新しいリモコンの形【解決策】
地上波デジタル放送で複雑になってしまった日本のリモコン。
これをどうすればわかりやすくなるか。
正統派進化については昨日書いたので、それ以外の方向性について挙げてみる。
・リンク → 地デジ時代のリモコン【問題提起】
リモコンの形を変える
「テレビのリモコン」というと棒状で12チャンネルあって、テレビの方向に向けてボタンを押すもの。
Remotes / gabrielsaldana
この形は洗練されているが、ボタンが多い場合には操作性が悪くなる。
そこで「機能が多いのならリモコンの形を変えてしまえ」という発想がある。
実例は二つ。
REGZA App(東芝)
東芝レグザはリモコンに力を入れている。
TOSHIBA LED REGZA 地上・BS・110度CSデジタルハイビジョン液晶テレビ 22v型 ブラック 22A2(K)
- 出版社/メーカー: 東芝
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: エレクトロニクス
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・リンク → Regza App Connect
レグザではスマートフォンをリモコンにできる。
それもタダのリモコンだけではなく、「声優がしゃべるリモコン」「アートデザインリモコン」などを拡充している。
これだけ聞いても「なにそれ?」という感じでしょ?
ちなみにこれがアートリモコンの操作画面例。未来過ぎる・・・
とはいえこんなキワモノだけではなくて、
- 現在の番組表を表示して選択するリモコン
- みんなの人気を見て表示/予約するリモコン
- シンプルなリモコン
とニーズに応じたリモコンを選択できるようになっている。
「リモコンをカスタマイズ」という観点では一番進んでいると思うし、この方向性をもっと出して欲しい。
torne(SONY)
PlayStation3の地デジユニット「torne」は、基本的にPlayStation3のコントローラで操作する。
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2010/03/18
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PlayStation 3用 BDリモートコントローラ (CECH-ZRC1J)
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動きも速いし、画面の細かい操作まで自由自在にできる。
PS3 controller / Reinis Traidas
PlayStation3のコントローラのボタン数は15。(スティック除く)
テレビ視聴では使わないキーがあるので、実質は13。
テレビのリモコンで言えば、ボタン13個というとチャンネルキー+電源。音声も調整できない。
でも高速応答と、torneの機能が弱い(デジタル放送の一部機能しか対応していない)ために普通のテレビよりもストレス無く操作できる。
実際我が家では、テレビを見るときはわざわざtorneで見ている。
こちらも操作のカスタマイズを高いレベルで実現している例。
ただし操作系が特殊なのは事実。
うちの親はとても操作できないし、最初に使うまでのハードルは高い。
ただ、それで80万台も売れている訳で、「『誰にでも優しい』から良い訳ではない」好例と言える。
80万台の出典はこちら。
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- 発売日: 2011/04/07
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PS3用地デジレコーダー「torne」の累計販売台数は2011年1月2日までに約78.4万台、「PS Move」は約17万台とのこと。
01位:190.6万本:ファイナルファンタジーXIII
02位:78.4万台:torne
03位:70.6万本:メタルギアソリッド4
それにしてもソフトの売り上げと肩を並べる専用周辺機器って・・・
新しいリモコンの形の提案
地上波デジタル放送ではチャンネル切り替え時の画面更新が遅い。
つまりザッピング(チャンネルをカチカチ変えること)がやりにくくなる。
そうなると、使い勝手のよいテレビとは、今までように「とにかくチェンネルを変える」のではなく、
「事前に番組表でどれだけ希望のページを見つけられるか」になる。
実際にtorneでは「チャンネルの順序切替」が存在しない。
まずチャンネルリストを表示させ、番組表の情報を見せてから切り替える。
DSC_2484 / matsubokkuri
(torneで画面下に番組表を表示した状態。ここでチャンネルを選択して切り替える)
このため無駄なチャンネル変更をできる限り減らし、ストレスがないように工夫している。
固定概念に捕らわれず、地上波デジタル放送の特性を考えると、リモコンの進化形は
「番組表などのデータを表示するリモコン」になる。
イメージとしてはカラオケボックスのタッチパネル検索・予約システム「デンモク」の簡易版。
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今のテレビは差別化できずに価格競争になっている。
「リモコンにお金はかけられない」という話になるだろうが、むしろリモコンを「コントローラ」にして高付加価値化してはどうだろう。
テレビの大画面はあくまでメイン画面であり、タッチパネルは操作だけでなく、データ放送も受信するサブ画面として使えばいい。
それによってストレス無くテレビが見られたり、より良い情報が得られるなら差別化にも繋がるんじゃないか。
進化したリモコンへの布石
SONYは従来の赤外線式から、無線式のリモコンへの置き換えを提案している。
写真はその第一弾「おき楽リモコン」
無線式なら「テレビに向ける」という作業が必要ないので、四角くして置いて使うリモコンになる、というのがSONYの提案。
この段階では普通のリモコンの形を変えただけだが、この次の段階ではタッチパネル式にすることは十分考えられる。
(四角形状でボタンは押しにくい。タッチパネルの方が操作系としては相性が良い)
ゲーム機じゃない!家電としてのタッチパネル操作系
ゲーム機として何がやりたいかわからん!という事で以前酷評したが、・リンク → 革新的技術による価格破壊:4・ゲーム業界の次世代機
「家庭のコントローラ」として、テレビやエアコンなどの総合コントローラとなるならあの形はアリだと思う。
ただその方向性はWiiでもやろうとして失敗していること(Wiiの間)なので、期待はしていないが。
ということでいくつかリモコンの形を提案した。
地デジ化はチャンネル数や高画質化だけではなく、「チャンネルの切替が遅くなる」という弊害を内蔵している。
そこにきちんと向き合えば、リモコンの操作系の形も変わるはず。
テレビの付属リモコンは今までの慣習を抜け切れていないように見える。
録画機能を内蔵するぐらいなら、使い勝手の良いリモコンで差別化を訴えてはどうだろうか。