ポストカードゲームという挑戦とその結果について
ゲームマーケット2014秋では、非公式企画として「ポストカードゲーム」という試みがありました。
ゲームマーケット2014秋 非公式企画「ポストカードゲーム!」競作参加者募集 - TwiPla
簡単に言うと、「はがきとして投函できるもので、どんなゲームができるか」という企画です。
こちらのサイトで参加表明したサークル数は35ですが、その後に参加した所もあり、最終的な数字は正確には不明です。(おそらく40程度?)
先だっての報告の通り、私も「陰陽賽(おんみょうさい)」というゲームで参加しました。
※このゲームについて誤植がありましたので、記事の最後で修正報告をさせて頂きます。
さて、このポストカードゲームについて、ゲーム制作者同士で「交換しませんか?」というイベントが別途進んでいました。
GM2014秋「ポストカードゲーム!」競作参加者の方へ 自作ゲーム交換希望者募集 - TwiPla
こちらにも参加させていたところ、集まったゲームは合計37作!複数製作されたサークルもあったため、参加サークル数より多くなっています。
複数・・・まったくそのバイタリティには脱帽です。
ポストカードゲームの傾向
さて、37作品もあるので、ある程度中身を分類してみました。
なお、パーツについて「人数分用意する」とある場合は、プレイ最大人数で計算しています。
プレイ最大人数が不明なものはルールから読み取って推測しています。
・使用するポストカードの数
1枚・・・25作品
2枚・・・7作品
3枚・・・2作品
4枚・・・1作品
5枚・・・1作品
6枚・・・1作品
・使い捨て
5作品
・ハガキとして使用することでゲームが成立する
3作品
ポストカードゲームとして、本当にハガキ一枚で成立するゲームが圧倒的に多く、私の作品(ハガキ5枚使用)というのは少数派でした。みんなスゲえなぁ。
ただ、「ポストカードゲーム」をうたうものの、実際にハガキとして使用する前提のゲームは3作品のみ。「ポストカードサイズ」という大きさは制作側にとって良い制限事項となったものの、「ポストカード」というシステムは私含めほとんどの作品で使用されていないことが分かります。
・ダイスを使用する
16作品
1個・・・2作品
2個・・・4作品
4個・・・2作品
5個・・・2作品
6個・・・1作品
10個・・・1作品
12個・・・1作品
16個・・・2作品
24個・・・1作品
・チップ・コイン等を使用する
18作品
3個・・・1作品
4個・・・2作品
6個・・・1作品
9個・・・2作品
10個・・・3作品
11個/18個/20個/24個/40個/48個・・・各1作品
不明・・・3作品
・トランプ
3作品
ポストカードゲームの規定では「サイコロなどは同梱しなくても良い」となっており、プレイヤーが自分で用意する事とされていました。
これが制作側にとって非常に助かったのは事実ですが、とはいえご家庭に気軽にサイコロやチップが大量に余っているわけでもなく、「手に入れたはいいけど遊べない」という方がいらっしゃらないかは気になるところです。
ちなみに私のゲームはサイコロを4色×各4個で計16個使用します。
ご家庭にこれだけのサイコロが無いのは明確だったので、自前で揃えようとしたものの、輸入が間に合わず揃えられませんでした。
先方からは出荷済みの連絡があるので、多分今も海の上か、税関で止まっているのだと思います。
「買ったはいいけど遊べない」という方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありません。
ポストカードゲームの「次」
ポストカードゲームは非常に面白い試みでしたが、制作側として有り難かったことに「箱を作らなくても良い」「部品(コンポーネント)を用意しなくて良い」というのがありました。
ゲームを作るにおいて考えなければいけないことはたくさんあります。
ゲームのルール(システム)はもちろんですが、同梱する部品(コンポーネント)、デザイン、ルールブック(説明書)、等々。
ゲームマーケット前の短期間にも関わらず、ポストカードゲームという企画にたくさんのサークルが参加できたのは、手間・納期・金銭面でも、この辺の準備をすっ飛ばせた点が大きかったと思います。
しかしリスト化して思ったことは、ポストカードゲームが、従来制作側の準備していた部品(コンポーネント)をプレイヤーに丸投げした企画になっていないかということ。
部品(コンポーネント)を同梱していたのは2作品だけ。うち、全部品が同梱されていたのはMoBGAMESさんの「ハジキュー」のみでした。
三色のおはじきが同梱されています
※そもそも追加部品を一切使わないゲームも複数ありました。念のため。
ならば次の企画として、例えば「共通部品(コンポーネント)」というのはどうでしょうか。
特殊なものを除くと、プレイヤーに用意するよう要求していたのは「ダイス」「チップ」「トランプ」の3種類でした。(筆記具は除く)
このうち一番用意するのが簡単なのは「チップ」でしょう。
きちんとしたチップならともかく、小銭でも代用できるので、ボードゲーム好きで無くても準備が可能です。(さすがに「48個用意すること」と言われると人を選ぶと思いますが)
逆に一番難しいのがおそらく「ダイス(サイコロ)」。
今回16個のダイスを使って分かりましたが、日本でダイスを購入するのは大変です。
意外に売ってないんだ、これが。
しかもボドゲで使いたい、ちょっと大きめの、色つきダイスとなるともう絶望的。
いいものがあっても一つ数百円となるとなかなか手も出ません。
新企画案:「ダイスゲーム」
そこで、共通部品として「ダイスセット」を販売する、企画はどうでしょうか。
大量購入で安くなったダイスを共通部品として販売し、購入者はこのダイスを「共通部品」として、企画に参加した「ダイスゲーム」を購入します。
例えば、ダイスセット5色×5個=25個 で 1000円。
私のダイスストック。自作していると増えます
(こんな金額で販売できるかは考えないで言ってます。仮の数字として)
各ゲーム制作者はこれ以外の部分を用意・販売します。
そうすれば500円で販売できるゲームもあるでしょう。
一つのゲームを買うだけならそこまでお得感はありませんが、二つ以上のゲームを買うと一気にお得感が増します。
本来なら一つ1500円~2000円していたゲームが、追加費用500円~1000円ほどで買えてしまう。
これこそ企画ならではの、お得感ではないでしょうか。
ボドゲ制作していて感じるのは、メーカ作品の部品(コンポーネント)の豪華さ。
部品の多いゲームの一例「マンションオブマッドネス」
もちろん豪華な部品がゲームの面白さに直結するわけではありませんし、シンプルな中でいかに面白さを表現するかはボドゲ制作者の腕の見せ所でもあります。
それでも部品の金額のせいで面白いアイデアが消えてしまうのは勿体ない。全部を救済できるわけではありませんが、部品の原価で諦めていたアイデアが、企画をきっかけに復活できればいいなと思います。
上に挙げたダイス5色×5個=25個というのは、今回のポストカードゲームで集まった37作品全てに対応できる数です。
色分けはゲーム中利用しても構いませんし、色を無視して使っても構いません。ダイスを全て使わなくても構いませんし、ダイスをダイスとして使わなくてもOKです。(駒として使う、重りとして使う等々)
過去の「500円ゲーム」、今回の「ポストカードゲーム」はどちらも安価に良いゲームを買っていただくアイデアかと思います。
初期投資が掛かるために、実現にはハードルが高いのは重々承知していますが、次回の新たな企画として「ダイスゲーム」企画があると面白いなと思った次第です。
このアイデア、賛同者いらっしゃいますか?
連絡:ポストカードゲーム「陰陽賽」について
プレイ頂いた方より、ルールに重大な記載漏れがありましたのでここで報告します。
- ダイスを配置した際、プレイヤーのハガキ(四神カード)が横倒しになっていれば、縦に直します
- ダイスを配置できるのは、空きマス(ダイスの配置されていないマス)のみです
1は完全な誤記です。(推敲の際に消していたのに気がつきませんでした)
2はこちらの認識ミスです。「言わなくても分かるもの」と勘違いしていました。
大変申し訳ありません。
修正したルールで楽しんで頂けましたら幸いです。