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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

パニックになったときに

パニックになったことはありますか?

Panic! / ilovememphis

試験や面接、人前で話すときにも「頭が真っ白になる」「パニックになる」というが、
精神病の症状ではその名もパニック発作と言われる症状がある。

パニックは、立派な病気です

人前ですぐに上がって顔が真っ赤になる「赤面症」という症状があるが、
パニック発作はこれの極端な発作だと思えば良い。
動悸・息切れ・過呼吸(過換気)等が起きてその場に立てないような状態になることがほとんど。
うちの嫁はとにかくこの症状が激しく、一日に何度も過呼吸になる。

パニックは、怖いけど、大丈夫

パニック発作は、初めて見ると、かなりびっくりする
突然一秒に二回〜三回ぐらいの速い呼吸が始まり、丸くなってうずくまる。
これが数分間続く。
場合によっては十分以上続く場合もある。
見た目にもインパクトがあるが、精神的にも「死の恐怖を感じる」と表現される強い恐怖感が襲っている。
だから、顔はこわばり、目も見開かれている。
初めて見たときには「救急車を呼ばないと!」と思うぐらいだ。

Toyota Himedic - Tomica / emrank


でも、死なない。
パニック発作についての記事で必ず書かれているのは、パニック発作で死ぬことはないので、落ち着きましょう」ということ。
別にそれを知ったところで落ち着ける訳じゃないんだが、
それでもこの恐怖が一時的な発作であると知るだけでも、本人も、周りも楽になる。
発作が治まると、発作の間の緊張で体はグッタリし、しばらく動けないが、
しっかり休めばとりあえず動けるようにはなる。


パニック発作は最初、極度な緊張や恐怖で起こるらしい。
だが例えば狭い押し入れに閉じ込められた恐怖でパニック発作になったとしよう。
次にエレベーターに乗ったときに、その押し入れの恐怖を思い出し、パニック発作が出てしまったとする。
するとついには、「狭い場所ではパニック発作が出る」と狭い場所自体を怖がるようになる。
すごく簡単に言うと、これが「恐怖症」らしい。
明確な恐怖があるなら、それに慣れていく対処法も色々考えられているので、
パニック発作を起こしたことがある人は精神科に話をしたらいいと思うよ、というのが教科書的なお話。
ちなみにうちの嫁も結構閉所恐怖症のケが出てきて、風呂に入るのが結構大変。

Bathroom of Hotel De Tuilerie〓n / johncooke

我が家とパニック発作のつきあい方

さて、我が家の場合。
毎日のように起こる嫁のパニック発作。これが起きたらどうしたらいいか。
一応医者からは頓服薬を処方されているんだが、飲むのは一日せいぜい一回。
二回飲むと副作用が大分きついらしい。
出来れば飲みたくない。

Pills 1 / e-MagineArt.com

そこで薬に頼らない対処が必要になる。

まずは知ること

パニック発作で一番大事なのは、「絶対にパニック発作では死なない」と知ること。
繰り返しになるが、これが大事。
例えばパニック発作を起こしている人の背中をさすってあげるとする。
これは町中で嫁がパニック発作を起こしても、結構周りの人がやってくれるらしい。
でも、パニック発作について知識がないと、さすってあげていて不安になってくる。
「この人、すごい発作を起こしているけど大丈夫かな」
と不安になると、やはりパニック発作になっている本人もさらに不安になる。


パニックを起こしている本人も、周囲の人も、発作についての知識をちゃんと持っていれば、
「あ〜、大変だね〜」
ぐらいの気楽な気持ちでいられる。
これ、結構大事。

パニック発作が起きてしまったら

パニック発作によって起こる過呼吸では、以前は紙袋を口に当てるのがよいとされていた。
我が家でも以前は外出時に紙袋を持ち歩いていた。
(嫁曰く、ビニール袋は苦しいらしい)

paper grocery bags / G & A Sattler

ところが実際は効果がないらしい。
我が家の場合も、パニックが起きたらまず背中をさする。
何をして欲しいか聞いて、話せる状態なら言われたものを持ってくる。(水とかポカリとか)
まぁ、出来ることってそんな特殊な物はない。
あと、嫁が求めれば今でも紙袋を渡す。効果は無くても、気休めになるならそれで意味がある。


で、大体その横でネットなり、漫画等を見ている。
そして「ベルばらのカルタが出るらしいよ」とか突然言い出す。

ベルサイユのばらカルタ

ベルサイユのばらカルタ

うまく話題がハマれば、「へぇ〜」といって何事もなかったように過呼吸が収まる。
何十回、何百回の過換気(過呼吸)の発作を見て分かったのは、
過呼吸は恐怖が悪循環している状態なんだろうな、ということ。
もちろん「大丈夫」と言い続けることも大切なんだけど、思考をその恐怖から「ずらす」ことができれば
それが一番効果が高い。

笑って過ごすことが出来れば、幸せ

考えていることを無理矢理ずらすのに、一番効果が高いのは「笑い」
猫を連れてきてポーズを取らせたり、2chの面白いスレタイを見つけたり、何でもいい。
とにかく笑うことって、こんなに大切なんだな、と本当に実感する。
もちろん発作の状況を見て、受け入れられそうなタイミングと話題をよく考えて出す必要がある。
うるさいテレビなんかはとても無理だし、難しい話題も理解する余裕がない。
ちょっとした話題も「今は楽しめない」と言われてしまうこともある。
でも、お互い発作を抑えるためにこうしていると分かっているから、嫁も妙な話題を振られても受け入れようとするし、
オレもネタが拒否されても仕方ないと思える。


精神疾患になって、毎日発作が出ている家はどよ〜んと暗いイメージかもしれない。
でも、我が家ではむしろ今の状態になってからの方が、夫婦の会話も増えたし、
お互いの共通の趣味や興味を深く知ろうと思うようになった。
むしろ精神疾患だと認めなければ、ここまでお互いに干渉しようと思わなかったと思う。


精神病を患って、今、嫁は自分を幸せと感じられない時が多い。
「障害は不便である。しかし、不幸ではない」 −ヘレン・ケラー

Helen Keller (LOC) / The Library of Congress

ヘレン・ケラー乙武洋匡さんは重度の障害を持っているが自分を不幸とは思っていない。
しかし精神病では、「幸せを感じる」という機能に障害が出ている。
その意味では身体障害よりむしろ辛いのではないかと思うときがある。
精神病の患者は平成20年時点で323万人と言われる。
・リンク → 精神疾患に関するデータ|国の政策と方向性|みんなのメンタルヘルス総合サイト
個人的には、この増減は患者数が増えたことよりも、「医療機関にかかる人が増えた」ことじゃ無いかと思う。
今でも、明らかに精神疾患なのに「体面が悪いから」と医者にかかっていない知り合いがいる。
精神疾患はまだまだ原因も医療法も分かっていない。
だけど、まず周囲が理解しなければ、より悪い方向に行くのは間違い無いと思う。


精神疾患の解明が進むことを祈るのと共に、
症状に関する理解も進んで、いわれのない批判や中傷がなくなることを、望みます。
患者のコミュニティを作る気はさらさら無いが、「自分一人がこんな病気になっているのは自分がおかしいのだ」と
思ってしまいがちなのが精神病なので、こんな実例もあるよと見ていただければいいかなと思う。