ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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「そもそも年金っているのか?」という意見

東京テレビのワールドビジネスサテライト
リアルタイムで見る時間がないので、毎日録画して、ワンセグテレビで通勤中に見ています。
そんなWBSの月曜の特集は「年金制度」。


年金について色々解説される中で、解説者に対するコメンテーターの発言。
「そもそも年金制度って必要なんでしょうか?」
言った瞬間の解説者とレポーターの凍った顔が印象的だった。
が、言われてみれば確かにそうか。

当たり前のことを疑っているか?

前提条件だと思っていることを疑えるか、というのは凄く大事。
それはアインシュタイン相対性理論を引っ張り出すまでもなく。


年金って、そもそも要るのか?
コメンテーターはインパクトのある言い方をしたが、
正確には「日本の年金制度において」ということと思われる。


若者は払った分だけ返って来ない事を知っている。
だから払わない。
基礎年金は財源が曖昧。
主婦など払った金額ともらう金額の相関がわからない人も多い。
そうなってくると年金の意味は?
という意味だと思う。


年金は各自で積み立てて回るならそれでいい。
ただそれでは流動性が無いので、国がまとめて積み立てて、
積み立て分を今のお年寄りに分配しましょう。
それが年金制度。
この話の前提は、「預ける金=分配される金」であるということ。
払った以上にもらえるのは、人口が増える前提ということ。
(あるいは一定以上のインフレがあるということ)
どちらのシナリオも崩壊しつつある中で、果たしてこの制度はどうしていくべきか、ということ。

必要なのはグランドデザイン

結局必要なのは「この国はどうなっていくのか」というグランドデザインだと思う。
年金・医療・人口減(少子化)・デフレはすべて繋がっている。
高度成長期で若年齢層が多ければ問題ないこと、
そしてその時期に制度設計されたものが制度疲労を起こしているだけの話。


年金や医療・介護システムはそれ自体が悪い訳では全くない。
ただ、人口減の中では制度的に保たないようになっている。
さて、その際にどうするか。

  • 昔のように人口を増やす
  • 昔には戻れないので制度を変える

究極的にはこの二択で、実際にはその微妙なブレンドになるはず。
それが見えずに「少子高齢化は問題だ」みたいな話にしてしまうから訳が分からなくなる。


結局は今のままではダメなんだから、高齢者が働ける社会・制度作りが必要だし
「夫婦子供二人の標準世帯(→家族消費の時代の終焉)」なんて幻想をさっさと捨てて、
独り者で正社員じゃない人間から税金を取れる仕組みと、その人が80歳まで生きていけるような
仕組みに変えていかなければいけない。
誰かの宣った「日本は中負担・中福祉」というグランドデザインは非常に正しいと思うが、
それをもっとわかりやすく、国の未来の形としてイメージさせなきゃいけない。
ということで政治家の皆さん、よろしくお願いします。


というかこういうことは30〜40代ぐらいの人が言わないとダメなんじゃないかね。
自分が80歳になったときに・・・というイメージを70〜80代の人間が話しても何の実感もないんだが。