台湾のお話ばかりですが、今回が最終回として、盤外(番外)編。
台湾のゲーム制作会社「大玩創意有限公司製作團隊(BigFun Idea)」のSlime Yangさんと滞在中に会食をする機会がありました。
今回訪問したうちのいくつかの会社は、彼から紹介を頂いた流れになります。
(というか今回事前アポありでお話ししたのはYangさんのみ。他は全部飛び込みです。訳の分からない外国人の相手をして頂いた皆さん、改めて本当にありがとうございました。)
台湾のボードゲームメーカーはいくつかありますが、その中でもBigFunのゲームは、台湾最大の書店グループ「精品書店」にもど~ん、と置かれていました。
こちらは「誠品書店(美麗華店)」。
そしてこちらは「誠品書店信義店」
いずれも新作「調香師」が目立つ所に置かれていました。
ちなみに「BigFun Idea」 となっているのは、ゲーム以外も作られているから。
台湾で発行されているボードゲームの専門誌は私の知る限りこの二紙ですが、このうち「卓遊人」はこのBigFunさんが発行されていて、同席されていたYangさんの奥様が編集をされているそうです。
Yangさんは日本語が堪能ですし、日本びいきなんですかね。
またゲームマーケットではTBDというグループでエリア出展されていました。
Essenに出展した日本のボードゲーム団体「ヤポンブランド」の台湾版ですね。
この中心にもYangさんがいらっしゃいます。
ちなみにYangさんがどれぐらい日本語が堪能かというと、その日の会食が日本語だけで済んだこと。(林くんも日本語学科なので日本語が堪能。奥様にはYangさんが適度に通訳)
そしてこちら。ビッグファンの公式ブログです。
ええ、日本語です。
こんなものが書けるぐらいの日本語力です。
ちなみに台湾の方の話せる言語は複雑な歴史の経緯もあり、年代別でかなりバラツキがあります。
ご高齢の方は日本統治時代に日本語教育を受けていたのでほぼ母国語として日本語を話されますが、さすがにそうした方も減ってきました。
最近の親日の影響で日本語を学ぶ人も多く、英語より日本語がむしろ通じる印象でしたが、さすがに大学生以下になると英語教育が浸透していて、日本の同年代と同じレベルの英語力がある印象です。(単語レベルならほぼみんな話せる、一部は会話できる。)
台湾のボードゲーム市場
台湾のボードゲーム市場はここ二~三年で急激に伸びているというのは、訪台して話を伺ったみんなが口を揃えて言っていました。
Yangさんによるとプレイスペースの数は台北市だけで70件程度、全土では300を超えるそうです。
70・・・東京でもそんな数はあるんでしょうか・・・
サイズも様々で、例えば同席していた林くん(大学生)のアルバイトしている所は70人程度が入れるそう。予約があればパーティやライブスペースとしても使えるイベント会場だそうで、なるほどそうした使い方もあるのかと思いました。
また、この急激な伸びの理由を誰も知らない、というもの台湾に来て感じたこと。
このほか色々な意見がありましたが、どれも正しそうでもあり、どれも決め手に欠けるようでもあり、という感じでした。
まだまだ市場は伸び続けていて、プレイスペースの皆様からは強気な姿勢が伺えました。
台湾でのボードゲーム制作
Yangさんが仰っていたのは
「日本にはゲームマーケットがあって羨ましい」
台湾のボードゲームはどれも印刷技術が凄い、という印象があったのですが、これはいわゆる「同人文化」「同人市場」が無いことが絡んでいるということでした。
ゲームマーケットのような個人制作の土壌が台湾に無いため、制作はいきなり一般市場向けになります。
すでに中国語訳のドイツゲームが市場に溢れているため、これと全く同列で比較されてしまうとのこと。
日本の個人制作ゲームは「個人制作ゲーム」という別枠で捉えて貰えますが、そうした情け容赦が一切無いので、ハードルが高く、クオリティの高い物を作らなければいけないということでした。
私も個人制作だからという免罪符に助けられて成長してきた自覚はありますので、こうした市場だとなかなか育ちにくいよな、とは思います。
逆に言えば食い合いが起こるほど制作者が居ませんので、一度市場に出てしまえば戦いやすいのでは?とも思いました。
日本はね・・・ちょっと多すぎじゃないかな、今は。
ちなみに当日は会食の後、場所を移して紹介がてらのテストプレイ。
ご馳走頂いたトマト牛肉麺は本当に絶品で、後日家族を連れてこのお店で食事しました。
そしてテストプレイ。
なんと林君が陰陽賽を持っていて、「僕が説明します!」と二人に中国語でサラサラとインスト。
プレイスペースで働いているだけあって、ルールの説明がめちゃめちゃ上手いです。
当日、なんと自分の「陰陽賽」を持ってきてくれていて、サインさせて頂きました。
こっちも嬉しいです。
当日のことはYangさんもFacebookでコメントされ、なんと100件を超える「イイネ!」が。
自慢したいわけではなく、それだけ日本のゲームにみんな興味があるんだなぁ、と実感した次第です。
台湾紀行、まだまだ書きたいことはありますが、一旦終了しようと思います。
各プレイスペース、ショップの皆さん、Slime Yangさんご夫妻、林くん、改めてありがとうございました。
そして家族旅行なのに一人でフラフラこうして街を回るのを許してくれた家族にも感謝です。
台湾は日本から近くて安全な上、日本から出店しているコンビニなども多く非常に便利な国です。ボードゲームに限らず、機会があればぜひ遊びに行かれてはと思います。
長らくの「台湾ボードゲーム紀行」になりましたが、お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。