ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

パラリンピックを無くしてしまえ!

オリンピックで盛り上がって、その後はパラリンピック
今回は障害を持つ選手がオリンピックに出たことが話題になるなどしたが、
「障害のある人もスポーツを楽しもう」
(元々は戦争による負傷者に「手術よりスポーツを」がスローガン)
というのなら、なんでオリンピックとパラリンピックって分けられているんだろう。


パラリンピックのCMが話題になっていた。
・リンク → Channel 4 Paralympics−Meet the Superhumans (Annotated Version)−YouTube
(埋め込み不可設定のため、リンクを紹介。是非見に行って下さい)
動画ではパラリンピックの出場選手たちをタイトルの通り
「The Superhumans」といっている。

Paralympic athlete Michelle Errichiello at the AIS Track and Field / Bidgee


現在パラリンピックに出場する選手は、生まれつきや事故によって障害のある人達。
その障害の内容は聴覚障害者を含む身体障害者の他・知的障害者精神障害者で、
競技ごとに障害の度合いでランク分けをしているらしい。

障害者だって、オリンピックを目指せる

ロンドンオリンピックでは障害のある選手が「オリンピック」に出場していることで
いろいろと話題になっている。


一人は卓球のナタリア・パルティカポーランド)。
右腕が肘までしかないが、卓球世界ランキングは現在68位。
パラリンピックでは不動の二連覇を果たしている彼女が、今回ついにロンドンオリンピックに出場した。

IMG_7982 / Ga〓l Marziou

※この選手ではないが、車いすでの卓球のイメージ


もう一人は男子400mのピストリウス南アフリカ)。
両足首がなく、義足を付けての五輪出場。
話題になったのは義足で出場したことと、その義足にスプリングがあったこと。
「スプリングを付けて走るのは卑怯では?」
という議論は彼が準決勝に進出したことでより沸騰した模様。

Oscar Pistorius / Nick J Webb

※写真はこの選手ではありません


とにかく体に障害があっても、訓練すればオリンピックに出られることが証明されたのは素晴らしい。
それなら、オリンピックとパラリンピックって、もうバラバラにしなくても面白いんじゃないか?

健常者だって、車いすレースを

要はルールを改定して、全部オリンピックにまとめてしまえば良い。
例えば短距離ならこんな感じ。

  • 100m走(器具不可)
  • 200m走(器具使用可)
  • 400m車いす


ルールに則るのなら、別に健常者が参加しても良い。
でも、車いすレースなんてむしろ日常車いすで生活している人達の方が有利だと思うし、
車いすで生活しているオレらが、お前ら付け焼き刃の車いすレーサーに負けるかよ」
と健常者を叩きのめす姿を、個人的には是非見てみたい。

Former Marine practices sprints in a racing wheelchair on McCool Memorial Track during the 2011 U.S. Olympic Committee Paralympic Military Sports Camp / Official U.S. Navy Imagery

車いすフェンシングとか、車いすバスケとか、練習しても勝てる気がしないし。


ちなみに実際にはパラリンピックは障害の度合いによって、一つの競技でも複数のランクが設けられている。
単純にこれを統廃合すると特定の障害者はメダルを目指せない」し、
細かいと「メダルの乱造」といわれる。
この加減が難しいのがパラリンピックなので、健常者と競えるランクの他に、一定の障害クラスは並行して残す形になると思う。

障害者スポーツを、もっと目立たせるには

日本ではパラリンピックが話題にならないことが問題視されたりするが、実際に世界ではどうなんだろう。
話題にならないということは、カネにならなと言うこと。
オリンピックでは巨大なカネが動くが、やはりその宣伝効果に乗れるかは大きい。


パラリンピックがなくなり、車いすレースもオリンピック競技になればどうなるだろう。
車いすレースにもきちんとお金が届くようにならないか?
少なくとも話題になって競技人口が増えれば、企業としても投資するメリットが出る。
車いすレース用の車いすは、日常用のモノとは全く違う。
それでもメーカーにとって、レース用の車いすの生産台数が増えれば利益も出るし、技術力も高くなる。
それは結果的に車いす生活者により良い製品を提供できることにならないだろうか。

DSC_8119 / shizhao


第一、健常者が元々障害者向けだったスポーツに参加することは、
「障害を体験する」という意味で非常に意味があると思う。
視覚障害者5人制サッカーとか普通にやってみたいけどなぁ。面白そう。

blind soccer game-liaoning player / SoniaT 360.

そして視覚障害者の皆様には100%勝てない自信があるね。


東京都知事が、まだ東京オリンピックなんて幻想を抱き続けているんなら、そんな提案とかどうですかね。
ちなみに車いすバスケについて書かれたマンガはこちら。

リアル 1 (Young jump comics)

リアル 1 (Young jump comics)

あ〜、こんなん勧めても読んでくれないか。

ちなみにツッコミが入りそうなのであらかじめ断っておくと、カネが動くと言うことは悪いこともおこるということ。
既にパラリンピックでもドーピングや障害度の詐称が問題になっている。
知的障害者を装った健常者がメダルを獲得した事例がある)
特にドーピングは難しく、治療用の薬が使えないために大会期間中に体調が悪化する選手もいるらしい。
この辺はパラリンピックならではの問題だし、障害のランク分けの問題でメダル数はパラリンピック競技の方が
多い傾向にある。
各国のメダル競争の現状を考えると、パラリンピックとオリンピックの統合には、政治的にデメリットの方が大きくなる気がする。
個人的には本当に統合してしまえば面白いと思うんだけど。