ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)が分かりにくい、
誰も知らないということでそれをいかに分かりやすく、伝えるかを考える。
まず分析する
ITSは様々な情報をやりとりする、自動車の次世代通信技術。
すでに日本の高速道路には張り巡らされている。
この「様々な」というのが逆にやっかいで、簡潔に伝えるのが難しい。
逆にITSの制限は、「自動車向け」であること。
運転中は詳細操作ができないので、双方向の通信が可能でも、実際の使い方は
「車の状況を読み取ってカーナビが一方的に情報を発信する」
となる。
つまり技術的には「ラジオ(一方向通信)からパソコン(双方向通信)へ」だが、
ユーザーの感覚としては
「進化したカーナビのための技術」
が一番近いと思う。
つまり、こちらから操作する端末と言うより、「秘書」のように適切に助言を与えてくれるものというイメージ。
まずは名前から
このように分解していくと、複雑に感じた技術の中核は今どきはやりの
「コンシェルジュサービス」のような物と言える。
では携帯電話やWEBサービスと明確に差別化ができて、自動車向けと伝わるような技術の説明はどうしたら良いか。
そこでITSの新名称案を提案する。
ドライブアシスタントサービス「Dora(ドラ)」
イメージキャラクターはドラえもん。
ドラえもん わくわくスカイパーク / inucara
バカにしてる?
いえいえ、いたって真面目です。
「ドライブ」と「ドラえもん」で語呂がいいし、みんな知っている。
国土交通省は「これだけの機能をアンテナ1つで実現する手段はなく、海外にも出て行ける」
と胸を張っているが、ドラえもんの放送国は世界35ヶ国。
Doraemon / codepo8
すでにこれだけ認知があるキャラクターを看板に使わない手はない!
なんで「ドラえもん」なのか?
ドラえもん、というと「ひみつ道具」。
何十年も前のキャラクターなのに、今でも未来を感じさせるそのセンスは凄い。
また息の長いキャラクターなので安心感もある。
この「不思議な」仕組みで教えてくれるというのが、ITSのコンセプトに近いと思う。
「道案内、観光案内から決済、災害情報まで」
という幅広さは一言では伝えにくいが、
「『Dora(ドラ)』なら、車の困ったところを教えてくれる」
Doraemon sidecar / St�fan
といえば、「なんか便利そう」というイメージだけでも伝わらないか。
機能が多いところはそれぞれを「ひみつ道具」に見立てて順番に説明して、啓蒙していけば良い。
その中核がシステムとしてのITS(つまりは「ドラえもん」)と考えればイメージが伝わりやすい。
元々ITSの目的の重要な部分に「交通事故を減らす」というのがある。
この「安心」という説明に、安心感のあるキャラクターを持って来れば、わかりやすさと浸透しやすさに繋がるはず。
Doraemon Poster / rendomthoughts
技術は盗めても、ブランドは盗めない
古くはベータ・VHS戦争、DVD戦争から地デジの標準化対決まで、
技術は対抗したときの差別化が難しいし、後発にひっくり返される恐れがある。
Beta video cassette / Lawrence Leonard Gilbert
でも完成したブランドは簡単にはひっくり返らない。
ドラえもんに対抗できるキャラクターは、ナイトライダー(Knight Rider)の
「キット(K.I.T.T.(Knight 2000))」以外には思いつかない。
K.I.T.T. / Sam Howzit
国内に向けてのわかりやすさとともに、日本を代表するコンテンツとしても提案としては優れている。
日本中にドラえもんの案内看板ができる、そんな光景も日本的で面白い。
そしてゆくゆくは世界の標準技術を目指して、KITTと頂上決戦。
※この記事の前半はこちら
・リンク → ITSっておいしいの?【問題提起】