読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

中華料理を、日本が発明していたら?

海外に行くと、自分の国のことがよく分かる。
いつも改めてスゲーと思うのは、日本の偏執狂的とも言える丁寧さ。
「そこまでやらんでも良いだろう」
というサービスなり、製品の完成度が喜ばれることもあれば、
それが高価格化やガラパゴス化を生んで海外製品にあっさりやられることもある。
シャープ EB-A71GJ-B   GALAPAGOS
※↑ガラパゴス

個性を生かす、企画術

こういうのは「良い・悪い」ではなく「個性」だと思うので、
それが生かせるところはとにかく生かせば良いし、
それが過剰品質だと思えば、その国に合わせた仕様にダウングレードしなければいけない。
どうもその辺、「どちらかでなければいけない」という思い込みがある気がする。
思考のトレーニングとしては「これを海外に持って行けば売れるだろう」というのも良いし、
「これを日本が作っていたらどうなっただろう」というのもなかなか良い訓練になる気がする。


たとえば寿司
元々は捨てられていたような魚の部位を、
しかもロクに料理をするわけでもなく極限まで素材の味を楽しむというのはまさに日本的と言える気がする。
そして近年では「回転寿司」により、動かないでも寿司が回ってくると言う
新しいカテゴリの店舗を作ってしまった。

Sushi anyone? / Betchaboy

中華料理を日本が再発明したら?

たとえばこれが、中華料理だったらどうなるだろう?
中華料理の丸テーブルは、非常に合理的。

Chinese food (good!!!) / iz4aks

これは逆に、非常に中華的と言える気がする。
中華のテーブルが丸いのは、円卓でみんなが座りやすいだけではない。
レストランのテーブルは、丸い部分だけが取り外せるようになっていて、丸いが故に「転がして」移動できる。
実に合理的。
日本では「床にテーブルの縁を当てて転がすなんてとんでもない」と言われそうだが、
「使うときにはシーツを載せているんだから、直接客がテーブルを触るわけでもないし問題ない」
というのが中華料理的考え方。


ではこれが日本人が発明したら?
中華料理の円卓は、中央部分が回るようになっている。
これは広いテーブルでみんなが取り分けられるようにするための物。
これも十分面白いサービスなんだが、更にお節介と言えるようなサービスを付けられないか。
例えば日本人なら、これ、「電動」にしないかな。
ゆっくりとした速度で回転していて、自分の目の前に来たときに取れば良い。
これなら疲れないし、誰か一人が気を回さなくて良いので親切。
危なくない速度の調整や、誰かが触っていたら回転を止めるあたりの細かい制御は
日本の装置メーカならお手の物だろう。


実際にそれに近い装置が「全自動麻雀卓」

Mahjong / dizfunkshinal

もはや最近の雀卓は自動が当たり前だと思うが、アレだって最初は「牌を積むぐらい自分でやれるだろ」
という意見は当然あっただろうし、海外じゃ手積みが普通。
もちろん日本の麻雀牌が小さくて不正が行いやすい上に点数が高額になるので、不正対策が必要だったという側面はある。
というかそんなややこしいルールや雀牌が小さいというのも日本的と言えるのか。


いやいや、回転ではなくレーンにしてしまって、その上を料理が流れてくれば良いじゃないか、
となると「回転寿司」
実際、レーンで飲茶が回ってくる「回転飲茶」は結構アリだと思うんだけど、
もうあるのかな?

下手な「アイデア」も数打ちゃ当たる、か?

物を考える、特にアイデア出しにおいては、1000に1つでも面白い物があれば御の字なので、
とにかく数を考えることが大事だと言われる。
「目に入った物を再発明する」という手法はアイデア出しの訓練としてよく取り上げられるが、
日常目に入っている物を再発明する、というのは実際はなかなか難しい。


それなら、「海外から入ってきた珍しい物」を、「自分が一から作ったらこうなる」
考えてみれば、まず確実に新しい発明が一つできる。
実際に海外から入ってきた物を日本風にアレンジして、結局本国より優れた物になった例はたくさんある。
例えばセブンイレブン
セブンイレブンは元々米国企業だが、イトーヨーカドーが日本でライセンス契約を受け発展。
独自のアイデアを多数盛り込んで勢力を伸ばし、経営破たんした本国セブンイレブンを、1991年に買収している。
バーコードを導入し、POSによる販売管理を行う。

チョコレート菓子をモチーフにしたチロルチョコ達 / yt_siden

※コンビニ販売用にバーコードを入れるため、コンビニのチロルチョコは大きく、高いというのは有名な話
ドミナント方式で効率的な配送を実現する。
日本式におにぎり・おでんなどの販売を行う。
最近では「セブン銀行」という銀行業務(手数料収入)で大きな利益を上げているなど、独自アイデアはいくつもある。
これも、フランチャイズやコンビニという業態を一から考えるとなるとハードルが高いが、
「アメリカで成長している『コンビニエンスストア』なる物を日本で成功させるにはどうしたらよいか」
と考えれば「コンビニ」「日本式」という組み合わせでアイデアは出しやすくなるだろう。

食品ついででもう一つ。

もう一つ例を挙げれば、例えばインドのカレーと日本のカレーは全く違う。

CoCo壱番屋 / is_kyoto_jp

どちらが良いとか悪いとかじゃなく、違う。
というわけで日本のカレー屋で修行した人がアメリカで起こしたお店の記事がこちら。
・リンク → 超訳コネクト | 日本のカレー店をアメリカでオープンしたらどうなる? 【海外の反応】
なんだ、このテンション。


とりあえずアメリカでも「カレー」という食品は認知されているらしいが、
「日本のカレー」はまだ全然知られていないと。
なるほど。
そうしたら、「カレーパン」「カレーうどん」もアメリカでは認知度がないわけだな?

Curry Pan / Mike Saechang

まぁ、「カレーうどん」的な悪魔合体はむしろアメリカ人がやりそうだが・・・
いやいや、それは置いておいて。
もちろんインドのカレーも様々なオプションがあるが、日本はカレーそのものよりも、
「カツを入れる」「卵を入れる」「ほうれん草を入れる」というオプション勝負なのが
わかりやすくて楽しい理由なんじゃないかと思う。


ちなみにCoCo壱は日本だけでなく、東南アジア・中国・アメリカに既に進出済。
日本企業ではラーメン屋やモスバーガースガキヤ等も海外進出している。
それぞれ日本式の部分もあるだろうし、そうでない部分もあるだろう。
ただ、色々な国に行く中で工夫すれば、それが更に他の国の改善提案にもなり、改良が連鎖していくんだろうと思う。
とにかく日本のサービス品質は高いので、それが付加価値として機能する部分は残し、
そうでない部分をそぎ落とすだけでも筋肉質な良い商品・サービスになると思う。
例えば「日本式居酒屋」は、
「店員がわざわざ屈んで注文を取ってくれる丁寧さが素晴らしい」

270円 白木屋新宿居酒屋 Izakaya / Ari Helminen

として中国で受けているということ。
日本じゃ当たり前だけど、確かに中国ではかなり異質なサービスだろうと思う。
「あれ、日本が作ったらどうなったかな」「あれ、海外に持って行くならどこがポイントかな」
そんな思考実験、通勤途中にでも一ついかがでしょうか。