スティーブ・ジョブスとマスク
スティーブ・ジョブスは、
「尖った商品を作るのではなく、10年後に当たり前のものをデザインした」という意見があった。
Steve Jobs Speaks At WWDC07 / acaben
なるほど。
言われてみれば当初は突飛だったスマートフォンのタッチ操作も、気がつくと当たり前になっている。
ではその方向性で自分が新商品を考えたらどうなるだろうか。
という事でアイデアを出す訓練として、
「10年後には当たり前になっているんじゃない?」という新商品を考えてみる。
10年後に当たり前の技術は、今どうなっているか
10年後に当たり前、と言うことはこんな前提が必要になるだろう。
- 前提 : そのツール自体は既に普及している
- +α : 新しい技術(部品)はあるが、それを搭載した新ジャンルは普及していない
例えばiPodなら「音楽を聴くツール」は既に普及していたが、
「MP3プレイヤー」はまだ大手がそれほど本気でなく、MP3形式でデータを購入する場もなかった。
iPhoneなら携帯電話は既に普及していたが、
既に発表していたiTouchのようなタッチパネル機器の電話はほとんど普及していなかった。
つまり、よく言われる「発明は時代の半歩先」を適切なタイミングで打っていたという事。
まぁ、こんな解説は今更で、もっと丁寧で詳しい解説が巷にはあふれている。
では、今当たり前になっているが、まだまだ改善の余地がある物というとなんだろう。
マスク、増えた?
町でマスクをする人が増えた、気がする。
調べてみたら全国マスク工業会というのが業界団体で、その上位が「社団法人 日本衛生材料工業連合会」
という団体らしい。一応統計情報があった。
・リンク → 社団法人 日本衛生材料工業連合会 | 統計情報
データがここ3年分とか・・・使えないなぁ。
長期のデータは無料の物では見つからず。
う〜ん、予測でしか話せないか。
まず前提。日本では、市街地でのマスクの使用は当たり前となっている。
まぁ、これはいいだろう。
Shibuya / (アリセ) alicereneztay
欧米ではマスクをしていると重病人という印象があるため、日本に来たら驚くとか。
・リンク → 【ビックリ!!】日本に来た外国人が驚いたコト・モノ【��(o'д'o)ハッ!!】 - NAVER まとめ
日本でも昔は男性しかマスクしてなかったけど、最近は女性もするようになった気がするのは、気のせい?
とにかく日本では重度の風邪だけでなく、予防や花粉症と、マスクを街中でしていても違和感のない
環境であることは言って良いと思う。
ではここで+α要素を考える。
カワイイマスク
今のマスクは、ほとんどが使い捨てで白一色。
これが多少高くなっても、可愛いマスクがあれば売れないだろうか。
以前にベトナムのホーチミンに行ったことがある。
ホーチミン名物と言えばバイクの大渋滞。
Ho Chi Minh,Vietnam / Kossy@FINEDAYS
ろくに信号が無い交差点で、最大6人乗りのバイク(!)が絶妙なタイミングで行き来する。
(正確には信号があってもほとんど見ていない)
そんな市内はホコリも凄く、マスクをしている人も多い。
ちなみに市外に出るときにはスピードが出るのでメガネも必須。
そこで売店では手作りのマスクを多数売っているんだが、それがなかなかにカラフル。
ちょっと調べてもこんな写真がたくさん出てくる.
Girls from Vietnam - Safe and Alert {Explored} / Eustaquio Santimano
masked / fung.leo
Masked Riders / mikecogh
三枚目、もはやマスクじゃねぇ。
こんなデザイン性の高いマスク、日本で作れば十分商機はあると思うんだが。
流行の発信は女子高生から
この話、もう5年ぐらい前から思っているんだが、全然市場化されない。
(されているのかもしれないが、全然知らない)
ただ、以前に女子高生がマスクにかわいいピンバッジをつけているのを見かけて、
「これは面白いな」と思った記憶はある。
Pin Pals / JD Hancock
(決して通勤中にずっと女子高生を観察し続けているわけではないです。念のため)
携帯電話を「デコ電」として魔改造したり、
本体の存在を覆い隠したいのか思わせる大量のストラップをつけたり、
ヤンキーにも通じる装飾過剰なデザインこそ、世界に誇れる日本の「カワイイ」文化とも言える。
LG Town Custom Case / daniellesmithphotography
iPhone 4 Custom Case / daniellesmithphotography
マスクについても、既に自作するほど潜在ニーズがあるなら、きちんと作ったら売れると思うんだけど。
製品面では?
デザインだけじゃなく、競合排除に繋がる性能面でも合わせて考える。
製品要件は「デザイン性の高いマスク」。
ただデザインは、こと女性向けで狙うと「これが格好良い」と押しつけるのではなく自由にいじれるのが望ましい。
そこで「プラットフォームとしてのマスク」の提案となる。
自由にいじれる、装飾のしやすいマスクを考える。
例えば取付用の部品や形状を用意して、自由に付けられるようにするなど。
携帯電話のストラップや、クロックスのアクセサリ(ジビッツ)などが過去の成功例と言える。
Jibbitz on my Crocs / grilled cheese
次に機能性。
マスクなので機能性を満たさなければいけない。
現在のマスクがシンプルで安価なのは使い捨てだからだが、何度も使えるマスクにしなければならない。
口に接触する部分だけ取り外して使い捨てとし、他は洗って使える物にする、などが考えられる。
(本当に出来るかは知りません。あくまでアイデアとして)
機能的には「何度も使えるエコなマスク」と言えば、機能的なPRポイントにもなる。
「機能性繊維」は衣類のトレンドになっているが、良い素材があるならこういう展開も考えられるんじゃないかな。
s-RIMG3730 / eiko_eiko
東レさん、なんか良い素材ありませんか?
それにしてもiPhone、iPodとマスク。
スティーブ・ジョブスと自分の差を思い知らされるアイデア訓練だったかも。
10年後の当たり前、あなたなら何が思い浮かびますか?