ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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宇宙太陽光という解決法

ネタは書いてたのに寝オチで更新できず!
毎日更新を目指してたのになぁ・・・
はてなの更新予約機能をおねがいします!
(有料ならあるのかな?知らないけど)
とはいえ、更新できなかったら今日は二回更新、とかしないんですが。
で、今日の更新。
最近発電の話ばかりだけど、よく考えたら自分の推進する宇宙太陽光発電ってちゃんと話してないな、
ということで自分の考えるベストな発電方法について。

太陽光発電とその問題点

太陽光発電は運用コストもかからないし、運営を始めたら外部からエネルギーを買わなくて良い。
しかもCO2を排出しないので「夢の発電方式」なんて言われる。
だが実際にはやたら場所を食うし、日照に頼るので発電時間も限られる上、天気に影響を受け不安定。
メガソーラー」といわれる巨大太陽光発電施設も作られているが、本質的に主力の発電方式にできない理由がここにある。

宇宙太陽光発電とは

そこで「天気に左右されるなら、雲の上に太陽光パネル置いたら良いんじゃね?」というのが宇宙太陽光発電の発想。
実はJAXA(宇宙航空研究開発機構)でもしっかりプロジェクトがあり、真剣に議論されてる。
アメリカ、アラブなんかでもプロジェクトがあり、日本はその中でも最先端と言って良いと思う。
福室康行 宇宙での太陽光発電、実用化に向けて

考え方はシンプルで、静止衛星軌道上に巨大な太陽光パネルを置く。
静止衛星の場合地上から3.6万km。静止軌道でない案もあり)
送電線を引くわけにはいかないので、発電したエネルギーをマイクロ波、またはレーザーにして地上に送信する。
宇宙太陽光発電では地上の受電設備にマイクロ波のビームを送るが、なにせ3万キロとかの位置からのビームなので、地上に着く頃にはそれなりに広がるし、ズレる。


このため受電設備はバラボラアンテナなどではなく、巨大な電線を張り巡らせた設備が考えられている。
大きさば数km単位。
「その面積が無駄じゃない?」
と感じるが、電線は隙間が大きいので普通に畑として使える、となっている。

マイクロ波こわい

こう聞くとその畑って大丈夫?というのはまず誰でも感じることだと思う。
マイクロ波、といえば電子レンジ。マイクロ波のビームを浴び続ける場所にいても大丈夫なの?と。


実際にはビームは拡散するので、面積当たりのエネルギーはとても低く、全く問題ないとされている。
この辺の不安に対しての説明は今後もっとなされていかなけれはいけないところだと思う。


あと、問題はゲームなどでの表現。
シムシティ2000では宇宙太陽光発電があるけど、太陽光発電のビームが受電施設からズレると火災が発生する。
アーマードコアでは地上の受電施設のステージがあるが、宇宙からのビームを浴びると機体が急激に高温になりダメージを受ける。
どちらもゲーム性はわかるけど、宇宙太陽光発電に対して誤解を植え付けてしまっているのは残念。

現状は?

宇宙太陽光発電はまだまだ検証段階の技術。
ただ机上の空論というわけではなく、エネルギーの長距離伝送実験や、コスト試算はなされている。
例えば08年時点で150kmのエネルギー送信実験が成功している。
(アメリカの例。エネルギー効率60%以上)

でもお高いんでしょう?

宇宙太陽光発電の一番のネックはコスト。
でもよく考えると、一度作ってしまえばタダで大量の安定エネルギーが手に入るという点を考えて、他の方式と比較する必要がある。
原子力発電は建設コストだけでなく、維持管理、廃棄に巨大なコストがかかることがやっとみんな分かったと思う。
宇宙に巨大な建造物を作るのは凄いコストが掛かる。
でもそれを補って余りある、文字通り夢の発電方式が宇宙太陽光発電じゃないかな、と思っている。



あと、どうも今の試算の数字はいわゆるシリコン型太陽電池を想定している。
もちろん発電効率を考えるとシリコン型なんだが、
宇宙に持っていく、打ち上げコストがとんでもない(1kgあたり約200万円)ことを考えると、
「重量あたり発電能力」という考え方も重要だと思う。
ここでいう重量あたり、とは発電部分だけで無く、周辺の構造も含めて。
参考になるのは「IKAROS」。
世界で初めての太陽光ヨット」(日本製)。
宇宙空間で効率よく大きな膜を広げるため、折りたたんだ膜を遠心力で広げている。
最近は薄膜太陽電池もあるんだし、これで一気に広げて回し続ければいいんじゃ無いだろうか。
(実際IKAROSの帆にも薄膜太陽電池や液晶が取り付けられている)
宇宙空間に円形の太陽電池がたくさんぐるぐる回っている。
絵的にも美しいじゃ無いですか。


そんな時代が、来たらいいなぁ。