ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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遠隔診断と宅配ビジネス

遠隔医療があると便利、という課題をとりあえずクリアしたという前提で、現実的にどうやって普及したら良いかを考える。

一番の問題はハードの普及

遠隔医療の問題になるのがテレビ電話などのハード技術と認証システム。
まずハードの統一化を図らないといけない。
これには行政のアメとムチが必要。


電子化での医者へのインセンティブは既にレセ電(レセプト電子化)でやられている。
診療報酬を依頼するレセプトを電子化する際に、電子化で提出されたレセプトには点数を増やすことで普及を加速させた。
同時に移行期限を設ける「ムチ」も併用した。
この基本をそのまま踏襲して、同じように遠隔医療には付加的な点数を検討したらいい。
同時に入院施設や高価な医療器具のない、遠隔医療専門の医者を「開業」できるようにすれば裾野は広がるはず。
そして同時に大切なのは規格の統一を進める。
より強力なムチとしては、通院前の遠隔診断を一定割合行わないとペナルティを設けたらいい。
ペナルティはこれも診療報酬の点数削減でいいんじゃないか。

Receipt / JuditK

認証は実は大した問題じゃ無い

医療は生命に関わるので、個人認証が非常に大きな問題になる。
でも日本では実はあまり問題にならないと思う。
なぜかというと、今後導入される予定のマイナンバー(旧通称:国民総背番号)」を使えば良いと思うから。
マイナンバーは国民一人一人のIDを示す。
これが本格的に導入されれば、住民基本台帳も、医療も、年金も、全部これをベースにすれば良い。
マイナンバーをかざすリーダーを機器に組み込んで、そこから医療機関に繋げば簡単かつセキュリティの高いシステムにできる。

An Estonian Identity card / Robert Gaal

専用機にしない、オープンシステム

普及のポイントは「オープンシステム」
キモとなる部分(医療機関への接続、音声。カメラフォーマット)を決めて、後は自由にして良いとする。
そうすると、周辺の機能をベースに普及する可能性がある。


例えば電話は「電話」という基本機能は共通だが、留守電や電話帳などいろんな機能が搭載することで機器が進化した。
遠隔医療システムも他の付加価値をベースに普及させれば良い。
個人的に良いと思うのは「ネットスーパー」
画像と音声でオーダーできるというシステムはネットスーパーと相性が良いし、
ネットスーパーの客層と遠隔医療のターゲットは客層が合うので普及にも都合が良い。
むしろ地域のスーパーが、医療の補助金を利用して、自社の囲い込みのために機器を安く配ることで
特定の地域の遠隔診断が一気に普及する、とか凄くありそうなストーリーなんだけど。

customer / SpecialKRB

効果はあると思うんだけど

訪問前のスクリーニングは、特に総合病院で効果があるはず。
大学病院や総合病院は高度治療に特化する方が効率的だが、実際には軽度の患者の外来も受けている。
これを事前の遠隔診療で削減できれば、治療は効率化できるし、待ち時間も減らせる。
良いことづくめだと思うんだけどね。
ネット専門の、開業できるほどの蓄えが無い若い医者だって出てくるだろうし。


といいつつ医療の動きの遅さも分かっているので、難しいとは思いますが。
何だろうね、効率化することで結果医療費が安くなって、みんな楽になってハッピーってのは
考えられない話なのかね。