神戸ヘボコンに参加してきた!(娘が)
三連休の二日目、10月8日(日)に神戸で「第二回 神戸ヘボコン」が開催されていたので参加してきました。
今回、新作ボードゲーム「卓上・ヘボコン」でイラストをお願いしているタナゴさんが主催ということと、ゲームを出すからにはちゃんと出場しないと、という使命感とが組み合わさっての参加でした。
とはいえ、「ヘボい」がテーマのこのイベント。下手に自分が出ると小賢しい小細工ばかりをしてしまうことは目に見えていたので、本人の希望もあり、今回は娘が参加。
何を買って使うか、どんな飾りをするか、どんな名前にするかなど全部娘に任せました。私は本当に動かなかったとき・組み立てられなかったときのヘルプのみ。
娘の期待はこれ。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) 2017年10月8日
「猫とネズミの大レース号」#ヘボコン #神戸ヘボコン pic.twitter.com/hPpH3faUr6
期待→機体 ですね。誤字すいません。
猫は良いとして、何が「ネズミ」かって言うと、この貼り付けられている基板が「マウス」の分解基板です。分かりにくいわ!
娘にとっては初めての動くキット制作で、何度も癇癪を起こしながらなんとか組み立てていました。
こちらはデコレーション段階。
ちなみに前面のシャベルは配線不良で動きませんでした。直してやっても良かったんですが、ヘボいからそのままで良いかってことで放置。
大会のほうははバタバタとしながらも一試合一分という制限からか、かなりサクサクと進み、終わってみればあっという間、という印象でした。
負けました。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) 2017年10月8日
当日飛び込みはシード枠という謎ルール。
理由は「着いてから作る時間が必要だから」。
勝ち負けを最重要視しないことがお分かりいただけるかと思います。#ヘボコン #神戸ヘボコン pic.twitter.com/SD3Hiz6v8g
娘は試合としては一回戦敗退でしたが、そのあとのエキシビションマッチ(と称した試合スペースの解放)で何度か対戦し、そこで勝てたので大満足だったようです。
参加者にはやり過ぎ感溢れるコスプレあり、
もうロボットどうでもいいやと言うインパクト。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) 2017年10月8日
ちなみに試合は小学生に圧勝して大ブーイングでした。#ヘボコン #神戸ヘボコン pic.twitter.com/ggx503bo5J
超造形でまともに動かず一回戦敗退なのにその強烈なインパクトで最優秀賞である「最ヘボ賞」を受賞する人あり、
「神戸ヘボコン」最ヘボ賞は、サルヴァトーレ=ダリ・ノガレ=アケミさんのロボット「ティファニーでお夜食を」が受賞!
— 神戸経済新聞 (@kobekeizai) 2017年10月8日
戦う前に自爆したヘボさが良かったのか、投票でダントツでした。
【関連記事】https://t.co/bSXF1gHZgc#神戸 #ヘボコン pic.twitter.com/xS6FTSGguS
もちろん機体としても「各タイヤに直結したモーターに直結した電池をON/OFF」することで駆動する謎設計のマシンあり
と終始笑いと驚きの絶えない空間でした。
ちなみに私はこの機体が一番お気に入りだったんですが、「本来3Vのモーターに1.5V電池直結」+「本来4輪駆動させるところを1輪だけ駆動させる」の相殺で「なんとか動く」という怪しさ満点の設計。しかも使っているモーターはミニ4駆用ですが、全部別型式のため「トルクも回転数も全部違います(制作者)」とのこと。
このコメントと設計を見れば分かりますが、これ、子共はともかく大人は考え抜いて「ヘボいロボット」を設計してる(人もいる)んですよね。
「技術力の無い人のためのロボット相撲」がヘボコンのコンセプトなので、技術力の本当に無い人が参加するのかと思っていたら、全然そんな事は無かったのが今回参加させて頂いての一番の驚きでした。
実はヘボコン公式サイトには、こうあります。
ヘボコンは「技術力の低い人のためのロボット相撲大会」ですが、あなたがもし優秀な技術者であったとしても、がっかりする必要はありません。
自分の得意分野の技術や知識をすべて忘れ、やったことのない方法だけを使えば、あなたは初心者になりきってヘボコンに参加することができます。Arduinoでサーボモーターを制御する方法はもちろん、半田ごての使い方や、電圧と電流の違いなど、すべて忘れましょう。自分が8歳の頃に戻ったつもりで、ロボットを作りましょう。「いかに技術を使わないか」に集中して、いちども見たこともきいたこともない突飛なアイデアだけを試してください。それがうまくいかなければ、あなたはヘボコンの出場資格があります。決して完璧にうまくいくまで試行錯誤しないでください。技術が洗練されてしまったら、それは「ヘボ」ではなくなってしまいますから。
これ、読んだ時には実感がわかなくって「そう言われても・・・」となったんですが、大会を実際に生で見たことで、ここで言っている意味が分かりました。
「技術力の低い人のためのロボット相撲」は、「誰でも楽しめるためのロボット相撲」の言い換えなんですね。
試合は試合だから、普通に勝敗があって、トーナメントが進みます。
しかし、そこで出場者に大事なのはいかに「見せるか」であり、そこで観戦者に求められるのはいかに「楽しむか」なわけです。
ここにはロボットの試合というより、大道芸と観客のような関係性がある気がします。
大人だけじゃありません。
隣の席になった男の子は、 「家ではArdunoでプログラムもしてますが、ヘボコンに併せて性能の低い機体を作るのに苦労しました」とのこと。
おお、格好良い。
大会終わって出場ロボットの集合写真。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) 2017年10月8日
ガラクタ置き場にしか見えないのはナイショだゾッ!#ヘボコン #神戸ヘボコン pic.twitter.com/oCgOeVFm1O
ブレちゃってますが集合写真。
先に「大道芸と観客」と言いましたが、大道芸と異なるのは、見る側に「楽しませてくれよ」という上からの感覚では無く、「よし、楽しんでやるぞ」という非常に前向きな、同じ目線の感覚があることです。
会場でちょっと両面テープが必要になったら、どこからともなく誰かが両面テープを、別の誰かがはさみを差し出してくれます。
前面プロジェクターの画面や音声の操作をしているのは「一般の方」(司会)です。
誰もが暖かい場作りを、あれだけの人数が参加しながら実現出来るというのはなかなか奇跡的なことだなぁと思います。
実際、小規模なイベントやマイナーな趣味ではそうした物も多いのでしょうが、ヘボコンはそのコンセプトで世界20カ国以上で開催されているワケです。
このスケール感はなかなか凄いなと思います。
翻って自分のテリトリーでもあるボードゲームを鑑みると、同じようにボードゲームの制作者とプレイヤーも「大道芸と観客」の関係になぞらえられるのでは?と思いました。
私が制作者サイドの人間なのでそちら側の発言に捉えられてしまいます。それでも敢えて言わせて頂くと、ヘボコンを見た後だと、ボードゲームは制作者に対して風当たりが厳しい人が多い感じがします。
制作1日のヘボいロボットを皆で拍手喝采するヘボコンに対して、ボードゲームは制作何ヶ月の力作をあれやこれや言う人がどうしても悪目立ちしてしまいます。
もちろんお金を出して購入された以上何を言うのも自由ですが、悪いところを言うより、良いところを褒め合う方が楽しいよなと、改めてヘボコンに出て感じた次第です。
ヘボコンは来週には大分ヘボコンが、
その他各地で開催されていますので、ご興味のある方は一度のぞきに行かれてはいかがでしょうか。
もちろんYouTubeでもたくさんの動画がアップされていますが、試合だけでなく、あの会場の雰囲気を味わうとまた格別の楽しさがあります。
そして、可能ならぜひ参加してみて下さい。
準備時間が無い?
大丈夫。おもちゃコーナーと100均に行く時間さえあれば、あとはできる範囲で作ればOKです。
エキシビションマッチ。謎の生命体vsジバニャン! #神戸ヘボコン pic.twitter.com/T5FIbTCu8T
— だいち (@daichi3180) 2017年10月8日
ちなみにこれがエキシビションマッチでの娘とタナゴさんの息子さんとの対決。
時間を掛ければ性能が上がるわけではなく、より「何か」が増えてカオスになるというお手本のような機体です。(ちなみにこれで世界大会準優勝)