バーチャルスポーツという新しいエンターテインメント産業の時代
日本でも少し出てきているが、バーチャルゴルフというのがある。
IMG_0899 / jerine
部屋の中でゴルフを打って、その弾道を計算することで実際のゴルフのようにコースを回るというもの。
韓国では本当のゴルフが高いこともあり、本当のゴルフよりバーチャルの方が競技人口が多いとか。
以前一度行ったことがあるが、会社帰りにスーツでゴルフ、というのは都会では確かにありがたい。
スポーツをバーチャルにすると色々問題が出るが、
ゴルフはそのゲームの性質上、かなりバーチャル化に向いている。
- プレーヤーも球も動かない
- 実際にやると大きな場所と時間がかかる(バーチャルによるコストダウン効果が大きい)
- 実際の道具を使える
実際にゴルフをするのに比べれば開放感もないし、
運動量も少ないし、バンカーや傾斜、グリーンの芝目も再現できない。
(傾斜は一部再現できるらしい)
しかしそれを補う便利さがあるということだろう。
実際、スーツ姿でビールかっくらいながら平日の夜にゴルフはできないからなぁ。
ゲームのバーチャル化
音楽はカラオケの登場によって凄く手軽になった。
生演奏やスタジオが必要だった時代には、歌うためには演奏する人が必要だった。
それがカラオケによって、「流し」という演奏スタイルの音楽家を殺した。
神田ミートセンター / takuma104
カラオケは演奏をバーチャル化したといえないだろうか。
スポーツもバーチャル化できる物はしていくのではないだろうか。
ゴルフもバーチャルゴルフが日本でも普及すれば、
実際にゴルフに行くのは金とヒマのある人の高価なレジャーになるかもしれない。
今はバブル期に建設したゴルフ場が余っている状態だから価格破壊が起きているが、
ゴルフ場が一定量破綻して価格が戻れば、日本でもバーチャルゴルフの価格メリットが生きる可能性はある。
バーチャル化できるスポーツとは
バーチャル化できるスポーツは他にあるだろうか。
ゴルフほどでは無いが、技術革新が進んで安く設備が作れるならメリットの出せるスポーツ。
例えばボーリング。
Bowling in Camden / gustaf alstromer
ボーリングでは長いレーンが必要だが、ボールを投げるだけのスペースならかなり小さく配置できる。
バーチャル化すれば大がかりなピンの配置装置も不要になり、
レーンのワックス作業も不要と大きくコストダウンがはかれる。
ボーリング場はすでに多数建設されているが、それをバーチャル化すれば
スペースの半分以上を別の用途に生かせることになる。
それだけでもメリットだ。
ボーリングのスペースはそのままで、残りをゲーセンなりカラオケボックスにすれば良い。
場所を取るのでなかなか普及の難しいやり投げ・砲丸投げ・円盤投げの「投擲競技」だって
バーチャル化すれば狭い場所で遊ぶことが出来るようになる。
Men's Javelin Throw - F33/34 / simononly
室伏選手が何人も欲しい訳では無いが、
「砲丸投げってどんなのだろう」とみんなが興味を持つイベントと考えれば集客効果はあるんじゃないだろうか。
任天堂の大失敗事業で「レーザークレー射撃」というのがあって、これが会社を傾けるぐらいの損害を出したことが
横井軍平さんの本に書かれていた。
Clay shooting Scotland / Yorick_R
- 作者: 牧野 武文
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/11
- メディア: 単行本
- 購入: 13人 クリック: 159回
- この商品を含むブログ (41件) を見る
あれもボーリング場を改造して、というアイデアだったが、あんなのも今の時代にやってはどうだろうか。
より狭い場所で、よりリアルに、より安価にスタートできるのなら面白いかもしれない。
他にもアーチェリー・弓道・射撃なんかは合うと思う。
Masumi in grading for Renshi in Kyudo / alpiniste
射撃なんか日本じゃ危険だから普通は設置できないけど、
発射音や衝撃をリアルに再現する、屋内バーチャル射撃なんか話題性はあるんじゃないか。
わざわざ海外に射撃ツアーに行く人もいるわけで、これもコストメリットは大きい。
ニッチスポーツが多いので、どれも小型化でコストダウンが測れるのはメリット。
ソフトの更新だけでスポーツの内容を切り替えられるのなら、マイナーな競技を集めることで
新たなエンターテインメント産業ができるかもしれない。
技術の進化はネットだけでなく、リアルの世界もよりバーチャル化している。
それをとことん楽しめる産業だって、まだまだ裾野は伸びると思う。
家電大手が「テレビをキレイにした」というのなら、そのキレイになって、
本物と見まごうほどになった画像の実力を、こういうところで見せつけて欲しい物だ。
それが「ハードからソフトへ」ということだろうと思う。
違いますかね?ソニーさん。