「ワンナイト人狼」と「人狼ビギナーズ」に関する記事についての修正声明
先日公開し、反響を頂いたこちらの記事について
- 事実誤認があるのではないか
- 間違った結論に誘導しているのではないか
というコメントを頂きましたので、背景を確認し、内容を修正させて頂きます。
事実誤認があるのではないか
私は「人狼ビギナーズ」を発売したTakeTaleTable様のこちらの記事について
「何度も申しますがゲームのルールはそもそもアイデアであり、原則として著作権等の保護の対象とはなっていません。」という一文に対して、「ルールは著作権の保護対象となってはいないが、それを言ってしまうと全てのライセンスは成り立たない」と反論しました。
この点については今でも認識を変えるつもりはありません。
しかしこの前後の文脈を考えると、この一文は「ライセンスを要求される要件を満たしていないのに、要求されている」という前提条件が合ってのことだと受け取れる、というご指摘を頂きました。
より詳細について調べていたのですが、それと前後して非常に詳細な経緯説明が出されましたので、こちらの引用をもって説明に変えさせて頂きます。
ここから、全体とまとめると上記の文章には「商標(法的根拠あり)について要求があり、その対応を行う中で、ルール(商標外の部分で法的根拠無し)についても要求があったが、それは法で保護されていない」といった背景があったと解釈できます。
これについての意見はこちらのツイートがまさに私の意見を代弁されているので、引用させて頂きます。
一応こうした記事に取り上げられてしまったので、今まで明記しておりませんでしたが人狼界隈の話題について私見を。
— EL-CO (@EL_CO4tw) December 5, 2018
ルールがパクリか否かについては判断できませんしするつもりもありません。私が問題としたのはルールの流用に関する議論の中で著作権を持ち出す行為自体です。
本来はデザイン意図・実装されたシステム・それによるプレイ感の違いを明らかにしてオリジナリティを主張するべきところだったのではないかと思います。そこで著作権の話を出されると、うん、ルールは著作権では保護されていないけれど不文律でマナーを守っていきたいよね、としか返せない。
— EL-CO (@EL_CO4tw) December 5, 2018
その上で今回の争点はルールやシステムの類似性ではなく、「ワンナイト」という語句の使用ではないかと思っています。というか「ルールの類似」と「ブランド」は別々に独立して議論すべきところが混ざってしまったのが問題。そのあたりもうちょっと生産的な議論になると良いと思うんですけどね。
— EL-CO (@EL_CO4tw) December 5, 2018
「本来はデザイン意図・実装されたシステム・それによるプレイ感の違いを明らかにしてオリジナリティを主張するべきところだったのではないかと思います。」
がまさにこちらの「商標出願について」においてTakeTaleTable様に書いて頂きたかった部分です。
また、「ライセンスに法的根拠は無い」「ルールは法的に保護されない」というのは、私にとっては「当たり前」のことで、逆に、その法的根拠の無いはずのライセンスを強要する(と少なくとも当事者の一方は解釈した)状況は想定外でした。
ここから、上記の文章の解釈が偏っていた、と言われても仕方ない結果となりました。こちらについては私の読解力不足です。申し訳ありません。
間違った結論に誘導しているのではないか
こちらは純粋に私の文章力の起こした問題です。
「これ自体がパクりかどうかについて、この場で詳細を分析するつもりはありません。」と記載していましたが、「『人狼ビギナーズはパクりだ』と誘導しているように見える」というご指摘を頂きましたので、こちらについてが本文中に追記を行いました。
なお、ルールの相違性についての解釈は引用させて頂いた nkentsukimiyaさんと同じ解釈です。
「ワンナイト人狼」「人狼ビギナーズ」はどちらも「人狼」から派生したルールであり、「ワンナイト人狼」から「人狼ビギナーズ」が派生したとはルールを見ても考えにくいです。
言ってみれば、「どうぶつしょうぎ」が「はさみ将棋」を訴えるようなイメージでしょうか。(もちろん今回はルールでは無く商標面の争いらしいので、争点はまた別らしいですが)
その後の確認と修正について
今回の騒動の一端を担ってしまったということで、「ワンナイト人狼」様、人狼ビギナーズの発売元「TakeTaleTable」様双方にリプライで問い合わせを行いました。
現時点で「ワンナイト人狼」様からはご連絡を頂いておりません。
「TakeTaleTable」様からはリプライでなくメールにて回答を頂きました。
メールの内容自体は直接のやりとりのため公開いたしませんが、経緯については下記記事の内容を参照する形で問題ないとこと、謝罪を求めるつもりは無い旨を回答頂きました。
「炎上」という言葉をメールでも使用されており、おそらくは多くの問い合わせなどを受ける状態になっているのではと推測されます。
今回の件について「ペンとサイコロ」として
法的根拠の無いライセンスではあるが、業界としてそれを守って欲しいというスタンスに変わりはありません。
しかしながら、本件についてはそもそも商標についての戦いが先にあり、その中でのライセンス範囲についての発言であるということから、上記記事の経緯を踏まえ、TakeTaleTable様がライセンス料そのものを認めないわけではないと考え、「不買の呼びかけ」については取り下げさせて頂きます。
混乱を招いた点について謝罪させて頂くと共に、数々のコメントを頂いた皆様に改めて感謝いたします。ご指摘を頂き議論を進めなければ自分の解釈間違いの可能性や、誤認を招く文章に気がつきませんでした。
(またそもそもの認識に間違いがあると、Twitterの文字数で議論をするのは難しいことも痛感しました)
なお、先の記事については、経緯が分からなくなると余計に混乱を招く上、隠滅の意図があると思われても困りますので、記事内に修正を行った上、こちらの記事へのリンクを貼ることとします。
また、本記事はTakeTaleTable様側の肩を持つ意図はありません。
商標やライセンスについて双方が正当性を主張されるのは当然なので、それは当事者間でやりとりし、判断頂くことです。
今回はあくまで上記の引用部分の解釈と、その見解についての記事です。
今後とも「ペンとサイコロ」をよろしくお願いいたします。