ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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日本のレガシーコスト

高齢化とか人口の減少が問題という話が出ているが、
結局はアメリカの自動車大手GMが破綻したときと同じく、日本の
「レガシーコスト」が顕在化しているということ。
つまりは生産・消費・人口が拡大するという前提の社会構造が、ここに来て限界になっている。

General Motors Corporation exhibit showing the Firebird III, Century 21 Exhibition / UW Digital Collections

人口減時代に顕在化する問題

人口減少時代・高齢化時代の問題は、仕事に従事する人が社会全体で減少するということ。
つまり拡大を前提にしたシステムでは成り立たなくなる。
これが会社なら潰れるとか海外移転という話が出来るが、一番問題になるのは公共部門だと思う。
良く介護が問題になるが、これは高齢化によってむしろ新たに生まれる領域。
高齢化でこれから問題になるのは、むしろインフラ部門だと思う。


インフラといっても道路から上下水道など、色々な物があるが、
共通して言えるのは「維持・メンテナンスにコストがかかる」ということ。
道路なんて作って終わり、と思う人がいるかもしれないが、
作って20年も放っているとペンキははがれ、アスファルトにも亀裂が走る。
「掘って埋める」と揶揄されることがあるが、道路は定期的に掘り返さないと事実上使えない。
これは水道管などでも同じで、特に古い水道管(陶器製)では、水道管に走る亀裂のせいで漏水が起こったり、水の品質が劣化したりする。

Laying water pipe on East Harrison Street, 1899 / Seattle Municipal Archives

なぜ今問題になるか

人口が拡大して、都市が拡大している環境ではこのメンテナンスは大きな問題にならなかった。
それは定期的に改修や拡張があり、必然的にその際に道路の掘り起こし作業が発生したから。
しかし家の寿命が延び、都市が拡張しなくなるとメンテナンスだけが必要になる。
特に過疎化が起きると道路の維持管理コストだけが大きくのしかかることになる。
家は歯抜けになって税収は低下する上に、家一軒あたりの道路は長くなる訳で、
相対的にメンテナンスのコストが大きくなる。

Rural road section / MoBikeFed


日本のインフラ技術は世界的に見ても非常に高い。
しかしそれを今後も継続して維持できるかは難しいし、そもそも維持しなければならないかから
議論する必要があるタイミングだと思う。
明日はその解決案について、考えるところを書いてみる。