ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

ゲームマーケット2017神戸報告と就業支援と

遅くなりしたがゲームマーケット2017神戸、お疲れ様でした。

今回は過去例になくバタバタしていたため、ご迷惑をおかけした部分もあるかと思いますが、まずはご訪問頂いた皆様、ありがとうございました。

今回は社会福祉法人「ぷろぼの」様との共同出展でしたが、改めてその経緯や目的を含めてご紹介させて頂きます。

 

「ぷろぼの」様との出会い

奈良障害者芸術祭で「障害があっても遊べるゲームを作ろう」「障害がある人も一緒にゲームを作ろう」というワークショップにあたり、アドバイザーとしてお声かけを頂いたのがきっかけでした。

roy.hatenablog.com

主催は奈良県、ワークショップの開催は奈良の社会福祉法人「たんぽぽの家」様、「ぷろぼの」様の二団体。
イベントの主催は実績があるのですが、ゲーム作りには知見がないということで
奈良でボードゲームを扱う「よしだTOY'S」のよしださんを介して依頼を頂きました。


「ぷろぼの」様とゲーム

ぷろぼの様では、事業の一つとして「障害者の就労支援」を行われています。
障害者のための活動と言ってもアプローチはたくさんあり、デイケアのようなサポートだけをおこなう場合もあれば、授産所として業務を請け負い、その作業を障害者に依頼する場合もあります。
就業支援では就業のためのスキルアップを主としており、パソコンや撮影技術といった技術スキルの他に、コミュニケーション能力を伸ばす療育も行われています。

 

ここでボードゲームが出てきます。
アナログゲームを遊ぶ事でコミュニケーション能力の向上をはかる「アナログゲーム療育」を、松本太一さんが行われています。


目的は就労支援のためのコミュニケーション能力改善なのですが、それを通して、
ぷろぼのの職員、利用者(就業支援をうけている方)の皆様が「自分たちでもゲームを作りたい」となったそうです。
こうして、「ゲームを自作して販売する」という新しい目標ができ、それが今回の出展に繋がりました。

※ちなみに松本太一さんには以前、拙作「コロポックル 見~つけた!」を寄付させて頂いていました。ぷろぼの様との繋がりがあるとは知らず、今回このワークショップを通じて始めて実際にお会いする事ができました。

世の中、何がどう繋がっているか分からないものです。

 

就業移行支援という限界

「ぷろぼの高の原」様の行われている就業移行支援は、二年という期限が決められているそうです。
(よく似た名前で「就労継続支援」というものがあり、こちらには期限は無いとの事)
このため、利用者の皆様は期限付きで必ず入れ替わります。
ゲームを作る目的の一つに、「自分たちが活動した形を残したい」という想いもあるというお話でした。
何かを勉強したというだけでなく、それを商品という形に残す。
それが今回のゲーム制作という形になったそうです。

ゲームマーケットの感想

実際に就業支援といっても、机上の勉強や訓練だけではなかなか実感を掴めません。
ゲームマーケットというイベントで、実際に自分たちの作った物をPRして販売するという経験は、とても有意義だったと事業所長の橋本様から感想を頂きました。

非常に厳しい、失礼な言い方を敢えてさせて頂くと、福祉業界ではその収入の多くを補助金に頼らざるを得ない企業・施設も多いと伺います。

補助金は施設の利用者や障害の度合いで決まるため、利益だけを考えると「何かをする」ことより、コストを削って人を集める事に向きかねません。
(悲しいかな、実際にそうした悪い事例を記事やニュースで見かける事もあります)
その中で、障害者自身で商品を作って売るというスタンスは、ご苦労も多いでしょうが非常に前向きな発想です。
ちなみに、先の障害者芸術祭でご一緒した「たんぽぽの家」様は障害のある方々の芸術活動を支援されています。
こちらも障害のある方が自ら稼ぐ形を探されている訳で、非常にアグレッシブな活動です。


「ペンとサイコロ」の関わり

今回のゲームマーケット共同出展で分かりにくい部分もありましたので、改めて「ペンとサイコロ」の関わり方をまとめます。

ぷろぼの様の「ゲーム制作」に「ペンとサイコロ」はタッチしていません。
試作案に対してコメントはしましたが、ルール・デザイン・制作は全て「ぷろぼの」様による物です。

ゲームマーケットの出展費用は「ペンとサイコロ」が多めに負担しましたが、初出展の「ぷろぼの」様に対してのサポートはそれぐらいです。
実際の参加人数では「ペンとサイコロ」が私一名に対して、「ぷろぼの」様が六名。人員的にはものすごく助けて貰いました。

 

ボードゲーム界隈はまだまだ市場も小さく、マニアックな業界です。
その中での宣伝には業界を知る人間がいる方が圧倒的に効率的です。
「ペンとサイコロ」としては、そうした販促面のサポートのみをさせて頂きました。
(そのために誰が作ったかが分かりにくくなった点は、混乱を招いたことを改めてお詫びいたします)

 

ぷろぼの様の第一作、「ノームと幻術の森」の通販を行います。

そんな「ぷろぼの」様の第一作「ノームと幻術の森」を「ペンとサイコロ」の通販サイトでも委託販売します。


ゲームの内容はゲームマーケットでご紹介されていますので、そちらをご参照ください。

繰り返しになりますが、ゲーム制作は「ぷろぼの」様です。
「ぷろぼの」様としてもFacebookページやtwitterアカウントを開設されていらっしゃいますので、
ご興味をお持ちの方、内容についてご質問のある方はぜひこちらもフォローください。

ぷろぼの高の原-Facebook

また、私の知る限り奈良のゲーム制作者は私とN2さん(サザンクロスゲームズ)に次いで三人目。
奈良のボードゲーム界隈もこうして少しでも盛り上がってもらえればと願って止みません。