ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ルイヴィトンのデザインに思う

ルイヴィトンのあの有名なデザイン(「ダミエ・ライン」)は日本の家紋を元にしているらしい。
(一応画像転載は無しで。一応ね)
ルイヴィトンは元はカバン屋(というかスーツケース屋)。
軽量で強いスーツケースが受け、有名になるにつけはっきりと他社と差別化できる
複雑はデザインを外観上にどでかく出す必要からああいったデザインになったらしい。
その一番の目的は模造品対策。
今も昔も変わらないということか。


複雑なデザインを多数盛り込むことで簡単な模倣を排除し、
本物を簡単に証明できるようにした。
当時から模造品はあったらしいけど、
やはり革にああいった文様をつけるのは大変だし、それなりの効果はあったんだと思う。
ところが現在では、印刷技術か高度化し、複雑なデザインでも簡単に作れるようになった。
結果、現在では高度な模倣品も数多く作られているのは周知の通り。

なんで変わらないんだろう

ルイ・ヴィトンと言えばLVMHという巨大ブランドグループの中核。
グループ全体の売上は230億ドル以上と言うから
今のレートでも1.5兆円以上?でかっ!


そんなところがなんで未だに模造品対策を本気でやらないんだろう。
いや、「模造品の撲滅には積極的に取り組んでいる」というだろう。
だが、「デザインをプリントする」という方法が既に突破されているのに、
新たな模造品対策を本気で行わないというのはどうなんだろう。
穿った、失礼な見方をすると
「模造品も含めてルイヴィトン」
なのかな、という気もする。
別に公式が模造品を手助けしているというのではなく、
「模造品が多くて困っちゃうわ、やっぱり有名ブランドだし」
というブランド戦略の一端を担ってしまっているのかなと。

新たな模造品対策を

ルイヴィトンはそろそろその問題点を考えた方がいいのではないか?
例えば複雑なエンボス模様、金具や取っ手形状など、デザインで作るのが大変な物を
独自モチーフとして採用するべきではないか。


RFIDなどの新技術を使ったタグの導入などは行われていると思う。
でも、それって見た目で分からないから、
模造品を買うような人には関係ない。
模造品のレベルが相対的に大きく下がるような事をしないと、模造品は減らない。
「これは模造品だから全然違うね」
というぱっと見で分かる差が必要、
かつ、その差が「かっこいい」「凄い」と思えるような物で無ければいけない。


「そんなところに金をかけられない」
というのは普通の企業の発想。
なぜルイヴィトンを取り上げたかというとその企業規模。
1兆円企業で、かつ利益率が高い(原価率が低い)企業なので、
原価を上げて模造品を減らせるのならむしろその方が会社としての利益は向上する。
むしろ中国で真似のできない意欲的な構造や意匠を作り上げてもらいたい。


「今時中国にできない物は無い」
というならそれはルイヴィトンとしての物の良さを否定したことになる。
「カバン屋だから金属加工はできません」
「革が売りなんだから革で勝負しないと」
というのは1兆円企業が言うことじゃないでしょ。
売りはデザインなんだから、デザインで真似のできない物を作る努力もしないと。


まぁ、実際物作りは中国が結構なレベルになってるわけで、
下手なモン作ってもすぐに真似されるから、
下手に「LVMHが全力で作った新しいモチーフ」とかいってさっさと真似されたく無いんだろうけどね。
分かって嫌みを言ってみました。
だって、だからといって本気で対策しないというのも違うと思うから。
どうかな?