ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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トレーラーハウスの可能性

ソースがテレビで、数字が確認できないので日曜のコラムとして。


震災後 トレーラーハウス や キャンピングカー の出荷台数が増えているらしい。
理由は「安心だから」
いざというときに「家ごと逃げられる」のは、災害を考えると安心だということ。
気持ちは分かるが、いざ避難すると大きい道しか通れない車は、思い切り渋滞に巻き込まれそうだけど・・・

Cool truck and trailer - HDR / Serge Melki

トレーラーハウスとは何か

トレーラーハウスとは「巨大なキャンピングカー」と考えれば良いと思う。
コンテナの代わりに、家を丸ごと乗せていると考えれば大きく間違っていない。
わかりやすい図解はこちら。

こちらのサイトから転載させていただきました。
・リンク → トレーラーハウスと住宅の違い


日本では全然売れておらず、出荷台数を出そうとしたが、統計データが無い。
ちなみにアメリカでは6%がトレーラーハウスとのこと。(ソースはテレビ番組のコメント)
それも当然で、日本では購入に際して二つの大きなハードルがある。

  • 法的根拠が不明確
  • 道路が狭い
法的根拠が不明確

日本ではトレーラーハウスが建築物か車かが決まっておらず、地方自治体毎に対応が違うらしい。

建築基準法では
「建築物 : 土地に定着する工作物のうち、〜」
という前提があり、これに従うとトレーラーハウスは移動できる(土地に定着しない)ため「建築物」にはならない。


どうも調べても色々な見解や「通達」があり、どれが最新なのかわからない。
この辺の「面倒くささ」がトレーラーハウスの普及の障害になっているのは間違いない。
たとえトレーラーハウスが便利でも、「県境を越えたここからは停車が認められない」では買う気にならないのは当たり前。

道路が狭い

アメリカと事情が異なるというと、道路事情がある。
日本には狭い道や入り組んだ道が多く、トレーラーハウスが移動できる場所にはかなり制限がある。

Narrow Road / emrank

例えば引越の際にトラックが手前の坂で擦ってしまい、横付けできなかったような我が家ではとてもムリ。
「アメリカで普及したんだから日本でも」
とはならないのは、ある程度は当然と言える。

日本なりのトレーラーハウスの使い途

そんなトレーラーハウスだが、最近は面白い用途が出てきている。
やはり震災関連だが、被災して復旧もままならない地域に、トレーラーハウスで「屋台村」が作られている。

・リンク → ホット横丁石巻
ちなみにトレーラーハウス製造・販売会社による現場レポートでは、一歩外に出るとこんな状況らしい。

・リンク → トレーラーハウスで被災地復興支援
こんな環境の中でいち早く店舗運営ができるのは、トレーラーハウスならではとのこと。


このほかにも仮設住宅として」トレーラーハウスを使う例も出ている。
・リンク → 日本トレーラーハウス協会 石巻のNPO法人に無償貸与 − 物流Weekly

新しいトレーラーハウスの使い方

法的整備をどうにかしろとは思うが、どちらにせよ日本の住宅事情では「家」としてトレーラーハウスを持つメリットは薄い。
個人の家の前にトレーラーハウスがいけるかは結構厳しいと思うからだ。
それより、「移動店舗」としてのトレーラーハウスには、将来性があると思う。



・リンク → つくばラーメン村 オープンいたしました − トレーラーハウスデベロップメント株式会社
筑波でトレーラーハウスのラーメン屋村を作って、成功した事例がある。
この会社はこの移動店舗を商品として売り出したいということで、実際にこの店舗で出店している会社もあるらしい。
費用は500万円。
安い。


この移動店舗、定期的に巡回すれば面白いんじゃなかろうか。
都心で広いスペースを空けるのは難しいが、田舎では課題が「土地はあるが客が来ない(集客性が低い)」となる。
こんなところを全国で複数集めて、色々な移動店舗が何週間かごとに巡回してキャラバンすれば良い。
移動店舗なら安いし、顧客からしても目新しいので飽きずに遊びに行ける。
ただ、店員まで移動すると彼らの生活が大変なので、
簡単な訓練で店舗運営ができるようにしておけば、その土地土地でバイトなりパートを雇えるので雇用促進にも繋がる。
面白いと思うんだけどなぁ。