[ヘボコン HEBOCON:2]「ヘボい」ロボコン
ロボコンをやっていた当時、レベルが低い事は当然「恥」でした。
レベルが低くてNHKの大会には出られませんでしたし、大学ミニロボコンをそれほど積極的に宣伝しなかったのも、自分たちのレベルの低さを認識して積極的でなかった部分はあるかと思います。
でも、「レベルが高くなければロボコンしちゃいけない」となると、その参入障壁はどんどん上がってしまいます。
もちろん、頂上決戦としては、レベルが上がっていく事は良い事です。
ロボット相撲では掃除機顔負けの「吸引力」競争が進みましたし、水道橋重工の「クラタス」を見てロボットを作りたいと思った人はいると思います。
でも、その裾野も広げたい。
LEGOは「マインドストーム」というキットで「簡単にロボットを作れる」と喧伝しています。
つい先週発表がありましたが、SONYも同じ領域に参入するそうです。
こっちは正直、事業としてはうまくいかないんじゃないかなぁ、と思っていますが、色々選択肢が増えるのはとりあえず良い事です。
[ヘボコン HEBOCON:1]私とロボコン。
ロボコンって、ご存じですか?
「ロボットコンテスト」の略称のほうです。「みんなのロボコン」ではなく。
「なんかテレビでやってるのを見た気がする」
ぐらいのイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ロボットを作って、戦う。
小型のロボットを作って押し出す「ロボット相撲」もあれば、
学生がチームを作ってボールや箱を運ぶ「ロボコン」もあります。
世界を見渡せば、人型のレスキューロボットを作る
「DARPA Robotics Challenge」では賞金2.5億円という金額が掲げられています。
DARPA Robotics Challenge (DRC)
実は私も、大学時代に「ロボコン」をやっていました。
先代がいろいろ画策して、なぜか部室は確保していましたが、実質的にロボコンとして活動を始めたのは私の代から。
初代部長、というところです。
今はどうか分かりませんが、少なくとも当時の「大学ロボコン」はNHKが主催している大会で、予選から大会が開かれ、テレビでも中継される「高専ロボコン」に比べれば規模も小さく、なんともマイナーな大会でした。
この辺、全て当時の記憶に頼って書いていますので、現状とは異なる部分もあるかと思います。その点はあらかじめご了承ください。
大学ロボコンは当時、以下のような流れになっていました。
- 一次審査:書類審査
- 二次審査:ビデオ審査(NHKが訪問、撮影)
- 本戦(決勝)
(今はビデオ審査が二回になっているようです)
つまり本戦に進むまで、一度も実際に試合を行わないわけです。
大学二回~四回生まで、都合三年ロボコンに挑戦しましたが、結果は三年目の二次審査止まり。
(関西では大学の学年は「何年生」ではなく「何回生」と言います)
テレビに出ないどころか、一度も試合をしないまま終わりました。
エコシステムと清濁
中国の山寨(海賊版)の現状を見るだに、
デジタルガジェットの物作りで日本はもう太刀打ちできないなと痛感します。
「コピーの安物なんて」という話で終わらず現場の話を伺うと、凄いのはそのカテゴリでのエコシステムが完全に成立している事。
「安物のスマホ」が売っているのは当然として、実際にはスマホだけでなく「タッチパネル」「筐体」「通信モジュール」「基板」などが単品として商品となっていて、それを自由に組合わせてガジェットを作れる環境ができているわけです。
目立つのは確かにパクリ商品という、清濁で言えば「濁」な部分でしょうが、「オリジナルな商品を作りたい」と思った時に、それを一つからでも作れてしまう「清」な環境でもあることを忘れてはいけません。
100円均一ショップやオモチャの市場もあり、こちらも当然パクリ商品が目に入るとは言え、そちらでもさらにその部品となる「タイヤ」「円盤」なども商品として売られているのでしょう。
驚愕!中国のコピー商品市場 <前編> | 明和電機社長ブログ
「中国は人件費が安い」というのは今は昔。
単純な人件費なら東南アジアやアフリカの方が安いのに、こうした安価なものの購入先が未だに中国なのは、こうした「足腰の強さ」があるかと思います。
他では売れないような部品単体を大量に作っても売れる市場が地元にあれば、それを作る業者もできて、しかも顧客が買いに来てくれる。
この「環境」はなかなか真似できません。