ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

ゲームマーケット2019秋、出展者向けアンケート結果:第一弾

ゲームマーケット2019秋、お疲れさまでした!

gamemarket.jp

 

そして毎年ゲムマ秋終了後に開催している「出展者向けアンケート」、今年も実施させていただきました。

告知ツイートの拡散頂いた方および、回答いただいた皆様ありがとうございました。

このアンケートも今年で4年目。
 2016年:94件 → 2017年:82件 → 2018年:124件 → 2019年:139件

と、一瞬昨年を下回るのでは?と不安になりましたが結果としては過去最高の回答数を頂きました。

改めまして、ありがとうございます。

 

昨年同様、一つの記事でまとめるには無理がある分量になってきたので複数回の記事に分けてアップします。

あらかじめご了承ください。

過去記事はこちらです。(下に行くほど新しい記事です)

ボードゲーム制作者アンケート、最終集計「+α」 -(2016年)

ゲムマ2017秋・アンケート結果 第一弾:2017概況

ゲムマ2017秋・アンケート結果 第二弾:2016→2017年比較

ゲームマーケット2018秋、出展者向けアンケート結果:第一弾

ゲームマーケット2018秋、出展者向けアンケート結果:第二弾

 

ゲムマ2018秋、結果アンケート

■1:サークルについて

活動の拠点はどちらですか?

そういや前回北陸の追加を求められてた・・・すいません、忘れてました。

昨年は関東が「75%」という非常に高い数字でしたが、今回は2/3程度まで低下。

昨年からの一番大きな違いは北海道勢の躍進です。

前回は1件しか回答が無かったのですが、今回は8件(5.8%)!

私も北海道ボドゲ博1.0に参加させていただくなど、北海道勢との交流が多いので、入力率が高くなった、という人のつながりはあるかもしれません。

また今回は海外からの回答はありませんでした。(昨年は台湾から1件回答あり)

 

f:id:roy:20191202101750j:plain

関東地方 95 68.3%
近畿地方 16 11.5%
中部地方 14 10.1%
北海道 8 5.8%
東北地方 2 1.4%
九州地方 2 1.4%
中国地方 1 0.7%
四国地方 1 0.7%

■コメント

ゲムマではともすれは4桁いくほどのゲームの中から購入ゲームを探そうとすると、コア層は自分で探して見つけて、ライトからミドルは、コア層の感想で購入するという流れになってて局所に集中する。特に、事前のフォアシュピールなどでの評判がダイレクトで影響が大きい印象。とりあえず、関西勢には戦いづらい。 ライト層やミドル層が自分らでも探そうという気になれる仕組みがあればいいなと思いました。 アークライトのサークル/ゲーム一覧は地獄

 

サークルのメンバーは何名ですか?

 (私を含め)メンバーが一人だけという個人サークルが全体の約半分、10人を超えるサークルも複数存在するという、昨年と同じ結果でした。

最近始められたサークルさんでは、5人など人数の多いところが多い印象があったのですが、アンケートの結果からは傾向は全く変わらず。

個人的には意外な結果でした。

f:id:roy:20191202101808j:plain

1 66 47.5%
2 28 20.1%
3 15 10.8%
4 13 9.4%
5 6 4.3%
6 6 4.3%
7 2 1.4%
10 3 2.2%

 

■2:ゲームマーケット2019秋について

今回の ゲームマーケットの参加形態や、売り上げ結果について。

ゲームマーケットの参加形態を教えて下さい

昨年は会場の問題で、土日両日の一般出展が認められないという変則の形態でした。今年は新しい会場での開催となったため、普通に土曜どちらかのみ、両日を選択できるようになりました。

こうした出展形式の変化により、今年の出展者は「土日両日:一般」という形態が増えています。

また「日曜のみ」という出展者が減っており、実際に日曜のBホールでは様々なイベントスペースが用意され、大きな場所を取っていました。

 

f:id:roy:20191202101824j:plain

エリア 1 0.7%
それ以外(企業ブースに共同出展し、一日のみ参加した場合など) 3 2.2%
土・日曜両日:一般 38 27.3%
土・日曜両日:企業 10 7.2%
土曜のみ:一般 63 45.3%
日曜のみ:一般 24 17.3%

■コメント

土曜に行けない、日曜に行けないと言った人もいるので両日の出展は効果的ではあるが、日曜の客の減り方は異常なほど。 あと、開催前に次回の申し込み開始は気持ち悪い。
スペースの配置(企業ブース含め)に不満有り。 公式サイトが見づらい。紙カタログの締め切りが早いので、結果的にカタログの情報が薄過ぎる気がする。Webカタログも欲しい。

 

試遊は行いましたか?

おおよそ2/3の出展ブースが試遊を行っています。

この傾向は変わらず。

試遊にはそれなりに手間とコストがかかりますが、それでもこの高い割合を保っているということは、それなりに有効なPR手段であるとみんなが認識しているということでしょう。

f:id:roy:20191202101838j:plain

あり 91 65.5%
なし 48 34.5%

 

ボードゲームを作り始めて、何年目ですか?

毎年このアンケートをやっていて怖いのは、「昨年回答した人しか回答しない」ということ。

今回の「1年目」を回答された方は43件(31.2%)。

少なくともこの回答者は新規の回答者なので、ちゃんとサンプリングとしては適切だということになります。

回答いただいた皆様、ありがとうございます。

「2年目」は18会の皆さん、また5年目~6年目あたりは同期なので知り合いも多く、回答数も多いであろうと考えると、1年目・3年目の実数はこの回答数より少し高いと推測されます。

f:id:roy:20191202101902j:plain

1 43 30.9%
2 34 24.5%
3 15 10.8%
4 17 12.2%
5 11 7.9%
6 7 5.0%
7 1 0.7%
9 2 1.4%
10 9 6.5%

■コメント

今回が初参加となります。イベントが終わった後で、こちらのアンケートの存在を知り、もっと早く知りたかったと涙しておりました。今後もお世話になるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
いつも拝見させていただいておりました!今回は晴れて出展側としてアンケートに入力することが出来て嬉しい限りです。 2019秋のデータ統計、楽しみにしております!

 

ゲームマーケットへの出展は何回目ですか

上の質問に対して、ゲームマーケットというイベントへの出展回数を聞いた質問です。

ゲームマーケットは大阪・春・秋と年3回開催のため、すべて出展すれば1年で3回出展となります。

f:id:roy:20191202101917j:plain

1 29 20.9%
2 18 12.9%
3 22 15.8%
4 14 10.1%
5 9 6.5%
6 6 4.3%
7 12 8.6%
8 5 3.6%
9 4 2.9%
10 20 14.4%

 

販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)

さて、ここからはみんな知りたい販売数。

まずは「数量」での質問。

500個以上で5件、最大の「2000個以上」にも1件の回答がありました。

ただ、サイコロを販売されている珠工房様が、「うちはダイス販売だから、数だけは多いよ」とコメントされていました。

ゲームではない、こうしたパーツ・アクセサリー販売も含まれた集計データとなります。

昨年に比べると、100個以下の層が幾分ばらけ、「全く売れない」というサークルが減っています。

ただし100個以上の傾向はほとんど変わりません。

 

f:id:roy:20191202101945j:plain

1~10個 11 7.9%
11~25個 21 15.1%
26~50個 17 12.2%
51~100個 28 20.1%
101~200個 29 20.9%
201~400個 26 18.7%
401個~500個 2 1.4%
501個~745個 3 2.2%
1,000個~1,999個 1 0.7%
2,000個~ 1 0.7%

■コメント(from twitter

  

販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)

こちらは「金額」での比較。

こちらは昨年に比較すると、各項目がほぼ均等にばらけました。

昨年は「10~20万円」の中間層が厚かったのですが、今年はこの層が減少し、売れたサークル・売れなかったサークル ともに増加しています。

上の結果と合わせると「数が全く出ないという事は減ったが、売り上げは少ないサークルが増えた」ということなので、「低価格で販売することで最低限の販売数は確保したが、売り上げは厳しいサークルがある」と推測されます。

 

f:id:roy:20191202105243j:plain

~1万円未満 11 7.9%
1万~3万円未満 8 5.8%
3万~5万円未満 15 10.8%
5万~10万円未満 22 15.8%
10万~20万円未満 22 15.8%
20万~40万円未満 17 12.2%
40万~60万円未満 13 9.4%
60万~100万円未満 20 14.4%
100万~150万円未満 10 7.2%
150万~199万円未満 1 0.7%

■コメント

給料前(25日や月末)だからなのか、増税のあおりなのか、来場者の財布のひもがきつくなっていたように感じました。

 

【土日両日出展者のみ】土曜と日曜の売上比率はどうでしたか?

ゲームマーケットが土日両日開催になって以降、「日曜の売れ行きが厳しい」という意見が継続して出ています。

そこで、今回新しい質問として、土日での売り上げ比率を質問しました。

左に行くほど「土曜の売り上げが多い」、右に行くほど「日曜の売り上げが多い」という回答です。

中心の「土日で売り上げが均等」という回答はほぼ無く、はっきり「3」の所にピークがあります。

つまり、土日で出展していても、売り上げは「土曜:2-日曜:1」ぐらいの比率になっているという事。

 ただし、出展していた実感としては単純に「日曜の売り上げが少ない」という言い方は乱暴かなという印象を受けました。

その辺は別途記事として纏めます。

f:id:roy:20191202104636j:plain

0 9 15.3%
1 3 5.1%
2 12 20.3%
3 22 37.3%
4 6 10.2%
5 1 1.7%
6 4 6.8%
7 1 1.7%
10 1 1.7%

 ■コメント

土曜に注目サークルが集約されてしまっている現状を打破しないと日曜が形骸化する恐れがある
今の形は土日のバランスが悪い。日曜日の対策をもっとしないと日曜日に出店するメリットがどんどん減っていく。出店料に差をつけるなど対策が必要

 

■3:収益に関する質問

イベント全体としては黒字ですか?

 みんな大好きお金の話。

中央値がちょうどトントンになる、というのは数年間アンケートを取ってきて変わらず、という感じです。

あくまでイベントでの成果を聞いているので、制作費が回収できているかはまた別問題。とはいえ、趣味でおおよそ半分の出展者が赤になっていないというのはなかなか良い結果だと思います。

ただ、出展者の2/3が関東の方、という上の結果と重ねて考えると、地方勢にとってのハードルはまだまだ高い、とも言えます。

f:id:roy:20191202105303j:plain

赤字 : -100万以上 1 0.7%
赤字 : 50~100万円未満 3 2.2%
赤字 : 30~50万円未満 5 3.6%
赤字 : 10~30万未満 15 10.8%
赤字 : 1~10万未満 35 25.2%
ほぼトントン : ±1万円以内 18 12.9%
黒字 : 1~10万円未満 29 20.9%
黒字 : 10~30万円未満 19 13.7%
黒字 : 30~50万円未満 9 6.5%
黒字 : 50~100万円未満 5 3.6%

■コメント

今回は新作を出さず、ゲムマ春に売ったものをそのまま売りました。 ゲムマ春では120個売りました。 春の時点でほぼ元が取れてたので、やや黒字です。 あと、個人サークルなので一人頭の取り分も大きいですね。
 
実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)

 これも傾向は変わらず。トータルの結果として、おおよそ半数が黒字。少なくとも赤字にならないようにやっているということですね。

長く続けるには、身を切りすぎないように続けるのは大事、という事だと思います。

f:id:roy:20191202104613j:plain

黒字 74 53.2%
赤字 65 46.8%

 ■コメント

アンケート集計お疲れ様です。一応黒字に入れましたが収支トントンでした。
一回のイベント単体ではなく複数イベントでペイラインに乗せる戦略で進めています。 最近はそれができているので継続して活動ができています
自分の趣味の範囲での参加なのでそこそこ黒字にもなっているし、特に問題なくゲームマーケット参加を楽しめています。

 

■4:ゲームマーケットとその他のイベントについて

ここからは出展者の活動内容と、ゲームマーケットというイベントに対してのご意見について。

ゲームマーケットの2日開催について

ゲームマーケットの規模も大きくなり、2日開催となりました。

これについて当初賛否があったため、この項目を設けました。

今年の結果を見る限り、みなさん二日開催について肯定的に受け止められているということのようです。 

昨年も3/4が賛成という結果でしたが、「一日開催にしてほしい(戻してほしい)」という意見が17%と、今年の3倍ありました。

f:id:roy:20191202104528j:plain

わからない 9 6.5%
一日開催にして欲しい 8 5.8%
三日以上開催にして欲しい 9 6.5%
二日開催に賛成:開催時間を調整して欲しい(一日目を遅くする、二日目を早く終わるなど) 6 4.3%
二日開催に賛成:現状のままで良い 101 72.7%

■コメント

ゲームマーケットの2日開催について」の項目に「わからない」を追加した方がいいかもです ※注:このコメントを受けて追加しました

 

 

ゲームマーケットの開催回数について

ゲームマーケットは東京2回・大阪1回という年三回構成ですが、この開催回数と開催地について、意見を伺いました。

こちらは現状の回数について半数が賛成となっていますが、昨年はこの賛成票が「58%」でした。

また「地方の開催を増やしてほしい」という意見が「17%→24%」と増加しており、逆に「東京の開催を増やしてほしい」が減っています。

北海道・金沢・静岡・神戸等々地方のイベントは確実に増えており、そうしたイベントの増加を受けての結果と思われます。

f:id:roy:20191202104514j:plain

もっと地方の開催回数を増やして欲しい 31 22.3%
もっと東京の開催回数を増やして欲しい 8 5.8%
現在の回数(東京2回、関西1回)が適切 68 48.9%
東京1回、関西1回が良い 20 14.4%
東京2回だけで良い 4 2.9%

 

■コメント

春と大阪の時期を離してほしい 
二回開催とても辛いので、ゲムマは一回にして欲しいと思いました。エリア出展にしてるのですが、高過ぎるわりに場所は運なので、とても辛いです。 ゲーム性などいろんな変数があると思うのですが、場所の良し悪しがありすぎて、前回は最高今回は最悪という感じでした。(具体的にはAホールからBホールに行く出口の目の前だったのでとても風が寒く、試遊の人数を集めている間に帰ってしまう人が何組か出てしまいました...足を止めてくださる方も圧倒的に少なかったです...) 次回早いもの順なので申し込みしてしまいましたが、可能であれば今から出展サイズ変えたいなという気持ちがあります。
東京、大阪以外の地域でゲムマ的なイベントが増えて欲しい。 北海道ボドゲ博は今後の成長にとても期待している。 大阪以西の場所(具体的には九州)でイベントが欲しい。
 
イベントの参加について

 年間のイベント参加(出展)数を聞いています。

上の質問の結果を受けて、実際に出展数の傾向にも変化が出るかと思えば、昨年と数字は驚くぐらいに同じ。

「地方のイベントがあればいい」とは言いつつ、実際に出展するのはまだハードルが高いようです。

f:id:roy:20191202104501j:plain

1 29 20.9%
2 59 42.4%
3 20 14.4%
4 12 8.6%
5 7 5.0%
6 5 3.6%
8 1 0.7%
10 3 2.2%

 

その他

最後に自由記入としてコメント欄を付けています。

各質問に関連するものはすでに転載していますので、それ以外の意見をまとめています。

コメントのうち、単に「ありがとうございます」等のものは省略させていただいています。ご了承ください。

ステージ配信とか後日でいいのでして欲しい。見に行けない。
謎解きイベントにより、ブースを見ずに前を横切るだけの来場者や交差点で立ち止まるだけの来場者などがおり、頒布活動を阻害していたのが残念 本来の活動を阻害しない集客キャンペーンを模索してほしい
今回は予約数によるTL上のマウント取りや、一部サークルによる派手な宣伝が特に多かったイメージです。 ゲームマーケット・セレクションの存在も合わせて「特定の層に気に入られないと土俵に立たない、遊んですらもらえない」可能性がより高くなったのは、新米ながら危惧しております。
大声で呼び込みするサークルさんは苦手です。
これからも楽しく参加できるゲムマであって欲しい
前日に搬入と交流できればいいのに。当日は忙しすぎて時間がなさすぎ。
可能であれば、イベント以外でもゲームを販売しているか聞いていただきたいです。ゲームの販路として1.イベント2.インターネット3.店舗4.その他みたいなところを知りたいです。
ユーザー目線では企業も一般も同じボドゲ制作者。言い訳せずに全力で「ものづくり」を続けたいです。
同人誌に比べて売るものが大きいのでバックヤードをもっと広くして欲しい。 販売数の回答は小物の袋売りなので袋の数を書きました。
コミケ等の同人誌即売会よりも、ゲムマは商業的な視点を持っている出展者が多いように思います。 売れるだけでなく、どうやって収益を上げていくかとか、これで生活を立てていくと考えながら取り組んでいる方も多いと思います。一方で、収益関係なく、自分が作りたいものを自由に作っている方もいる。さまざまな価値観で製作されたものが、様々な価格や評価をつけられて、同じ場所に並んでいるというがとてもユニークで、かつシビアな場だなと思っています。 参加者も増え、出展者も増えていくなか、その多様な価値観が同居する空間を、各々がどのようにとらえていくのか一考する時期になっているように感じます。
隣のブースの参加者の雑談がうるさかった。
2年目だが、1年目の2018の時は16時に片づけてるサークルが多かったが、2019は17時まで皆さん売っていた印象でした。これってどういう変化なのでしょう・・・?