曲がる食器のメリットは?
能作、という富山の会社がテレビで紹介されていた。
元々は真鍮の鋳物を扱う会社だが、仏具などを中心にする業態で
売り上げ増が見込めないことから、「錫(スズ)100%」の鋳造を行い話題になっている。
・リンク → 株式会社 能作
錫100%のメリットは?
金属は100%の純粋な物、というのは非常に珍しく、通常は合金や化合物の状態で使う。
例えばアルミは純アルミ100%では柔らかく、強い金属光沢を持つがあっという間に酸化して曇る。
このため、日常目にするアルミは何かしらの不純物を混ぜて酸化しないようにしたアルミ化合物(ジュラルミン)になっている。
Aluminium Billet / chuckoutrearseats
錫の場合も、100%にすると柔らかく、手で折り曲げられる程らしい。
- 出版社/メーカー: 能作
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売り方提案
この錫100%食器、曲げられて面白いというデザイン性を売りに、高島屋で扱われたり、
海外の展示会に出品したところから経済ニュースや番組で取り上げられている模様。
もちろん、デザイン的にも面白いが、折角なので「実利」も押し出してはどうか。
欧州はどうか知らないが、日本ではまだ高級食器を揃えて日常使う家は少ないと思う。
製法からして高くなる物だし、使い勝手の良さも打ち出せないだろうか。
例えばこれ。
- 出版社/メーカー: 能作
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錫100%なら板状になるので、使わないときには薄くできて、収納場所を取らないことをPRしてはどうだろう。
高島屋で外商を相手にするような富裕層なら、そんな収納場所は気にならないかもしれないが、
日本の家庭事情なら、収納場所や食器洗浄器に入るかは重要ではないだろうか。
なんで「仕舞い方」?
なぜ収納方法に注目するかというと、使わない時間(収納時間)が長いことが十分考えられるため。
例えば「靴」を例に取ると、女性の所持数は平均11足(ユニクロ調査)とも平均15足(経済統計)とも言われる。
どの資料でも女性は10足前後にボリュームゾーンがあり、50足以上という人が少数存在する。
・リンク → 靴に関するアンケート - リサーチバンク - 自主アンケート・調査結果レポート
・リンク → あなたが靴(くつ)を買うとき | 毎週アンケート | ハピ研|アサヒグループホールディングス
また資料が見つからなかったが、鞄も平均所有数が10個で、よく使うのは3個程度と聞いたことがある。
靴も鞄も、一度に使うのは一つなので、残りは全部保管する必要がある。
日本は住宅事情が悪いと言いながら、それだけのものを保管している。
つまり「小さく収納できる」は商品の大きなPRポイントになる可能性が十分にある。
食器や装飾用の器は多少事情が違うかもしれないが、好きな人ほどたくさん持っていて、保管場所を取るのは同じ。
例えばT-FAL(ティファール)のフライパンは、取っ手が外せて小さく収納できることが売りの一つになっている。
まずは「曲げられる食器」でニュースになったこちらの食器、
機能性で次の手を打って、市場を広げられてはいかがだろうか。