ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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地デジ時代のリモコン【問題提起】

地上波デジタル化は思った以上に混乱無く推移。地デジ化はアメリカで移行実績があるとは言え、あちらはケーブルテレビが主流。
地上波に大きく依存する日本での移行は世界的にも注目が高かったそうで、まずはうまくいって何より

地デジカ、結構おデブ。 / bm.iphone

ところで地デジってわかりやすい?

では「わかりやすさ」という観点ではどうか。
アナログ時代にはチャンネルと音量、入力切替 程度だったリモコンも今ではこんな感じ。
(ちなみにコレは我が家のリモコン)

  • SONYのテレビリモコン。

  • CATVのSTB(セットトップボックス)用リモコン。Panasonic


一時に比べれば頻度の低い機能を隠して幾分シンプルになったが、それでもボタンが多い。
なぜこんなにボタンが多くなるのか。
ボタンが多いことが、わかりやすいとは思わない。なぜこうなるのかを考える。

わかりにくい二つの理由

テレビのリモコンがわかりにくいのは主に二つの理由が考えられる。
「この機能を入れたい」という+αによる機能追加と、
「いや、でも昔からのユーザーにもわかりやすくしないと」という過去からのしがらみを両方取り込んでいるから。

有り余る高機能

地上波のデジタル放送化は世界の流れだが、デジタル化でどうなるか、は各国で考え方が異なる。
日本方式は「高画質と多チャンネルの両立」が目的で、
まず従来のアナログ放送地上波デジタル放送BS放送CS放送と4方式の放送を受信に可能になっており、
さらにデータ通信機能やアクトビラ等のネット機能もある。

日常お世話にならない所では緊急災害警報機能が通信仕様としてちゃんと標準化されていたり、
とにかく高機能


その結果リモコンにも色々な機能ボタンが必要になる。
どちらのリモコンでも共通している機能ボタンの一例は以下の通り。

  • 番組表
  • カーソル+決定ボタン
  • データ放送表示ボタン(dボタン
  •  ボタン
  • 放送切り替え(地上波・BS等)
  • インターネット接続
  • 12Chキー
  • チャンネル直接入力
  • 入力切替・電源など


そりゃこれだけの機能に対応すれば、これだけのキーが必要になる。
しかも問題なのはこの機能が機器の差別化になっていないこと。
日本の規格で乗せなければいけない(乗せることが推奨されている、メーカーが乗せたい)機能なので、
「あって当たり前」の機能で、他社との差別化にはなっていない。

過去のしがらみ

例えばリモコンにはチャンネルのボタンがあるが、どのメーカもチャンネル数は12チャンネルだと思う。
これは仕様上12Chまで設計されているからだが、実は11Ch、12Chは地上波でほぼ放送されていない
(唯一の例外は群馬を中心とした12Ch「放送大学」)
つまり、地上波を見るならリモコンは10Chでまず問題ない


12Chという数字は従来のアナログ放送の遺産。
アナログ放送時代は、例えば4Chの次に5Chを放送すると電波が干渉してうまく受信できないため、一つあけて6Chで放送していた。
昔のチャンネルが「一つ飛び」だったのは電波を効率よく受信するため。
デジタル放送ではこの心配は無いので1Ch2Ch3Chとチャンネルを詰めて使える。
そのため従来と同じチャンネル数なら、11Ch12Chは使わないで良いはず。


このキー配列で問題になるのは、「チャンネルの直接入力」時。
デジタル放送のチャンネル数は規格上999Chまで設定できる。
当然、一つ一つチャンネル送りするとキリが無いので、チャンネル数を入力することになる。
ここで、キー入力は「10」Chが「0」入力になる。
携帯電話では「0」という文字が真ん中にありわかりやすいが、テレビのリモコンは表示が「10」にある。
これは直感的ではない。

個人的には「11Ch」を排除して、「0」にしたらどうかと思うんだが、どうだろう。

どうしたらいいのか?

機能の多い日本の地上波デジタル放送だが、機能が多いからといって全機種が全機能に対応する必要はない。
極端な話、「このテレビは緊急地震速報に対応していません」という判断があっても良い。
(実際、携帯電話では、iPhone緊急地震速報に対応していない)
今の「フルスペックテレビ」に対して、「簡単・高速動作テレビ」は確実に需要があると思う。
そのため、「わかりやすさ」の方向性も高校生や20代の新しい物好きと、80歳で一人暮らしの高齢者では全く異なる。
地デジも完了したので、そろそろユーザーに合わせた色々な方向性が出てきても良い頃かと思う。

このままいく

正統派でこのまま進化する、という方向性。
Panasonicはこの方向性で「ボタンの視認性を上げる」「不要なボタンを隠す」などで使い勝手を向上している。
もうこの形に慣れてしまった人も一定数いるはずなので、この形を継続するという王道はSharp/Panasonic等は進めざるを得ない。

必要な機能だけのリモコン

最近は高機能を反省し、購入時に「簡単リモコン」が付いているテレビがある。
ただ現在の簡単リモコンは、「何かあったら高機能リモコンを使ってください」という前提で、機能を絞りすぎている。
基本的にはテレビが見られるだけ。
しかし、ユーザ調査では天気予報やニュースを見るために7割のユーザがデータ放送を見ているという話もあり、
この部分を切っている簡単リモコンは仕様が不親切すぎる。
・リンク → 地上デジタル放送の利活用について ―香川県の情報化の現状と今後の地域情報化への取組みー 報告書


簡単リモコンがなければ、プログラムリモコンがある。

audio-technica テレビ専用リモコン ブラック ATV-577D BK

audio-technica テレビ専用リモコン ブラック ATV-577D BK

プログラムリモコンは初期設定に手間と知識が必要だが、それをやれば理想的な自分用リモコンを作れる。
今後はメーカーが「自社の考える理想的なリモコン」を提案するべきだと思う。

新しいリモコンにする

ではこの常識に捕らわれないリモコンの形とは?
テレビメーカーが扱う商品(二例)で、従来の常識にこだわらない事例を挙げる。


・リンク → 新しいリモコンの形【解決策】