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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

2:企画のための下準備

仕事術:企画

自分がメーカー出身なので、発想はまず「何を開発するか」が企画の出発点になる。
新しい商品ありき。
この辺は商社や販社では少し発想が異なると思う。
ただ大まかな発想の流れは同じなので、この文章のターゲットは「ものを開発・販売する人」となると思う。
工場の生産性の向上とか、コストダウンからはちょっと外れる。

情報収集

企画を始めるにあたって、先ず大切なのは情報収集。
情報というと市場規模(対象の顧客)や競合など。
この二つは特に大事。
その前に必要なのが自分の分析。
自社の商品や、販売形態など考えられる要因を分析する。
孫子の時代から「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」というがそれは今も変わらない。
ただ、戦争と違うのは戦う場所を自分で選べるということ。
だから「彼」を知る前に「己」の分析が重要になる。

己を知る

まず必要なのは自分の特徴の棚卸し。
自分の良いところ、悪いところは意外にわかっていないことが多い。
これは本当、分かっていない会社が多い。
「へぇ、そんな会社もあるんだ」ではなく、
自分の会社や自分自身のスキルについて、改めて書き出してみて欲しい。
自分で思っている姿と、外から見た姿はたぶんかなり違うと思う。
自分では当たり前と思っていても、外から見たら違うこともよくある。
よくあるのが「この業界では常識」「これがうちの会社のやり方だから」というもの。
「こんな事もできていない会社」はネタにもなるが、競争が激しくて気がつくと業界全体が他に比べて異常にレベルが高くなっていることもある。
こんな時は一歩下がって、その業界のノウハウを持って新天地に行くことで大きな成長が見込める可能性がある。


例えば美容室。明らかな過当競争の日本の美容室は、その競争の中で散髪・パーマ・カラーからマッサージへと色々な付加価値を追加し、競争している。
ところが世界では免許制の美容師という制度自体がとてもレア。
免許制があるのは日本・韓国・アメリカの三カ国のみだそう。本当か?これ。
つまり日本のレベルの美容師は、それ自体が世界では高い付加価値ということ。
これを実際に行ったのが、日本では低価格カットとして有名な「QB House」。
アジアに「日本の高品質なカットハウス」として、すでに50店を展開中。

「彼(敵)」を知る

お客様は自分の要望に、「現段階で一番マッチした」商品を選ぶ。
どんなに良い製品でも、No.2は選ばれない。
ジュースを一本買う、と言うときにペプシを買ったらコカコーラは買わない。
コーラ市場で例えばコカコーラが60%シェアだとしても、150円でペプシを買ったら、その場のコカコーラの売り上げは0円。
買う人にとっては「買うもの」「買わないもの」しかない。
(ごく例外で「2社から購入しないといけない」という場合もある)
逆に大したことがなくても、競合がいなければその市場は独占できる。
その商品の顧客は誰か、競合は何かの見極めが重要。
「自社の商品がなかったらお客様は何を買うのか」
「自分が営業してなかったらお客さんはどこから買うのか」
「あの会社さえなければうちを買ってもらえたのに」
これが競合。

Coca & Pepsi of Laos / jiazi

「市場」規模ってなんぞや

次にターゲットとする市場の規模。
市場は「コンビニ市場」などとニュースで言ったりするが、そんな大きな市場で考えることは実際にはレアケース。
実際に会社・商品単位で考えると、「自分の商品の対象市場」は結構狭く区切られる。

例えば単行本の作者が競合を考えてみる。
この単行本の売り上げのメインは主要駅などのキオスクだとする。
ではこの単行本の競合は?電子書籍だろうか。
単行本を「通勤時の暇つぶし」と考えると、競合は携帯のメール機能や携帯ゲーム機になる。
「キオスクで売れる単行本」は暇つぶしで読まれることが多いと思われる。
今売り上げが下がっているのなら、その作家は今後ターゲットを変えて、別の売り場を狙う必要があるかもしれない。
「移動時間」という市場はお金ではなく「時間」という有限のリソースを取り合う市場と考えられる。

またこの場合市場は一つである必要は無い。
例えばポカリスエットなら「スポーツ時の飲料」「風呂上がりの一杯」「病気時の水分補給」などの市場がターゲットだと考えることができる。
実際、ポカリスエットはスポーツ用には専用のボトルを用意したり、ターゲット毎に複数の販促活動を並行して行っている。


競合とターゲットが分かると、市場の大きさ(広がり)が掴める。
市場の大きさとは、その商品、あるいはその展開商品(後継機種やバージョン展開)、競合を含めた売上の総計のこと。
これが見えると、それにかける費用も見積もることができる。
大きな市場ならリスクを取って大勝負に出ても良いが、市場が小さいとかけた費用は回収できない。
当たり前のことを言っているが、この判断がきちんとできているかは結構難しい。この判断の話はまた出てくるので後述。