未来の消耗品ビジネス案・1:洗剤・シャンプー
昨日に引き続き。
「消耗品ビジネス」を展開できる事例は他に無いか考えてみた。
一つ目は「洗剤」「シャンプー」など。
以前もこのネタを取り上げた気もするが、ジレットモデルに乗せる、という考え方でどういった商品像になるかを考える。
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詰め替えボトル
最近はどこの洗剤やシャンプーでも「詰め替えボトル」があるが、あれも本来は「消耗品ビジネス」の一環と言える。
特に洗剤の注ぎ口はものすごい最先端の設計技術とシミュレーションによって作られている。
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従来の粉末洗剤から液体洗剤が主流になり、洗剤も「箱」から「ボトル」へと形状が変わった。
ところで、以前はべたべたしていた洗剤のボトル、最近べたべたしにくくなった気がしません?
実は最近の液体洗剤はボトルの注ぎ口が特殊な形状をしていて、「液だれ」が起こりにくい形状に改良されている。
聞いた話だが、この注ぎ口の設計には「ハイエンドCAD」という最高級のCAD(コンピュータ設計ソフト/システム)が導入されているらしい。
ハイエンドCADというと、普通は自動車や飛行機ぐらいでしか訊かないモンだが、
たかだか(というと失礼だが)数百円、注ぎ口だけなら数十円の価格の物にハイエンドCADを使うのには驚いた。
Solid Edge ST4 Multi CAD With JT / Siemens PLM Software
洗剤に限らず化粧品など液体・ゲル状の一般消費財の原価はびっくりするぐらい安い物が多い。
「ジレットモデル」で考えると、中身の洗剤などの商品自身は「替え刃」、
高価なCADを駆使して作った注ぎ口部分が「取っ手」にあたる。
注ぎ口部分は大きく宣伝はされないが、この部分の取り扱いやすさで「次もこれにしよう」という人がいれば十分元は取れるということか。
洗剤・シャンプーの新しい「消耗品ビジネス」
ところが実際には現在の「詰め替えボトル」はあまり消費者の囲い込みには役立っていないように思う。
ボトルの中身は液体・ゲル状なので、他社の製品を買ってきて詰め替えることも可能。
「注ぎ口開発にハイエンドCADを使っている」という話を聞いたときの感想も、「でもそれ囲い込みになってないんじゃね?」だった。
本当に高価で使い勝手の良い注ぎ口、ボトルならちゃんと囲い込んで利益を出せるシステムにできればいいが、現状はそうなっていない。
洗剤ボトルを使った消耗品ビジネスはどうしたらいいか。
例えば専用ボトルしか填まらない、詰め替え用の「自動販売機」を作ってはどうか?
お店に空っぽの容器を持って行き、専用の自動販売機に突っ込んで充填する。
ユーザーの利点は次のようなものになる
- 詰め替え容器も無くなるので、ゴミの排出はより少なくなる
- 充填時に容器や注ぎ口の洗浄・交換をしてもらえれば、より付加価値がアップする
- 詰め替え作業が無くなるので、液がこぼれる心配をしなくて良くなる
Vending Machines of the Past / Kriston Lewis
最近はどのスーパーも「水」のサーバーを置いているので、自販機を置くことの抵抗は以前より減っていると思う。
いいと思うんだけどな、何か問題があるのかな。