしては今年の方がきれいですが、傾向は全く同じ。

はじめてのゲームマーケットでは、7~8割のサークルは赤字な訳です。

そこから赤字サークルは撤退し、またはノウハウをつけて、

4回以上参加経験のある中堅サークルでは6~8割が黒字化していると。

ノウハウの蓄積か、ただの生存者バイアスかはこのデータだけではわかりません。

しかし、イメージと難易度は伝わるかと思います。

ボードゲームが盛り上がっているらしいから作ってみよう」

と新しい参加者が今のように増えているのは喜ばしい状況です。

そうした方たちにも、少しでもこうした情報が参考になれば幸いです。