ゲームマーケット2018秋、出展者向けアンケート結果:第一弾
ちょっと間が空きましたが、ゲームマーケット2018秋、お疲れ様でした and ありがとうございました。
さて、その結果はどうだったのか?
今年も出展者向けのアンケートを実施しましたので、その結果を公開します。
このアンケートも今年で3年目。
2016年:94件 → 2017年:82件 → 2018年:124件
と、今年は過去最高の回答数を頂きました。
改めまして、ご回答頂いた皆様、ありがとうございます。
他にこうした集計データを見たことはありませんし、なにより年次推移まで見られるという意味では、日本のボードゲームの個人制作における、最も詳しいデータであると自負しています。
昨年同様、一回で纏めるには分量が多いので、複数回に分けて記事とします。
今日は一回目として、アンケートの結果を列挙します。
次回以降にクロス集計および、過去からの推移についてまとめます。
現時点でそうした集計を行っていないので、全体で何回の記事になるかは不明です。
昨年までの記事はこちらを参照ください。
ゲムマ2018秋、結果アンケート
■1:サークルについて
今回よりサークルについての質問を追加しました。
活動の拠点はどちらですか?
まずは活動拠点について。
東京開催のイベントでの質問なので、東京が多いとは思っていましたが、3/4が関東というのは、個人的には驚きでした。「関西が全体の10%」と言われりゃ確かにそんなイメージですが。
そりゃ東京で二回開催の要望が多いわ。
私自身が関西からの出展ですし、他の地方の方との交流も多いので、もっといろんなところから参加されている印象でした。
あるいは関東勢が多すぎる、ということかもしれませんが。
念のため入れた「海外」の選択肢ですが、台湾の方から回答がありました。
日本語だけの入力フォーム、Twitterだけの告知にも関わらず、ありがとうございます。
(アジアではTwitterよりFacebookの方が盛んですし、中国ではTwitterが使えません)
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「活動拠点に「北陸地方」増やして欲しい」
サークルのメンバーは何名ですか?
これは私が個人的に知りたかったデータ。
最近複数人のサークルが多い印象があり、実際の数字を知りたくなりました。
結果は下記の通り。
1人でやっているところは全体の4割強。(「ペンとサイコロ」も私(ろい)一人です)
そこから綺麗な曲線を描いて人数が減っていきます。
10人以上のところが複数あるんですが、これは企業でしょうか?
■2:ゲームマーケット2018秋について
ここからは前回と同じ質問内容です。
昨年からの比較は次回行いますので、今回は単純にアンケート結果を並べます。
ゲームマーケットの参加形態を教えて下さい
今回は個人出展は一日だけ、企業出展は二日のみという縛りがあり、救済措置として土日の個人出展者をワンセットにする「タッグ出展」という形態が導入されました。
出展者は当然理解していますが、来場される方にはちょっと分かりにくかった感じもします。
タッグ出展の場合は1/6ページのサークルカットに2サークル分の情報を詰め込む必要があり、カタログに全ての情報を載せられていない所も見受けられました。
会場が狭いことによる緊急措置と聞いていますが、この形態を続けるのは難しそうです。
出展数としては個人出展の一日出展に関しては、「土曜のみ」「日曜のみ」がほぼ2:1でした。
出展しながら会場を歩いても、土曜は個人ブースを見に行く方が多く、日曜は企業ブースとフリーマーケットが賑わっている印象でした。
「日曜は売れない!」という声も複数伺いましたが、私の例(企業出展)では土曜より日曜の売上げが多かったので、「日曜はダメ」という単純な話ではないという印象です。
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「やはり来場人数でも見えるが、日曜日は不利(不公平)感がある。
しかも本当に公式発表通りの人数が来たかも怪しい。
2日目はフリーマーケットのおかげで水増しできていたのかもしれないが…」「一般両日参加したいです…」
「今回の秋は土曜から日曜に回されたのでハズレだなぁと思っていましたが、心配したほどではなかったです。また、今回は拡張を出したのですが販売個数の4割は基本を買って行っていただけた方だったので、まだまだ新規の方が多い印象でした。」
「販売と試遊が併設されたタイプのブースを増やせないでしょうか。
離れているタイプだと販売と試遊とでスタッフをそれぞれ配置せねばなりません。それぞれの連携も取りづらく、お客様をご案内する際に販売卓が分からないなどの支障が出ています。
(コミケに比して)通路が広く、通行が容易なのは良い点だと思います。」
試遊は行いましたか?
2/3程度は「試遊あり」で出展されていました。
個人サークルが半分、という背景と併せると、試遊+販売を一人で行う方がいるわけです。
これを一人でできる「一体型」の出展形態が喜ばれる理由も分かろうかというところです。
ボードゲームを作り始めて、何年目ですか?
こうした企画を何年かやっていて怖いのは、回答する方が前年から継続の方だけで、新規の方の情報が取れない、ということ。
蓋を開けてみれば回答者の1/3以上が今年ゲームを作り始めた方、ということでホッとしています。(「18会」の方が拡散に協力頂いた部分も大きいと思います。この場を借りて御礼申し上げます)
年を追って回答数が綺麗に減少していますが、同期である5年目のデータが少し多いので、これは多少の偏りになっています。
しかし新規参入がこれだけ多いのは業界が伸びている際の傾向です。
「いつ飽和するんだ?」と数年前から言われていますが、現時点ではまだ伸びているようです。
ちなみに来場者も新規の方が多かった印象です。上のコメントにもそういう意見がありますね。
ゲームマーケットへの出展は何回目ですか
意外に山谷のあったデータがこちら。
2回目、6回目の回答が有意に低く見えるのですが、理由は不明です。
先の「ゲームを作り始めて何年か」という質問と併せると、ゲームマーケットだけでも年二回以上参加している方が多いことが見て取れます。
販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)
ここからがみんな大好きお金の話。
まずは個数での比較です。
規模が大きくなったことで極端な数字も増えた印象があります。
「0個」「2000個~」という両極端な結果に複数回答が入っています。
中央値は「51~100個」なので、「70個売れば頑張った。100個売れれば凄い」が目安でしょうか。
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「普段でもきついですが、今回は配置がアレだったため無事に爆沈しました。」
販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)
こちらは金額ベース。
同じく「0円」「300万~」の両方に回答があります。
中央値は「10万~20万」、「15万売れれば頑張った。20万売れれば凄い」という感じですかね。
仮に15万、70個を基準にすると、平均単価は「2,142円」。
1,500円、2,500円のゲームが多いと考えれば、そんなものでしょうか。
■3:収益に関する質問
イベント全体としては黒字ですか?
売上げではなく、利益としてはどうか?という質問。
「これが一番知りたかった」と言われ、このアンケートを開始した理由でもあります。
中央値は「ほぼトントン」です。
私みたいに関西から来る移動経費やお手伝い頂いた方の謝礼はどうなんだというあたりは回答者に委ねていますので、この計算基準は一律ではないとご理解下さい。
このアンケート、毎回赤字をどでかく叩きだしている回答があり、今回も「-100万円以上」に回答があるんですが、なにをやらかしたらそこまで膨らむのでしょうか・・・
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「収益に関しては人件費雑費をすべて込みで計算しました。」
「今回のイベントは新作が一部(三分の二)届かないというトラブルが無ければ利益出てました。。」
「ゲームの原材料費ではトントンですが、遠方のため旅費がかさんでしまいました。」
「やっぱりイラストレーターが高いですね。」
実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)
これはトータルとしての赤字・黒字について。
ずっと「ほんの少しだけ黒字が多い」状態が続いています。
「半分は黒字」というより、「生き残っているところ+新規参入のうち半分」なので、今年スタートしていきなり黒字になる割合はもっと低いです。
その辺の分析は次回をお待ち下さい。
■4:ゲームマーケットとその他のイベントについて
ゲームマーケットの2日開催について
昨年から東京開催のゲームマーケットは二日開催になりました。
その是非についての質問です。今回も残すか迷ったのですが、昨年と傾向が変わるかを見たくて残しました。
3/4が現状のままの二日開催に賛成と、非常に肯定的です。
開催日程より、「会場を広く!」という意見が多かったのは、会場が狭い今年ならではですね。
とはいえ、地方参加勢には二日滞在も大変なので、「一日に戻して欲しい」も地方参加者数に近い数の意見があります。
東京開催のイベントの参加者に、東京のイベントについて訊いているという偏りがある点は注意すべき内容です。
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「会場スペースを広くして1日開催」
「一日目二日目で時間を変えるというより、出展傾向を変えるなどが望ましいです。商業寄り/同人寄り(名刺印刷、手製多し、JANなし)みたいな。」
「何となくですが、企業ブースが強すぎで参加者が同人まで手が回ってない印象でした。
なので企業を1日目、同人を2日目…みたいな分け方にすれば平和になるんじゃないかな…って気がしました。」「もっと広い会場でやるべき。集客もまだまだできると思う。」
「落選の可能性は増えますが、より広い会場での一日開催(東1~7など)にしていただけると、幸いです。」
ゲームマーケットの開催回数について
ではゲームマーケット自体の開催回数はどうか?という質問です。
現在は東京二回(春・秋)、関西一回の年三回ですが、これについてどう思うか。
私は個人的には「関西一回、関東一回」が良いと思っているのですが、現行の回数が良い、という意見が6割を占めました。
しかし「地方の開催を増やして欲しい」が1/6以上、「東京1回、関東1回」が1/8以上、合計で1/3近くというのは、回答者の3/4が関東在住と考えると、大きなニーズです。
回答者は「ゲームマーケット出展者」なので、「地方でゲームマーケットに出展出来なかった人」を含めれば、更に大きな数になるはずです。
ただ、これ以上の地方イベントは「ゲームマーケット」の名前でやるべきでもないと思います。
北海道、金沢、関西(大阪・神戸)など、地方での色々なイベントが行われています。
そうしたイベントを、規模に関わらずもっと増やして、何より継続できれば良いなと思います。
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「秋 大阪 春の間隔が短い 10月 2月 6月ぐらいにすれば良い」
「もっとゲムマ以外の即売会があるといいなと思います。」
イベントの参加について
ゲームマーケットに限らず、こうした即売イベントへの年間の出展回数について伺いました。
最頻値は「2回」。同人誌と違い、元々のイベントが少ないので、「ゲームマーケット春・秋のみ」が一番多いということでしょう。
10回以上も複数。これは町の交流イベントなどに出ているのでしょうか?
凄いですね。
■その他
その他意見を自由記入で入力頂きました。
私個人へのメッセージ等は省きますが、それ以外で上記に含まれない物を紹介します。
「ボードゲーム以外を作っている」方の意見
「うちは同人誌なのでノイズになるかも知れませんが投稿しました……。」
回答頂くのは大歓迎です。
「このアンケート、創作ゲーム以外を売っている人には不向きな設問があります。便宜的に答えましたが0ですね。」
申し訳ありません。以後気をつけますが、どの設問でしょうか?
ちょっと分かりませんでした。
「SLGジャンルへの差別的処遇がひどい(ブース配置、新作リストデータへの除外などなど)。」
これは運営に対する意見ですね。ダイスタワーなどの道具も気がつくと1ジャンルになっていたので、ボードゲーム「以外」の取り扱いは今後重要になる気がします。
ゲーム作りや販促に関する意見
「初出店なので当然新作出したのですが、複数回参加されている方々もものすごい勢いで新作を出されていて『新作を出すことがそこまで重要なの?新作出さないと既存の作品売れないの?』という点が不安になりました。
次回新作出したいと思ってはいるけど良いゲームが出来たら新作として出るのであり『新作出したい』が主体で新作が出すのはやりたくないなぁ・・・と思っている今日この頃です。
このアンケートで新作出すことが出展する際にどれほど重要なのか?という点が見えると助かるなと思いました。」
「今回秋は11月でしたが、制作の締め切りが近かったことと宣伝媒体に大変苦労致しました。チラシを各所に置いたり、試遊会に参加したりと言った既存のやり方だけでは集客効果は掴めない、と実感する反面、ではツイートのバズりを期待するのが正解かと言われたらそれも違う気がしてなりません。現在も模索しております。」
「自分以外の人による試遊の回数を伺いたいです」
「ゲーム自体になんだこれ感がないとなかなか触ってもらえないなぁ…という、ふつうのただのゲームではあまり相手にされない感じがありました」
それは運営に言ってくれ
「何時も運営の方、お疲れ様です」
「出展料高いです」
その他
「マナーの悪い客が増えた。予約品を引き取りに来ない。注意事項を読まずに予約解放時間を過ぎて予約品を引き取りに来てごねる。転売目的の購入。予約しておきながら、現物を見てから最終判断するやから。」
「来年リベンジします!」
「初出展と言う事もあり今後の参考の為にも興味深いアンケートです。よろしくお願いいたします。」
■最後に
こんなコメントも頂きました。
「回答の設問で、他のサークル・出展者について、皆さんがどう思っているかフリー回答欄などで読んでみたい気もします。(例:xxというサークルの設営が素晴らしい、真似たい。とか?)」
あとから回答欄を追加できなかったのですが、この質問に限らず、伝えたいこと、言いたいことがありましたらぜひこのコメント欄にご記入下さい。
よろしくお願いします。
※スパム、誹謗中傷と思われる書き込みがあった場合は、私の判断で予告なく削除します。 ご了承下さい。
なお、明日はAdvent Calender企画の記事を投稿します。
そちらもあわせてよろしくお願いいたします。