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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

クラウドファンディングは「ネットの同人誌」。

二年前の一度目のクラウドファンディングを、右も左も分からない中で、もがきながらようやく達成し、このたびようやく二度目のクラウドファンディングの出荷が目前に迫りました。

明日にはゲームが届き、いよいよ発送となります。

改めて、ご支援頂いた皆様ありがとうございました。

camp-fire.jp

 

クラウドファンディングという仕組みも以前に比べれば有名になり、
映画「この世界の片隅に」はクラウドファンディンドが成功して映画化、
そして今はその展開を海外に向けるため新たなファンドを実施されています。

www.makuake.com

「お金が集まりすぎているので一時停止します」
というアナウンスが一度入って中断、リターンを追加して再開したところですが、
この辺の運用がクラウドファンディングの難しいところです。
一般の事業なら「お金が集まるなら嬉しいんじゃないの?」と思うところですが、
クラウドファンディングは集まったお金を当初の目的に「使わなければいけない」という使命があります。
すでにアメリカでは色々と問題も起こっていますが、
「たくさん集まった分は利益にします」とはなかなか行かないわけです。
例えば私も規定金額を超えたので印刷をエンボス加工付きに変更しましたが、寄付型でない場合の多くは、出資が集まるほど出費も増えます。


そして、ほとんどの場合出資だけでは出費をまかなえません。
(私の場合も、現段階で出資金額の軽く3倍以上の出費が出ています)

 

この辺のバランスは難しいところで、
例えば私は「クーロンズゲート」が大好きだったのでそのプロジェクトに出資していますが、子供の目に悪いと訊いていますのでVR機器は買わないつもりでいます。

camp-fire.jp

だから、このプロジェクトの出資は投げ銭になると思われます。
このプロジェクトも、おそらくはいくら集まったところで開発資金には足りないでしょうから、多少の足しにでもなれば、という気持ちです。

 

クラウドファンディングの可能性

このクラウドファンディングという仕組みの将来はどうかでしょうか。

クラウドファンディングは、簡単に言うと「個人が開催できるお祭り」だと思います。
「こんなことをやったら面白いよね」というアイデアを、みんなで作り上げる。
それを出資する人たちというのは、お金を出すというより、そのプロジェクトに「参加する」のだと思います。
できあがった成果を買うのではなく、「オレもこれを作ったんだぜ!」と言えることが大事なのかなと。
その意味では同人誌の本来の意味での「頒布」という表現が近いのかと思います。

 

同人誌を「販売」ではなく「頒布」というのは、購入者もその作品の「参加者」であり、同人誌を受け取る時に、その製作費を按分するという考え方を表すそうです。
クラウドファンディングも、これに近いのかなと。
日本で同人文化がこれだけ広がっているので、それを踏襲するクラウドファンディングの仕組みはもっと広がる素地はあると思います。
その意味では「クラウドファンディング」「出資」という用語をどこかで改めて定義し直す必要があるとは思います。
このままでは分かりにくいし、伝わりにくい。

 

そしてだからこそ、今の段階ではその方向性を狭めて欲しくないなと思います。
「数百万、数千万を集めてこんなものができました」
はもちろん良い先例でしょう。
でも、「苦労してこんなものを作りました。でも生活はギリギリです。助けて!」
という作家への支援でもいい。
もっといえば「金を集めてドブに捨ててやる!」でも良い訳です。
まさにそんなプロジェクトがニュースになっていました。

japanese.engadget.com

クラウドファンディングの本場と言えばアメリカ。

 

その集金力とフザけたプロジェクトの数は他を圧倒しますが、それを支えるのは「数」。
やっぱり数を集めるとその中には面白いものも、変なものも出て来るわけです。
(その分詐欺などの問題も多くある事は理解しつつ・・・)
変なものを排除するのではなく、「こんなのもある」と自分にあったものを探す「ネット上のコミケ」をクラウドファンディングが担っていけば面白いなと思います。

 

世界に誇る、日本のクラウドファンディング

そんなクラウドファンディングの輪を日本発で広げるにはどうしたらいいか?

MotionGalleryは米国Indiegogoと提携して米国でもリリースを出す仕組みを作っていますが今ひとつパッとしません。

motion-gallery.net

また「COUNTDOWN」は日英サイトを同時開設できる仕組みがあります。

COUNTDOWN(カウントダウン)- クラウドファンディング

KickSterterはプロジェクト開始には米国拠点が必要というルールがありハードルが高く、知名度を考えるとMotionGalleryに出すのが現時点では現実的なのかな、と思います。


ちなみに私の場合は、ボードゲームを米国発送すると郵送費が非常に高くなるので国内に絞った方が良いと考えて諦めました。
でも、実は過去にも米国・英国・ギリシャなど外国から購入依頼を頂いて、発送した事があるんですよね。
国ごとの郵送費設定などが面倒すぎて諦めましたが、やはり世界に発信した方が良かったかもしれません。

 

クラウドファンディング、ボードゲーム

日本の中で拡大しつつある二つの市場に足を突っ込みながら思います。
日本にこだわってると、もったいないよなと。
例えば日本最大のボードゲームの展示会、ゲームマーケットでイベントブースを構えるのは台湾のゲーム会社連合。

www.tbd.com.tw

土地も人口も限られた台湾の人たちは、海外に出る事に積極的です。
日本のゲーム制作者もドイツの展示会に「ヤポンブランド」として共同出展されていますが、市場はドイツだけでなく、アメリカにも、アジアにもあります。

ヤポンブランド

私のボードゲームは日本・香港で販売されていますが、次は中国に乗り込みたいところです。
やっぱり作るからにはたくさんの人に遊んで貰いたいし、そうすると色々な反応がありそれが刺激にもなります。
狭い市場で食い合うのではなく、市場を広げていきたいですよね。

 

その方向で考えると、例えばPixivにはもの凄い可能性があると思っています。

factory.pixiv.net

イラスト投稿で有名なピクシブですが、そのイラストやマンガを電子書籍にするプラットフォームや、そのままグッズとして販売できる仕組みがあり、例えば同人誌では、「印刷会社9社と提携」とあります。

完全なプリントオンデマンド(注文後に印刷)により在庫リスクを作者が持たない仕組みが構築できているわけです。

現段階ではこの仕組みは国内限定のようですが、台湾・香港・中国・フランスと各国の印刷会社と提携するか、自社工場を作って現地のニーズに対応することも考えられます。

つまり「日本で描いたイラストのグッズを、フランスで購入すれば、フランス国内で印刷して直送」という仕組みも簡単に構築可能、ということです。

これなら輸送費が大幅に削減できて、市場が広げられる可能性があります。

会社事業を見ると「世界のコスプレイヤーと繋がる」というコスプレイヤー専門SNSが事業展開しており、こうしたリスクの低いところから世界展開を狙っているよう。

worldcosplay.net

ぜひぜひ、印刷物に、そしてクラウドファンディングに手を広げて頂き、「ネットのコミックマーケット」を実現、世界に輸出して頂きたいものです。

(残念ながら内容物が複雑なボードゲームはこういう仕組みには不向きですが・・・)