働く高齢者
買い物代行・送迎サービスを行うにあたり、サービス料を高齢者自ら稼いで貰えばいいんじゃないか?というのが昨日の話。
では実際どうやって稼いだら良いのか?
具体的な案を考えた。
/ erichhh
有り余る資産を生かす
日本の金融資産のほとんどは高齢者が所有している。
ということは広い家に一人で住んでいたり、「老老介護」状態の家もある。
医療に続いて家庭崩壊! 老老介護を考える
少子高齢化の進む現在にあって、年老いた人自身がその家族の介護をしなければならないという問題が起きています。家庭崩壊の危機があなたのすぐそばにまで迫ってきています。老老介護の問題を考えてみましょう。
しかし慣れ親しんだ家なので、引越はしたくない。
こういう話は結構ある。
今日は家を処分して引っ越しして貰えば・・・という話はしない。
この家に住んだままでサービスを受けられる程度の副収入を出すにはどうしたら良いか?
不動産があるだけで副収入を得る方法はいくつかある。不動産は別に家を建てて貸すだけが能じゃない。
- 家を建てて貸す
- 駐車場にして貸す
- 広告を出す
- 電波塔に貸す
- 自動販売機を置く
実際簡単に話を進められそうなのは下の二つ。
電波塔はPHS(willcom)等が特に力を入れている。
携帯電話の電波塔は広い土地と高い電波塔が必要だが、PHSはもともと電波が弱いので、電波塔も小さい。
antenna for mobile phone / genta_hgr
ただしたくさん塔を建てないといけないので、その場所には苦労していると聞く。
貸すと言えば喜んで手を挙げてくれることも多いはず。
自動販売機は宅配サービスの際に充填と精算作業ができるので、貸す側は何もしなくて良いし、作業効率も高い。
ただしある程度の人通りの見込める場所である必要がある。
内職する
裁縫などのスキルがあれば今でも内職作業のニーズはある。
斡旋と悪徳業者の話は表裏一体だが、間に馴染みのサービス会社が入ることで
信頼と責任が生まれるし、会社側も逃げられない(そもそもメイン収入は代行サービス)のでお互いの関係が継続させやすい。
ところが内職はスキルがなければ難しい。
手間仕事としてはデータ入力や文字起こしがあるが、パソコンが使えないと難しい物が多い。
また何かを作る(ビーズ手芸など)は手先の器用さが求められるので、高齢者には難しい。
一番現実的なようで、一番作業する人を選ぶ気もする。
Making "Bohemian Lace" Is a Tradition and Craft Handed Down through Generations of Women Living in New Ulm, Minnesota... / The U.S. National Archives
みんなで内職する
内職する問題の一つは、「一人作業」であること。
本質的に生活に困っている訳でもないので、小遣い稼ぎにあまりストレスをためるのはよろしくない。
その意味では「みんなの集まるサロン」を「内職場」にしてしまったらどうだろうか。
場所代を確保する必要はあるが、基本的なコストは月々の買い物代行サービスが基本になる。
売り上げの利益は基本的に作業する高齢者自身に落ちるので、ほとんど作業せずにくっちゃべっていても管理側はあまり神経を尖らせずに済む。
ただしこの場合、このスペースに「働きに来ている」とすると最低賃金の問題があり難しくなる。
あくまで喫茶店のように場所を提供しているだけで、働いた成果に対して対価を支払うようにしないと
時給いくらをペイできるような、厳しい労働を押しつけることになってしまう。
これでは本末転倒。
一人一人が家で作業するとなかなか品質管理が難しいが、
みんなで作業するならチェックもまとめて、その場でできるのである程度組織的なこともできる。
つまり手間仕事だけでなく、自分のところで「商品」を作れるということ。
実際に高齢者だけで作るおはぎかお餅だかのお店がヒットしたりしている。
(かなり調べたがその会社情報が見つからず・・・)
ノルマを考えないと、足が早い食品はアウトだから、手間がかかるが長持ちする物が良い。
リアル「おばあちゃんのぽたぽた焼」とか。
買う人はいると思うけど。
自分で稼ぐことになればやる気も出るし、高齢者の就職率が低いという指摘もある。
リンク → 高齢者就業率が高い所は老人医療費が低い
「働く」というとフルタイムのイメージになるかもしれないが、
みんながみんな、ちょっと働いてどんどんお金を使うことで経済はより良くなる。
働くことを辞めて萎縮すると生活もどんどんしぼんでしまう。
「高齢者が増える、だから高齢者向けサービスを」だけではなく、
「高齢者が増える、だから高齢者でも働ける仕事を」と考えると意外に面白いことができるんじゃないかな。