ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

次世代のゲームはこんなのだ!

次世代のゲームはどんなものであるべきか、またどういう形であれば日本初世界ゲームになりうるのかを考えた。
このテーマはブログでも何度か取り上げているけど、「たとえばこんな方向」という案が一つ思いついた。


まず現状のおさらいから。
現在のゲームの主流というのは一言で言うなら重厚長大
大規模開発でものすごく「リアル」なゲームを作って、それを楽しむという形。
さらにそれを多人数でやることによってより実際に近い「戦闘」が主流といって差し支えないと思う。
この弊害はすでにいくつかって、

  1. 開発費がかかりすぎる(中小企業ではとても参入できない)
  2. 難しくなりがち(ゲームはよりオタク向けに)

という問題が指摘されている。


そんな状況を踏まえた上で、今後ゲーム業界はどうやっていけば生き残っていけるのかを考えた。
一つの新しい潮流としては「Nintendo Wiiがある。
「DS」からの流れとして、高機能ではなく「直感」を前に出すゲームで世界的に大成功を収めている。
正直この今の「DS」→「Wii Sports」→「Wii Fitまでの一連の流れは
ゲームという産業全体の流れからみるとあくまで「徒花」だと思う。
ただ、この成功の一番のポイントは「ユーザーの数を広げることによって販売台数を伸ばした」という点。
この点において任天堂の戦略は世界各地で大成功したし、
「なぜこんなショボいグラフィックで奥の浅いゲームが売れたのか」という質問に対しては
「キレイなゲームなんかやったことないお母さんおじいちゃん向けだったから」という回答がよいのではないかと思う。


そんな環境を踏まえた上で、「本気」のゲームの生き残る策を考えた。(相変わらず前置きが長いのは仕様です)
それは「作る」ゲーム。
今までのゲームでいうと「パネキット」や「俺の屍を超えてゆけ!」はゲームとしてはかなり特殊だと思う。
(両方PlayStation3をお持ちの方ならネットで500円で買えるので是非買ってやってみてください)
パネキットは「動くレゴ」的なゲーム。ゲーム中でパネルを組み合わせて自動車や飛行機を作り、
決められたミッションをこなしていく。
一応ミッションはあるけど、別にこなさなくてもよいし、基本レゴなんでできる形なんてやる人によってバラバラ。
で、面白いのはできあがった形がみんな違うのに、みんな「オレのモデルが一番だね」と自慢すること。
「俺の屍を超えてゆけ!(略称:オレシカ)」は「主人公(および家族)の寿命は1.5〜2年しかない」という呪いをかけられた一族が
憎き酒呑童子を倒すというRPG
自分の名前を刻んだ初代から、連綿と続く子孫たちが徐々に力を蓄えて鬼に打ち勝っていく様が何ともいじらしく、
クリアした人たちはなぜかその「家系図」をプリントアウトして自分のサイトに乗っけてしまうというよくわからない感情移入を誘う名作。


これらに共通するのは「自分で作り上げた」実感のあるゲームだということ。
最近では「アイドルマスター」や「初音ミク」。
アイドルマスターは元々アイドルを育てるゲームだけど、それを使って動画を編集して、いわゆる「MAD動画」として発表する人が多い。
初音ミクはいわずとしれた音楽作成ソフト。男性でも女性の曲を作れる、楽器ができなくても音楽を発表できるとあって
数多くの人が音楽を発表して、ものによってはCDとして発売もされている。
面白いのはゲーム自体をしている、音楽を作っている人なんてごく一部なのに、それをみている裾野の人数は非常に多いということ。


結局人間、「誰かにみられている」と思えば作る喜びもあるし、よりよい作品を時間をかけて作るんじゃないかということ。
ゲームとしても今まで「RPGツクール」「2D格闘ゲームツクール」とかもあったけど、そこまでの裾野がなかった。
こういう本気の「ツクール」を大手メーカが作っていって、今までゲームを知らなかった人たちにも
広げられればそれが新しいゲームになるんじゃないだろうか。
つまり「××ゲームツクール」じゃダメで、できあがったものはむしろ誰にでもなじみのあるものでなければいけないということ。
初音ミクの「音楽」、アイマスMADの「動画」はわかりやすけどFireFoxなら「ブラウザ」だし、iPhoneは・・・何だ?
とにかくこの辺に向けてソフトやツールを作って、それをみんなが楽しむ。
ゲーム会社はその壮大なプラットフォームを作って、みんながその上で生活できるようにすればよい。


そういう意味では古くは「UltimaOnline」、最近では「セカンドライフ」などの仮想世界は、
そこで住んでいる人たちが自主的にイベントを開いたり交流したり、ツールを作ったりと世界を構築するあたりは
オレの言っているような観念に近いんだろうね。
セカンドライフが失敗したのはその完成度と管理手法だと思う。失礼ながらあの世界観はゲーム会社が統括するべきだと思う。
「また来たくなる」仕掛けを仕掛けるのが上手いのはやはりゲーム会社だろうし。


過去「日本人はそうやってものを作る性質ではない」という意見を聞いたことがあるけど、
現在のニコ動の成功と、投稿状態を見ればそんな意見は間違っていることは誰でもわかると思う。
され、この壮大なプラットフォームを作ってくれるのは誰か。
レゴの「MindStorm」なんてまさにこれなんだけどあんまり普及してないよね。
やっぱりLabViewベースだからわかりにくいのか・・・あれこそゲームでプログラム作って走らせたいけどね。
ソフト上でシミュレーションしてパネキットみたいな世界で動き回らせたらなおよし!
そうだよ、SONYがまずは「パネキット2」作ってくれ。高くても絶対買うんだけど。