日本をほんの少し明るくするために、企業がお金を掛けずにできること
企業の決算は順調だけど、相変わらず「実感できない」という声が多いみたい。
というか「最近景気が良くて」なんて話、製造業じゃ薄型テレビバブル以来聞いてない気がするのは気のせいか。
一人一人には景気の善し悪しなんて関係無くて、要は満足できる収入があるかだけなんだろう。
結局のところ問題は、その収入源が限られている事じゃないか、と最近思う。
夢の一発大もうけ
「自作ソフトで大もうけ」という夢はITバブルの後に一度萎んで、スマートフォン時代になってまた隆盛した感がある。
ただ最近は「ソフトを作る」から一歩進んで、「絵だけ」「音楽だけ」「ハードも込みで」と色々な方向に広がりが出ているのは見ていても面白い。
そんな現状を掴んでか、「簡単に××を作ります」「簡単に副収入」というプラットフォームも盛況だ。
少し前に「Gumroad」がちょっと話題になったけど、今どうなのかな。まだあるみたいけど。
「手元にあるものを売る」には、以前なら質屋しかなかったものがBOOK OFFのおかげで身近になり、Amazonマーケットプレイスのおかげでより簡単に、(しかもBOOK OFFより高く)売れるようになった。
それが最近は「自分の作ったものを売る」と一歩進んで、その形態も多種多様に、かつ簡単になっている。
ここは「0円から、5分で開設できるWEBショップ」。
もちろん0円では品数など制限も色々あるが、とことん手軽なのは確か。
その流れを受けてか、大手Yahoo!もショップの開設料を無料化した。(実際にはプレミアム会員になる必要があるので無料ではない)
Yahoo!ショッピング - Tポイントが貯まる!使える!ネット通販
「note」も話題になってるみたい。
要は「売れるtumblr」。自分の絵や小説なんかをアップして、簡単に売ることができる。日本で盛り上がらないTumblrの日本版か、と思ったら有名人があれよあれよと参加して、初動はうまく行ったみたい。これが軌道に乗ったら確かに面白い。
元々AmazonもYoutubeもニコニコ動画もヤフオク!も、「ユーザー」を「使う人」と「売る人」に厳密に分けていないところがあって、課金プラットフォームとの相性は元々良い。
この「利用する側だったのがいつの間にが売る側に行っている」というのは、アイデアを形にするハードルが低くなる中で、今更解説するほどでもない、大きな流れなんだろう。
稼いではいけない人達
気になるのはそんな流れに「乗ってはいけない人」がはいること。乗れない、じゃない。「乗ってはいけない」人だ。
働き口が無くて無職、という話も多いが、そうではなくて、働く事を制限されている人も沢山いる。
「もっと働けるのに、働けない」という人がいるのは、なんとかならんのだろうか。
保護の多寡かどうこうとか、仕組みが悪いとかは、自分は詳しくないので言えない。ただ「儲かっちゃうと困るから参加できない」「稼いじゃダメだから使うだけ」というのは間口も継続性も狭めて勿体ないとは感じる。
そんなことを、このグラフを見て思った。
簡単に言うと、「親が働いているのに貧困、という割合が日本だけ異常に高い」というもの。
同じデータはこちらでも取り上げられていた。
【取材記】母子家庭の貧困は自己責任? | 子どもクライシス | ハートネットTVブログ:NHK
「働けば働くだけ損な国」
そんなレッテルは、ちょっと寂しいなあと。
お金が動くことは確実に良いことで、国内でもどんどんお金が回ればみんながハッピーになる。それが経済の本質のハズだ。
この説明は「お金の仕組み」を凄く上手に説明している。
お金を儲ける事に遠慮してしまいます。自分でもおかしいと思っているのですが、自... - Yahoo!知恵袋
最初、A君が1万円札を持っていたとしよう。B君はそれが欲しかったので、A君のために家を作ってあげて、A君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はB君が1万円札の所有者となった。A君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体の富の合計金額は2万円ということになります。(1万円札+1万円相当の家)
次に、A君くんは、ふたたび1万円札が欲しいと思い、B君のために家を作ってあげてB君に1万円で売ってあげた。その結果、今度はA君は1万円札と家の所有者となった。B君の手からは1万円札が失われたが、かわりに家が残った。この時点で世界全体の富の合計金額は3万円ということになります。(1万円札+1万円相当の家が2軒)
こうして、A君とB君との間を1万円札が行ったり来たりするたびに、A君とB君の手元には、様々な不動産や価値ある品物が増えていった。(つまり世界全体の富の合計金額が増えていった)
やがて、二人は良い考えを思いついた。お互いに価値ある財物をたくさん所有するようになったので、それらを担保として1万円札をもっとたくさん作ろうと。(10万円相当の財物を担保に1万円札を10枚作るということ)
その結果、もっと多くのお金が二人の間を行き来するようになり、もっとたくさんの財物が生産されるようになった。
じゃあどうしろと言うのか?「国が悪い」なんて言うつもりはない。
個人のブログでそんな事を言ったところでどうしようもない。
ただ、小さな所からでも、できることはあるはずだ。
例えば企業の兼業禁止規定、これを撤廃できないか?
会社を出ればプライベートの時間。その間に何をしようが、本来自由じゃないのか。
「副業を始めると本業に支障が出るから」
という理由を聞いたことがあるが、それも含めて本人の自己責任だと思うんだが。
なんで麻雀で徹夜してフラフラなのは規定に反してなくて、小一時間働いたらNGなのか?
その時間を趣味に当てて、必至に書いた絵が売れれば嬉しいじゃないか。
「ルールがあっても、そのぐらいならお目こぼしされるよ」
という意見もあると思う。
でも、ルール違反だからと萎縮してやらない人はいるだろうし、下手に大成功すると会社としてもルール上それを処罰しなければいけなくなる。
そんなの、誰も幸せにならないんじゃないか。
しっかりと、ルールとして、「そういうことをしていいんだよ」と言ってあげて欲しい、そう思う。
「副業禁止」は会社の傘の下にいれば生活のことを何も考えなくて良かった、高度成長期・終身雇用制度の悪しき風習の名残だと思う。
副業がうまくいって、それで独立したって個人の自由じゃないか。
会社がそれをルールとして規制することこそ、今どき流行りの「ブラック」な考え方じゃないかと思う。
社内ルールを変えるのにかかる費用など、実質的にはほとんどゼロだろう。でもそうして少しでも新しいことに手を出す人が出れば、それで日本がほんの少しでも活性化する。趣味でも、パートでもいいが、生活が苦しいから切り詰めるだけでなく、ほんの少しでも副収入があればそれは前向きな気持ちになれるんじゃなかろうか。
第一、そういう人が増えればちょっとしか手間仕事のプラットフォームもまた増えるだろう。それはほんの少しでしかないだろうけど、企業が金を掛けずに手助けできる、日本をほんの少し明るくする手段じゃないだろうか。
こんな意見を読んで、「副業禁止規定を撤廃しました」なんて会社が一社でも出てくれれば。それでこそ、こうしてブログやってる意味もあるってもんです。