邪道の参考書・現代文で読む古典ストーリー
6月は中間テストなのか。
通勤電車で参考書を開いている高校生の姿を良く見かける。
Mobile addict. / MJ/TR (´・ω・)
多いのは古文と歴史。
ノートに書き込むのが難しい通学中は、数学より記憶物が向いているということか。
ところでこの古文、「単語集」を見ている人がそこそこいるんだが、
源氏物語を勉強するには「あさきゆめみし」を読むように、
自分の読みやすい形でストーリーを知っていると勉強も、テストも楽。
ドラゴン桜ではそれが強調されていたが、受験の経験者としてもそうだと思う。
では、それを狙った
「古文のストーリーだけなぞりました参考書」
って無いのだろうか。
自分が受験した当時はなかった。たぶん。
今も、通勤している電車内でそれっぽい参考書を開いている高校生はいない。
自分の受験当時と変わらない問題集や単語本を開いている人も多い。
もちろん「古文」の勉強としては文法を学ぶことが大事だが、
「受験対策」なら、ストーリーを知っていれば細かいことは分からなくても大概解ける。
邪道こそ、面白いと思うんだが。
どこかの出版社がやらないものかな。
邪道で勉強する古文ストーリー、目次
内容は受験に出るストーリーを、できれば簡単なイラストと、
その作品の背景紹介などを付けて「現代文」で書く。
つまり、古文の知識が無くても読める物にする。
古文(原文)は参考程度。
むしろ、「それだけ読めば受験対策」というぐらい網羅する、「量」を重視する。
実は受験に使える文章には制限があるので、かなり網羅できる気がする。
制限を並べてみるとこのようになる。
制限1:時代の制限
「古文」と言うが、実際には平安・鎌倉期がほとんど。
明治まで来れば現代文だし、その途中の時期も文法的には徐々に変化する。
「古文の文法はこう」と習っているからには、その文法に沿った時期で無ければいけない。
この意味で使用できる時期はある程度制限される。
制限2:難易度の制限
テストで使うからには、難易度が適切でなければいけない。
書いている数百年前の人たちはそんなことを考えていないので、
文章の中で受験にも使える、当時としてはおそらく「平易な文章」でなければいけない。
このため長い作品でも、実際に受験に使える範囲は制限されてくる。
制限3:公序良俗
日本の性描写は昔から奔放。
神話ならどこの国でもそうだが、
田舎に派遣されていく途中の貴族が、ムラムラきたから畑の大根に穴を開けて性欲を処理した。
その大根を土地の娘が食べて身籠もり、子をもうけた。
赴任先から国に帰る貴族が、『突然身籠もり子を産んだ娘がいる』と聞き、
自分の子かもしれないと思い、娘とその子供をもらい受けた。めでたしめでたし
なんて話が収録されていたりする。
これ、元ネタ何だったかな。宇治拾遺物語かな?(「こぶとりじいさん」から、芥川龍之介の「芋粥」の元ネタまで収録した説話集)
受験で出すからには、こういうネタは恐らくNG。
制限4:ストーリー性
では性描写の入りようのない公的文章なら?
難易度的に恐らくNGだが、何よりテストで使うにはそれなりに「面白く」なければならない。
「何年何月にどこどこで金山を発掘した」
では問題文には出来ない。
こう考えていくと、テスト問題に出来る古文の文章が結構難しいことが分かる。
平易な文章で短く、ストーリーにも富んでいる
徒然草や方丈記がテストに好まれる理由が分かる。
ということで現代文でストーリーばかりを網羅した参考書、読んでも面白いし受験対策にもなる。
受験業界は一度ヒットすれば長くリピートする、出版社としてはかなりおいしい市場だが、
どこかの出版社がやらないだろうか。
あったら売れると思うよ〜(無責任)
ちなみに真面目な話、理系なのに現代文・古文・漢文の教師三人から
「お前は文系に来た方が良い」
と言われた自分が高校時代に使っていたのはこの単語集一冊だけ。(全部実話)
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文法なんてなぁ、文章を数読んでりゃ感覚で分かると思うよ。
ということで頑張れ、高校生。