ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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引き続きお金のことについて

引き続き「お金は銀行に預けるな」の書評。まだまだ続きます。

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

ではそうやって勉強して、自分は最終的にどこに投資したいのか、と言うことを考えた。
もちろんこれから伸びると思われる業界に資産を入れていくのは大切だろう。
これからは中国だ、いやベトナムだ、ロシアだと資産を入れていくのは良いと思う。
もちろんリスク要因は多い国たちなので分散は重要だが。
だが投資を「自分の一票」だと考えれば自分はどうするかな、ということで考えてみた。


そうすると結局いくらリスクがあろうと、自分は日本の製造業に資産を入れたいなと思う。
結局オレは日本という国が好きなんである。
もちろん改良や改善を諦めた企業や、周りと同じようにバブルな環境に突っ込んで自滅する企業は
さっさと潰れりゃいい。
でも正しい方針で動いているのにまだ芽が出ない、いい物を出しているのに認められない企業は
短期的にリスクが高くても資産を投じていいかと考えている。
そんな損得だけでない「見込み」や「思い」が「清き一票」としての投資なんだなと思う。


最近は「だから日本はダメなんだ」論を展開していることも多いし、テレビもその論調が多く感じる。
でも日本人は日本が好きなんだな、ということは非常に感じる。
これだけ自分の「国」という形にこだわる国も珍しい。
香港にいたころなんかは結構みんな「どの国民になるのが得か」という感覚で国籍や移住先を
考えていた気がするが、日本人は損得勘定じゃなくアイデンティティーとしての「日本人」と言う形に
ものすごいこだわりを持っている。
これは日本から離れて「日本人」を眺めると良く分かると思う。
世界には自分が中心だったり、宗教や民族が中心だったりいろんな人がいるが、日本の場合は「国」単位なんだね。
これは日本という国が宗教や民族が単一であるようなイメージを持たれていることも一因だとは思うが。


だがもう一つ日本の変なところは、その自分の好きな国を良くしようと言う動きが少ないこと。
歴史がある国ほどそういう傾向があるらしいが、やはり「自分ひとりでは何も変わらない」と
思っている部分が多いんじゃなかろうか。
実際自分でも最近「何か出来ることは無いか」と思い、まずは意見を多く伝えようとブログを始めたが
この本を読んで気がついた。
「そうか、自分の資産の運用方法で意見を訴えられるのか」
資産の運用と言う形は一票よりも重い。
対象が国ほど大きくないし、直接の投資なので影響力も大きい。
その会社が儲かるかどうかはもちろん第一義として、
「そんな会社には投資できない」とみんなが思うとその会社は間違いなく傾く。
だからみんながその会社に投資して、「ちゃんとしたもの作らなかったら会社つぶすぞ」ぐらいの
強い意見を持てば、こんなブログで訴えるより強い力になるんじゃなかろうか。


もちろん一個人が出来る影響力は小さいけどね。
でもそういう考え方を育てていくことが大事なんだな、と思った。
最後のほうの考え方は著者の訴えたいこととは違うかもしれないけど。