25年超しの伏線回収
暑い最中の日本で、アツいブログがあった。
FF3のサウンドトラック「ファイナルファンタジー III 悠久の風伝説 - 」についてのこちらの記事。
ファミコン最後のFFとなったFFIII(FF3)の、そのサウンドトラックの魅力について音だけでなく「ゲーム音楽」という背景を含めての記事。

- アーティスト: ゲーム・ミュージック,植松伸夫
- 出版社/メーカー: ポリスター
- 発売日: 1994/03/25
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
FFIIIは個人的には大好きなゲームで、それは主人公の4人に名前も個性も無いという構造がよりプレイヤーに考える余地を与えて感情移入しやすくしているということや、スタート地点からボスを倒し、飛空艇を手に入れるために犠牲になるキャラクターのストーリー性、飛空艇を手に入れて、自分たちのいた世界が小さな「浮遊大陸」だったと気づいた時の衝撃、最終ボス「くらやみのくも」の理不尽な強さと音楽の重厚さ、最後には最強の装備「オニオンシリーズ」がスタート地点に隠されているという遊び心も含めて大好きでした。(ここまで早口)
で、このサウンドトラック。
記事ではカセットテープで買った、とあるけど、私が買ったのはCD。
買ったのが中学生の時だったというのは覚えているけど、なんでまたこれを買ったのかははっきりとは覚えていない。
当時は家にCDコンポを買って、両親が喜んでCDを買い始めていたので、「何が欲しい?」と親に言われて買った一枚、と思われる。
よく考えたら当時は香港に住んでいてテレビも見られなかったから、流行曲も分からないし、知っている曲を探したらファミコンの音楽だったとか、そんなレベルと思いますが、調べてみたらこのCDの発売時期が近いので、店頭に並んでいたのかもしれません。
ちなみに家のテレビで見られたのは現地局が2チャンネル、(当時は英国領なので)イギリス局が2ch、それとNHK。
あと、なぜかケーブルテレビが入っていて、何chか専門番組も見られました。
日本語しか分からない中学生が見るようなものはほとんど無い中、唯一MTVは音楽チャンネルで言葉が分からなくても楽しめた上に、当時はMVが盛り上がっていたタイミングだったのでそればっかり見ていた記憶があります。時代で言えばMichael Jackson のBlack or Whiteとか、Gunz N' RosesBon Joviの Bed of Roses とかその辺。なので、ある一時期の洋楽には異常に詳しいです。
※コメントを頂いて修正。推敲の間に間違えたようです。お恥ずかしい。

HIStory - PAST, PRESENT AND FUTURE - BOOK I
- アーティスト: マイケル・ジャクソン
- 出版社/メーカー: Epic
- 発売日: 2013/03/21
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
さて、そんな経緯で買ったこのCD。
中学の時に学校で話す音楽と言えば、MTVで流れる洋楽か、音楽に詳しいやつが教えてくれるJ-POP、というあたりでした。
FFIIIサウンドトラックはゲームが分からないと魅力が伝わりにくいうえ、記事にあるようにボーカルが入っているとかクセも強い一枚です。自分では名盤だと思いつつ、それを人に話すようなきっかけも特になく、高校受験にあわせて帰国しました。
高校では日本語の音楽が簡単に聞けて、通学がてら簡単にCDが買えるのが嬉しくてとにかく音楽を聴いて、ジャケ買い含めて結構色々買いました。
当時はCDレンタルがピークだったころで、メジャー作品だけでなく、実験音楽のような結構マニアックな作品もレンタルできた記憶があります。
(1トラック一発録り60分で奇声を上げながら金属を叩くだけのアルバムとか。ジャケットだけ見て借りたのはいいとして、良くちゃんと通して聞いたな、当時の自分)
金も無いから、借りたからにはちゃんと聞くという「もったいない根性」のなせる業ですね。
で、金が無いから高校で知り合った友人と借りた/買ったCDを交換するうち、その友人と二人でハマる歌手を見つけました。
それが「Zabadak」でした。

“NOREN WAKE" AT 日比谷野外音楽堂1993.9.25 [DVD]
- 出版社/メーカー: biosphere records
- 発売日: 2017/06/20
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
Zabadakがどういう歌手、というのは言い始めるとキリがないのですが、とにかく当時発売されていたすべての曲を間違いなく100回以上は聞いています。
音楽は聞いても、ほとんどライブに行ったことはないのですが、その数少ないライブ体験の一つが、その親友と行ったZabadakのライブだったりします。
なんなら参加アーティストのCDまで探して順に聞いていたので、今考えると面倒くさいオタクです。
で、上の記事を読んでいて思い出したんです。
初期のZabadakの、イギリスレコーディングで現地スタッフに「Holyな曲」と言わしめたような上野洋子さんボーカルの一連の曲の雰囲気って、先の記事で挙げられていた「Roaming Sheep」っぽいなって。
FFIIIサウンドトラックで「Roaming Sheep」を聞いたのは中学生の時。
Zabadakにハマったのは高校に入ってからなので、もしかするとZabadakにハマった遠因は、このFFIIIなんじゃないかと。
そんなことをふと思ってつぶやいたら、その親友がツイートを見て
「自分も初めて買ったCDはFFIIIサウンドトラックだった」と言ってきました。
いや、ちょっと待てと。
お前もFFIIIの「Roaming Sheep」が好きで、そこからZabadakが好きになったの?
いや、その前にFFIIIサウンドトラック持ってたの?
いや、しかも初めて自分で買ったCDがそれ?
25年越しで初めて知ったわ。
「え?俺が布教*1したんじゃなかった?」
いや、時期が合わんし。
「類は友を呼ぶわけだ」
いや、本当にな。
日本と香港で、同じタイミングで同じ曲を気に入った二人が数年後に知り合って、その雰囲気を持つ歌手を見つけて二人してハマって、そのきっかけが実は同じだったことを25年ぶりに知るとか、どんな伏線回収だよ。
長いわ。
Zabadakもとうの昔に「のれん分け」したし、吉良さん亡くなっちゃったよ。
でも、それを知れてよかったよ。
実際それだけの間、友達で良かったよ。
さて。
とりあえず、「遠い音楽」聴くかな。
*1:布教 お勧めの作品を人に勧め、それを好きになるよう仕向けること。類:「沼に沈める」