ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ハイテクに勝つ手段は意外にローテクだったりする実例

ちょっと感心してしまった記事。
監視カメラに自分の顔を映らせないヘッドバンド « WIRED.jp


テロのときにも取り上げられましたがロンドンなんかじゃ批判が起こるぐらい街のそこいらじゅうで監視カメラがあるらしい。
で、「さすがに顔を撮られるのはイヤだな」と思ったときにはこれ。
赤外線のLEDを付けるとその発光でカメラがホワイトアウト(白焼け)して写らないよ、と言う話。


赤外線のLEDってのは、まぁ簡単に言うとテレビのリモコンです。
(Nintendo Wiiのコントローラのポインタといってもよろしい)
つまりそんな何十円で出来る工作で何万、何十万をかけて配置した監視カメラの個人認識を不能にしてしまえる。
技術とはかくも空しいものなわけですなぁ。


最新の技術では白焼けを起こさない超ワイドレンジCCDとかも開発されているから
もちろんこういう手段も効かなくなっていくんだろうけど、
一般的に技術はそれを検知することよりもクラックする方が何十倍、何百倍も安く済むことが多いと言うのは
なんとも難しいところです。


ちなみにこの検知・クラックの価格差の関係は生物においてもそうで、
高価なセンサーで検知して獲物を追う捕食動物よりも、逃げ惑う動物たちのほうがより単純な仕組みで逃げ延びたりします。
例えばこうもりは複雑な超音波ソナーで飛ぶ方向を考え、エサである蛾を検知しますが、
蛾の一種はこうもりの超音波を聞くと反射的に羽ばたきを停止し、木の葉落とし(木の葉のようにひらひら落ちる)で逃げたりします。
こうもりは自由落下するものは木の葉と蛾の区別がつかないので見つけられないと言うわけ。
このとき蛾に必要なのは超音波を感じる受信部の細胞数個だけ。
何万と言う細胞でソナーを発信して、受信、分析するこうもりよりものすごく安上がりなわけです。
だからどうってわけじゃないんだけど、怪しい帽子を被った泥棒が増えてくると本当に新しいカメラが実用化される、
というような技術革新がまた進むと面白いな、と思ったわけですよ。