ボードゲームを作ってみよう
ゲーム自体を作り上げることが大前提になっているTRPG(テーブルトーク)程でなくても、ボードゲームでもゲームを自分たちでアレンジして楽しむことは多い。
それなら最初から作ったらどうだろう。そんな動機で最近ゲームを自作し始めた。ボードゲーム好きは毎週のように集まって日がな一日ゲームしているが、小さな子供がいると流石になかなか家を空けられない。そんな自分の趣味にもちょうどいい。
ペンとサイコロ
テレビ・スマホのゲームならプログラムの知識が要るが、ボードゲーム・カードゲームなら文字通りペンとサイコロがあれば道具は事足りる。
「のりりん」では「男は三十過ぎたら自転車」と言っていたが、いやいや、ボードゲーム考えるのも結構いい大人の趣味だと思うんだけど、どうかな。
ボードゲームの部品
ボードゲームにはどんな部品が必要か?
凝ったアイテムを除けば、大体次のような物になると思う。
- ボード
- カード
- タイル/チップ/トークン
- 駒
- サイコロ
- 箱
全部が必要なわけじゃなく、ボードやサイコロを使わないボードゲームもある。
買った方がいいもの
自作する、と言っても何から何まで作る必要は無い。
例えばサイコロは買った方が良い。ボードゲームの専門店でなくても、サイコロを扱っているオモチャ屋はあるし、探せば家に転がってるかもしれない。
買うなら16mm以上、大きめの物を。(クリックでAmazonに飛びます)
箱は適当な空き箱でいい。ティッシュの箱ぐらい家にあるでしょう。
売るなら駒は凝りたいところだが、自分で作って遊ぶならレゴか何かのパーツでも十分。無いなら100均で適当なオモチャでも何か買えばいい。
ボードの作り方
ボードは段ボール+コピー用紙で作ることができる。
もうちょっときちんと作りたければ紙を買ってきてもいいけど、Amazonや日本郵政の段ボールが転がってるならそれで十分だと思う。
壁一面を予備の段ボールが占める、のは自分だけか。
なんでこの二社かというと、どちらも段ボールの質が良いから。会社によっては柔らかかったり、ボロボロだったりする。もちろん郵送に問題は無いけど。自作するようになって、そんな段ボールの質に目が行くようになってしまった。
自分の使いたい大きさに段ボールを切り、デザインした盤面をコピー用紙に印刷し、段ボールに貼り付ければボードが完成する。段ボールは折れ目のない部分を使うこと。A4サイズぐらいでないと平らな部分を切り出すのは難しいと思うので、ボードの大きさもA4×何枚という設計になる。
ボードは表面にうねりや反りがあると乗せた駒が倒れてしまうので、キレイに貼り付ける必要がある。自分が使っているのは「スプレーのり77」というやつ。
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あるブログで紹介されていたのだが、紙と段ボールの接着には確かに良い。
スプレー糊なので、使う際には新聞紙を大きく広げて引いておく必要がある。あと、スプレーと用紙の距離が近いと糊がかかりすぎて紙が変色する場合があるので要注意。始めて使うときには、事前に同じ材質の紙で何度か練習しておいたほうが良い。
タイル/チップ/トークンの作り方
タイルやチップとは、ゲーム中で使用する小さな部品のこと。
四角・丸などの形で、「場所・建物」、又は「お金」を表したりする。
これも段ボールとコピー用紙で作れる。
自作チップ。左から35mm・30mm・20mm・φ20mm
貼り付けにはスプレーではなく木工用ボンドなどの接着剤を使う。
実際に貼り付けたのが写真下の青いチップ。30mmなら名前の他に二つ程度の情報が載せられるのが分かる。20mmになるともう限界で、せいぜい数字を書くのが精一杯。
その辺の感覚も、実際に作って、持って、遊んでみれば分かってくる。
カードの作り方
「自作するとボードは高いので、まずはカードゲームから」
という話は多いし、ボードゲームでもカードは必要なものが多い。
だからカード作りは必ず通ることになる。
「カードは普通にコピー用紙に印刷すれば良いんじゃないの?」
と思うかもしれないが、意外にそんな簡単にはいかない。
シャッフルできるよう扱いやすく、裏が透けないように硬さ・厚さが必要。それに加え、カード同士の区別が付かないように、裏面の形状・デザインが統一されていなければいけない。
これがカードに求められる条件なので、簡単なようで意外に面倒。
そういや彼の横井軍平さんも、任天堂入社直後の仕事は花札の糊を混ぜる機械の改良だったっけ。
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コピー用紙だけでは厚みも固さも全然足りない。家で厚紙を使って表裏の同じ位置に完璧に印刷するのは至難の業。
そこで、「スリーブ」と「カード」を用意する。
色スリーブ。安い。
スリーブ、とはカードを保護したり、装飾するための薄いビニールの入れ物。
最近はTCG(トレーディングカードゲーム)が人気なので、適当なカードを買い、更にそのカードゲームを仕舞うためのスリーブを購入すると良い。どちらもカードゲームショップで売っている。
TCGで遊ぶつもりが無いならカードの価値はどうでも良いので、安いカードを買えば良い。これなら一枚10円とか20円。まとめ買いならもっと安いのもある。このカードをスリーブに入れ、カードの前面に自作したカードを一枚入れる。
これで完成。裏から見ればTCGのデザインしか見えないので、ちゃんとカード同士の区別が付かなくなる。
実際の作業写真
実際にカードを作るとこんな感じ。
まずカードを印刷する。
自作第二弾ゲーム「ミスリルダンジョン」のカード
これを切り出す。ある程度数を切るにはこういうカッターがあれば便利。
何枚もあると下の方は結構位置がズレるので神経を使う。
でも普通のカッターとマットでも十分。
定規もマットも消耗品。カッターだけは大型の物を。
切れ味が悪いと形が歪むので、こまめに刃を替える方が良い。またカッターは下のようなちょっと大きめのタイプを使用する方が良い。これなら紙が多くても、段ボールでも安心して切れる。
また角を切り落とすと見た目にもいいし、傷みにくくなる。角を切り落とす専用の文房具、「かどまる」は高い物でも無いので、買っておくと良いと思う。
ただし一度に打ち抜ける枚数が少ない上、力一杯押す必要がある
で、できたのがこんな感じ。
「ミスリルダンジョン」のカード部分。
ここではきちんと印刷したものを例に挙げたが、最初は白い紙を切り出して手書きでやってもいい。
白いカード。最初は手書きでゲームの概要を考える。
金も場所も取らない趣味として、興味のある方は挑戦してみてはどうだろうか。