遊園地考1:生駒山上遊園地分析
生駒山上遊園地「スカイランドいこま」に行ってきた。
・リンク → 公式サイト
生駒山上遊園地は奈良県の遊園地だが、言うまでもなく遊園地の原状は厳しい。
大阪でもエキスポランドなどが閉鎖したが、
奈良県では「あやめ池遊園地」が2004年6月6日、「奈良ドリームランド」が2006年8月31日に
閉鎖し、生駒山上遊園地が県内唯一の遊園地になっている。
その規模は入場者数で約20万人。
800万人規模のUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に比べると1/40という極小サイズ。
まずはレポートから
まずは実際に訪問した結果から。
生駒山上遊園地の売りは「入場無料」。
乗り物代をメイン収入とし、入場をタダにすることでまず来場者を増やそうというスタンス。
・・・という事になっているが、実際には車なら駐車場代1000円以上、ケーブルカーなら往復700円と交通費がかかる。
逆に入場料を取ると「交通費+入場料じゃ行かないよ」となる顧客をつなぎ止める苦肉の策と考えられる。
ケーブルカーも親会社の近鉄なので、交通費が入場料代わり、とも言える。
ケーブルカーが魅力
ケーブルカーは遊園地の中ではないが、大きな魅力の一つ。
子供の落書きをそのまま形にしたようなデザインは、子供でも大人でも、結構驚かされる。
このケーブルカーは、実は「日本で最初のケーブルカー」など、これ自身が観光資源としての魅力を色々持っている。
(創業時の写真にはなんと、ケーブルカーの隣を駕籠が走っている!)
ところが
社内で軽くアナウンスがあるだけで、駅構内ではそういった紹介パネルなどもない。
ケーブルカーの運行間隔は20分程度有り、しかも鳥居前駅(生駒駅前)から生駒山上に行くには、乗り換えも必要。
駅の待ち合わせも長くなるので、パネルや記念写真の場所を充実させれば良いのに、と思うのだが。
あと、古いだけあって駅の作りが「怖い」。
何せ、階段の一段一段が水平じゃない。
(右上写真の階段を参照)
我が家は子供が自分で歩ける年だから良いが、自分の祖母を連れて行ったり、ベビーカーだとかなり怖い。
とにかく不満、不満
全般的に、集客・マネタイズを頑張っているのは分かるし、実際にお金は落ちているんだろうが
基本的なところが本当に「前時代的な遊園地」。
やらないで良いこと
生駒山上遊園地は1992年にはピークの70万人の来場があったらしい。
なんと、今の3倍以上か。
ところが来場者の減少に対応して、金のかかる絶叫系施設(コースターなど)を縮小・廃止したとのこと。
これはターゲットを絞る意味で良いと思うし、大規模施設は資金面でUSJに敵わないのでやらないで良いと思う。
やるべき事
ただ、「ファミリー層」をターゲットというのなら、基本的なことはやって欲しい。
というかファミリー関係なく、やっておくべき基本が弱すぎる。
- トイレ
- 狭い・少ない・汚い。キレイにして、オムツ替えスペースなど充実させて欲しい
- 日陰
- 山上は涼しいので、避暑にも良いはずなのに、とにかく日陰が少ない
- 手すり
- とにかく全体が斜面なので、手すりを付けないと家族で来られない
- 椅子・ベンチ
- みんな芝生や縁石に座っている。もっと椅子やベンチがあれば良いのに(坂が多いので、とにかく疲れる)
- 物販
- とにかく物販が少ないし、ショボイ。
簡単に言うと、ゲーム「テーマパーク」なら一番最初に揃える、安価な設備群が丸々弱い。
- 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
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とにかく、完成度が低い。
生駒山上遊園地は創業1929年らしいが、古けりゃ良いってモンではない。
他の所からしっかり学んで、サービス業の基本ぐらいは守って欲しい。
と、とにかく不満たらたらなレポートになったが、別に潰れて欲しいわけではなく、
奈良で生き残っている唯一の遊園地なので、何とか生き残って、集客を増やして再生して欲しい。
実際、アンパンマンショーやプリキュアショーを頻繁に行うなど設備に金のかからないイベントにはきちんと力を入れている。
※たまたまやっていたアンパンマンショー
「やる気」は感じられるんだが、「金もないしこれ以上できないよ」という諦めも同時に感じる。
金をかけなければいけないところもあるし、金をかけずに改善できる部分もあると思う。
遊園地のことは素人も素人だが、それでも顧客としての目と、データを見ることで見えてくるものもある。
そんな「素人目線」の遊園地改善策を、考えてみる。
続きはこちら。
・リンク → 遊園地考2:成功例分析・ナンジャタウン
・リンク → 遊園地考3:生駒山上遊園地改善案