ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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未来の消耗品ビジネス案・2:本当のできたて料理を家庭で手軽に、を実現する

消耗品ビジネスができないか、という二点目。
「RATIONAL」というドイツの会社がある


リンク → Rational(英文)
リンク → Rational(日本語)


厨房装置、というと分かりにくいが、要はホテルやレストランで使用する超高性能のオーブン、でいいのかな?
例えば魚を突っ込んで「魚」ボタンを押すと、
中の魚の大きさと温度を測定し、中心が最適な温度になって、焦げが付かないように加熱してくれるらしい。
そんな装置。
もちろん焼くだけじゃなく、炒めるとか煮るとか色々できるらしい。
凄いな。

Biathlon World Cup Ruhpolding 2005 Film 1_30 / GAP089

業務用調理器と消耗品ビジネスを繋げる

さて、本題に戻ると「消耗品ビジネス」の話。
ジレットモデルの基本は「高価な物を最初に安く提供し、消耗品で回収する」ということ。
既存の高価な物、というと「業務用を家庭用の価格で提供する」というのはとても分かりやすい。


RATIONALの調理装置がいくらぐらいかは分からないが、
世界で3億ユーロ(330億円)以上!販売していて、シェア50%以上、EBIT(税引き前利益、日本の営業利益に近い)24%と
どの数字もとんでもない会社なので、決して安くは無いはず。
これを安く家庭に提供できれば、かなり革命的なのは間違いないと思う。


コンセプトは「高級ホテルの味を、できたてで家庭で、簡単に」
従来家庭ではできなかった精密な焼き加減も、この機械ならボタン一つで実現できる。
しかも、工場で焼いて家で温め直すのではなく、家で料理するので本当の「できたて」を味わえる。
これは結構良い差別化になるんじゃないだろうか。

調理器具の「消耗品」とは?

RATIONALの調理器具を家庭用にした場合の「消耗品」は何か?
それは「食材」


いくら最高級の料理をしても、食材が良くなければおいしくならないし、
下ごしらえを家でするなら結局手間はかかってしまう。
コンセプトを実現するにはあらかじめ下ごしらえの終わった食材を定期的に送付し、ボタン一つで料理するほうが良い。

OTENTO Vegetables, Den-en-chofu / kawanet

食材の定期送付の成功事例

この「食材の送付」というビジネスモデルで成功しているのがらでぃっしゅぼーや
会社の成り立ちはかなりややこしいが、なんだかんだで現在はJASDAQ上場、堂々の売り上げ223億円(2010年2月)
食材を送るだけで成功している事例があるなら、
調理まで提案するならできないことはなかろう、と思うんだがどうだろうか。

食材送付ビジネスでの問題点

食材を送付するビジネスモデルについて、その問題点を考えてみる。

  • ユーザーが自社の食材を買ってくれるのか?
    • 調理機器だけを安く購入して、自分で使う可能性も高い。そうなると機器を安く提供しただけ赤字になる
  • 競合の参入
    • 食材の加工・配送なら誰でもできるので、競合が配送部分のみ行うと、機材の赤字を回収しなければいけない自社の方が厳しくなる。


これに対処するにはジレットと同じく
「自社の食材のみしか料理できない」という仕組み作りが必要になってくる。
例えば専用のカートリッジで無いと料理できないとか、そういう工夫が必要になる。
これができないと普通の調理器具になり、食材を専用ユニットとして買う、という発想にならない。
さて、これができるか・・・
できたら面白いよね、と思うんだが。
ドイツメーカーにやられるのも悔しいので、ヘルシオの技術を生かしてSharpあたりがやってくれて、世界に展開すりゃ面白いんだけど。