ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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節約術が人気になる日本経済の危うさ

テレビでも雑誌でも、
「これでできる、簡単××節約術」という見出しを見かける。

Home sweet home / nakanishiakihito

よく見かけると言うことは人気記事なんだろう。
そしてこんなブログがホットエントリ入りしている。
リンク → ニートが揺るがす「勤労」の幻想/無職たちは合法的略奪を目指す-デマこいてんじゃねえ!


しかしみんなが節約すると、経済が縮小してより苦しくなるということはみんな自覚しているんだろうか。
勤労が個々人の自己実現に役立つかは置いておいて、経済がうまく回るかを振り返って考えてみる。

経済学の基礎の基礎

例えばあなたが木を加工してオモチャを作って、1000円で売れたとする。
木は裏山から拾ってきた物で原価0円

wood makes people smile / whitefield_d

ではこの1000円は、オモチャを買った人から移動してきただけの物か?
そうじゃない。


木を加工することで、1000円の価値を創出して、その1000円分の価値のオモチャと、1000円「等価交換」した。
だって木のオモチャを買った人は、1000円を捨てた訳じゃなく、1000円分の価値のあるオモチャを手に入れたのだから。
だから、木の加工によって世の中に1000円分の価値「増えた」事になる。
あなたはその1000円を使って、また別の1000円分の価値の物を買う(等価交換する)ことができる。


世の中にはそうやって、新しい価値が創出される。
つまり、お金は使えば使うほど世の中の価値が増えていく。
お金は印刷された「枚数」ではなく、使われる「流通量」が大事なのは、それがどれだけの価値が創出されているかの指標だから。

大事なのか節約よりも稼ぐこと

だから「ケチケチ家計術」をみんながやればどうなるか。
世の中の流通が停滞して、みんなが困る。
工場は新しい設備投資をできなくなって良い物が作れなくなるし、会社の業績は悪くなって、結果給料が下がって生活はより大変になる。
無駄な出費を抑えることは大切だが、ケチケチ節約術よりも大切なのは、それ以上に稼いで経済を活性化させること。


もちろんサラリーマンなら仕事の収入はこれ以上増えないかもしれないが、
共働きでちょっとした副収入を得るでも、土地があれば自販機を置くでもいい。
趣味の手芸や裁縫があれば、それをどんどん作ってネットオークションで売ってもいい。
プログラミングが趣味ならアプリを作ってなんとかStoreに出せば良いし、
英語ができるなら勉強がてら翻訳や家庭教師をやってもいい。
とにかく自分のできることでみんながちょっとした副収入を得ることで世の中はより良く回るんじゃないか。

Handmade / Rande Archer


日本の就業人口は6200万人(平成21年現在)。
この全員が月に平均1万円でも副収入を得れば、その合計は年間7.5兆円弱になる。
(6200万人×1万円×12ヶ月)
主婦の副業も含めりゃもっと母数は大きくなるし、あまりに現実離れした数字でもないと思うんだが。


副業禁止は?

・・・とここまで考えてきて問題になるのが企業の独自規制で多く取り入れられている副業禁止規定
ただ、ちょっと考えたらどう見てもおかしいよなぁ、この規定は。
就業時間中に副業したり、就業に影響を及ぼすような働き方(遅刻するまで副業するなど)なら分かる。
でも普通に仕事していて、会社を出てからは「働いてはいけない」っておかしくないか?


・・・と思ったらやはり議論されているらしい。
古い記事ですが。
リンク → 241兼業禁止を禁止する動き
禁止を禁止、って言葉遊びみたいだなぁ。


政治のことはよく分からないけど、こういった規制の廃止やオープン化は、法律一つで景気を左右できて便利なのに
あんまりやられない気がする。
景気を規制する法律は良く耳にするのに。
財源がないなら、頭を使えば良いのにね。
門外漢からの愚痴ですが。