ブラウザでボードゲーム?できるよ。できるけど、
ボードゲームに興味はあるけど、周囲に遊ぶ人がいない。
そんな人に訊かれるのは「ネットでできないの?」ということ。
もちろんできる。
今日はそんな、ネットでボードゲームをする功罪について。
「BGA」で「バトルシープ」を遊ぶの図
ネットで遊べるボードゲーム
街全体をゲームの中に作れる昨今、紙と木のボードゲームを再現するなんて簡単なこと。
ネット黎明期からリバーシ(オセロ)、麻雀あたりはネットにあったし、今では新しいボードゲームも次々ネットで遊べるようになっている。
有名どころだけでもこんなにある。
通称BGA。 ブラウザで59種類(2014年5月現在)のボードゲームが遊べる。無料サイト。要ログイン。 |
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通称BSW。 |
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ブラウザで30種類以上のボードゲームが遊べる無料サイト。要ログイン。英語サイトなので、日本語は解説ページで調べましょう。 例えば「アグリコラ」なら |
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ブラウザで80種類以上のボードゲームが遊べる無料サイト。要ログイン。 |
等々。相変わらず日本はこういうの弱いね。ほとんど英語かドイツ語。
探せばまだまだあるだろうし、「カタン」や「ドミニオン」といった有名なゲームは専用ページがあちこちに乱立しているので、これも探せばすぐに遊べる。
この辺、著作権的にはどうなのか分からないか、とりあえずその辺はスルーで。
ネットでゲームのいいところ、悪いところ
ネットでゲームをする良いところはたくさんある。
- 無料(サービスに依るが、どこも無料が多い)
- いつでもできる(ゲームを細切れにすることも可能)
- どこでもできる(場所を取らない)
- 世界中の人と繋がれる
自分も誘われて「BGA(Board Game Arena)」を始めているが、ゲームの癖が合う台湾人がいたり、お節介に丁寧な解説を入れてくるカナダ人がいたりして面白い。
でも、最初からネットで始めるのは、個人的にはお勧めしない。
上に挙げたようなことなんて、ネットでゲームやってる限りはどれでも同じ。ゲーム中の交流や相手の顔・雰囲気が見えるなら、FPSや対戦格闘の方が余程上だ。
ボードゲームは「考えること」「悩むこと」が面白いところで、だからこそ対面が面白いのに、淡々とカードが流れていく様を見ても面白さは半減だろう。
例えば「桃太郎電鉄」。さくま あきらさんは「桃鉄はソシャゲで出さない」と断言していたが、確かに自分たちの遊んだ「桃鉄」はみんなでコントローラーを回しながらワイワイと騒ぐゲームだった。
見ず知らずの相手と、操作結果だけが淡々と流れてくるだけ?それだと桃鉄の魅力の半分も伝えられないんじゃないか。
一度はリアルでやってから
ネットに向いたゲーム、向かないゲームはあるが、少なくともボードゲームをネット上でやるなら、その前にリアルで遊んでからにして欲しい。
麻雀も古くからゲーム化されているが、人気のサイトでは「リアルさ」も売りの一つらしい。ここでの「リアル」とは「絵が綺麗」というだけでなく、「理牌(牌の並び替え)をするかを選べる」とか、そんな世界。要は「並び替えると牌が読まれるから、上級者は理牌しないもんだ」ってな理論を通用させちゃうらしい。確かにやらない人、いるよなぁ。
とにかくそんな人がネットでやる分には、そのゲームには「リアル」と同じ「重み」があると思う。
自分もそうだ。知っているゲームならネット上でも「空気」が読めるし、楽しめる。「あの人はこの時間で選択して、これを出した。ということは、戦略はこれか!」みたいな。
一人で、ネットでゲームを始めると、その辺の「空気」が勉強しにくいし、楽しみにくいんじゃないかな。自分も麻雀はゲームでやったのが最初だけど、リアルの麻雀をやって始めてゲーム性を理解できたし。
Wiiは当初「家の中でもスポーツできる」なんて言われていたし、実際にプロ選手がテニスなりをすれば強いんだろう。
しかしWiiしか知らない子供がWii Sportsでテニスをするとどうなるか?
テニスができるようにならないのは当然だが、体力も使わない。知り合いの子供は、体を動かさず、手首だけを振るようになったそうだ。
Wiiのコントローラは加速度センサなので、コントローラを振りさえすればいい。確かに理にかなっている。
「リアルのゲーム化」と「ゲームとして始める」の違いはそういう事だと思う。
ボードゲームをネットでやるメリットはたくさんある。
しかし、ネットから入るのは決してお勧めしない。
「タケノコ」のチップ、でけぇな、オイ。
とか、そんな事を感じた上で、ぜひ ネットの世界に踏み入って欲しいな、と思う。
ゲームとコンポーネント
ブロックや「ぷよ」が並べば消滅するゲームと違って、ボードゲームは並べる準備だけで三十分とかかかる様な物もある。
「 マンション・オブ・マッドネス」ゲームの準備の面倒臭さは別格
そういう「面倒くささ」を楽しむことも本当は魅力の一つだ。
部品(コンポーネント)について話し始めるとそれだけで長くなるので別エントリーにするが、分かりやすく言えば「ジェンガをブラウザ上で遊べるか?」ってことだ。
こうやって実物に触るから面白いわけで、厳しく言ってしまえば、そんな魅力を出せないなら、今の時代にボードゲームがわざわざボードゲームである必然性はない。
上に挙げたBGAでは「ニムト」が遊べるが、あれだってみんなが「せーの」で出したカードを開いて、並び替える時のドキドキと、みんなの叫びが面白いのだ。その雰囲気を知らずにネットにやったところで、さして面白くはない。
というわけで、結論としては「アナログゲームである以上、アナログを知ってからデジタルに行くがいいよ」ということ。
近くにゲーム相手のいない人には厳しい結論だけど、一度遊んで雰囲気を理解できれば、ネットでも遊ぶのはいいと思う。
BGA ( Board Game Arena )に来れば、会うこともあるかも。負け続けている日本人がいたら、それが私かもしれない。(全然勝てない・・・)