ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

In the U.S. , Everything is BIG and SWEET !

というわけで(どういうわけだ)アメリカにいます。

もちろん仕事で。

タイトルはアメリカについて語ったアメリカ人の一言。

「アメリカは何でもデカくて甘いぜ」

シンプルながら真理を突いていると思います。

「長期休暇にラスベガスに」「グランドキャニオンに行ってきた」そんな話を聞いたことがあるけど、住むならまだしも、良くもまぁ旅行でアメリカ行く気になるわ。

あと数時間でホテルを起つのに、まだ時差ボケが抜けない。これ、帰ったらまた日本の時間に合わせないといけないんだよね、憂鬱。

土日は体内時間の調整に費やすことになりそう。

こんなんでゲームマーケットとか大丈夫なんだろうか。

Game Market -

 

どんな国に行っても、実際に来てみれば想像と同じ所もあれば、違うところもある。

アメリカは基本的にこれ以上ないほど「想像通り」の国で、それは映画やらで散々「アメリカというもの」を教育されているからというのが大きい。

f:id:roy:20141103062743j:plainとりあえず平らで、広い。

ゴツいピックアップトラックや黄色いスクールバスが、画面の中でなく実際に目の前を走っている。アメリカってのはそんな場所だと思えば大体間違いない。

 

アメリカは日本と違うね

違うところも挙げればキリがないが、例えばクラウドファンディング「KiskSterter」、ショッピングサイトAmazonオークションサイトeBayが何故アメリカ初で成功したのかは来れば分かる。

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何せ、でかい。

今回クラウドファンディング「CAMP-FIRE」で自作ゲームを商品化にこぎ着けたが、単純な金額で言えばアメリカのKickSterterでやった方が余程お金が集まっただろう。何せ見ている人の数が圧倒的に多い。

ではなぜアメリカではKickSterterへの出資者が多いのか。

国民性や寄付文化、チャレンジャーへの賞賛など色々な側面はあるだろうが、「国土がでかい」というのも一つかな、と思う。

実際うちの代理店は、「近くだから」「車で5時間かけて」来た。5時間で近いのか…

 

CAMP-FIREで出資(先行予約)を頂いた方には発送を完了させて頂いたが、気付いたのは「地方」の方が多いこと。(秋田から沖縄まで)

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近畿圏は実際に見て頂いた方が多いので出資も多いのだが、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉あたり)の出資者が少ない。

これは推測だが、首都圏の方はマイナーなゲームでも手に取れる機会が多いので、「見ないと買わない」という方が多いのではないだろうか。

地方の方は元々手にとって確認するのが難しいため、ネットの情報だけで判断することに慣れている。これが出資者の偏りの理由かと思ったのだが、どうだろう。

 

違いを学ぶ

ある場所、ある時代、ある団体には当たり前でも、一歩その場を離れれば当たり前じゃないこともある。

今も昔も、物を運ぶ「貿易」はその格差を希少性に繋げ、それを収益にしているわけだけど、違いを理解していないと不利な条件からスタートしなければいけなくなる。

ボードゲームを作る話に繋げれば、例えば「サイコロ」

今回、ゲームマーケット向け新作ゲーム「陰陽賽」ではサイコロを沢山使うが、これ一つ取っても日本に住んでいるのは不利に働く。

f:id:roy:20141101221332j:plain陰陽賽

例えばドイツでは、普通の百貨店に行けばサイコロセットが売っているし、町の雑貨屋に行けばこれだけの種類が普通に手に入る。

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これ、専門店でも何でもなくて、街中の普通のお店だからね?

当然安く買おうと思えば安いものもある。

ところが日本では、まずサイコロを探すところから難しい。

100個単位で買おうとすると「要問合せ」になるし、結局ドイツやアメリカから輸入した方が早かったりする。

(ちなみに今回はイギリスから輸入中。さてゲームマーケットに間に合うか・・・)

ONLY ONEになるには

だから、ドイツのゲームが素晴らしいからと言って、真っ正面から同じようなゲームを日本で作ってそのクオリティに勝てるかというと、非常に難しい。

もちろんそういう戦い方もあるだろうが、日本だからこそ出来る提案、日本なら手に入りやすいツールを使うなど、攻め方はまたあるだろう。

 「彼を知り、己を知れば百戦して猶危うからず」

という言葉の通り、自分のいる領域なりの戦い方がある、ということ。

 「No.1よりONLY ONE」

なんて言うが、単純に上を目指すNo.1と違い、ONLY ONEになるには「それが他にないこと」を証明する必要がある。

そのためのリサーチも必要で、要はより頭を使う方法なんじゃないかと思う。

 

例えば今回米国には展示会で来たのだが、そこに「金属加工屋」が出ていた。

円柱や歯車がごろごろと並べてある。悪くは無いが、日本の金属加工は凄いからねぇ。金属削りだしでヘルメットとか鳥とかモノスゲエモンを展示してくる。逆に言えば、そうでもしないとなかなか声が掛からない。

出ているお兄ちゃん二人組も9時~17時の展示会に10時~16時までしかいないし、居る間もボールを投げて遊んでる。まぁ、日本じゃ信じられない状態。

つまり日本だと「出すだけ無駄」なレベルの出展者。でもこれで商談が結構出ていたのに驚いた。

なぜか?

どうも彼らの居る地域に、そうした業者が少ないらしい。(詳細な場所は知らない)

輸送に向かない重量金属加工なら、単純に「近いから頼む」が成り立つわけだ。

たまたまだったら運が良いし、分かってやってるなら頭が良いな、と思う。

東大阪でやっていけずに廃業」と言うなら、そういう手もあるのかと思った。

もちろん一社で成り立たない事を地域で共有するのがこの辺の地域の強みだし、実際移転する先を調べることも大変だろうとは十分理解しているけども。

 

カナイセイジさんの「ラブレター」が海外で高く評価されているが、そもそも「500円で売れるゲームを作ろう」なんて手足を縛る発想が、環境に恵まれていれば出ないだろう。

ラブレター

ラブレター

 

 そういう「手足を縛る」発想で今回行われる「ポストカードゲーム」

どんな名作が生まれるか分からないが、これが何かに化ければ面白いと思う。

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自分がこの企画に参加したのも、そうした歴史の一ページに、少しでも触れられたらと思ったからだ。

というわけで5枚のポストカードで戦う「陰陽賽」「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」と併せてゲームマーケットで販売します。

試遊も可能ですので、「実物見てから買うよ」という首都圏の方、ぜひいらしてください。