ボードゲームのデザインの基礎の基礎:1 カードのアイコン
ボードゲームを作り始めて1~2年というサークルさんと、ここのところ立て続けにお話しをする機会があり、本当に平均年齢下がったな~と感じることもしばしば。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) September 5, 2018
皆さん目指すゲームの形は違うので、ゲームの内容について言うことはあまりないんですが、デザインに気を遣っていない所が気になりました。
デザインと言っても綺麗なイラスト等ではなく、もっと基本的な「大事な情報は目立つ位置に」「カードの種類は分かるように」とか、そんな話。
— ペンとサイコロ (@pen_n_dice) September 5, 2018
その部分ができていないと、遊ぶときに無駄な所で引っかかります。
絵が描けなくても、お金を掛けなくても改善できる部分なので、気をつけてみてください。
ということでボードゲームを制作していて、自分が過去に気をつけたことを記事にすれば、役に立つ人も居るだろうということで、つらつらと書いていこうと思います。
先に言っておくと、今まで7作のゲームをリリースしていますがデザインをきちんと学んだことはなく、文字通りの素人です。
周りにもプロはたくさんいらっしゃるので、そうした知り合いが居る方はそちらに聞かれる方が有用かと思います。
あくまでそうした知識の無い、初心者向けということで。
必要な情報は見える位置に
これなんか今まで散々言われてきたことですが、例えば手に持って遊ぶカードなら、少なくとも左上、出来れば右上にもカードの情報が見えるようにしましょう。
トランプなんかはその典型です。
こうして手に持ってカードを開いたとき、これだけで全てのカードの情報がわかります。つまりカードの面積の大半は、情報では無く雰囲気を示しているだけ(フレーバー)なわけです。
これを「情報はカードの中央に書いてあるから」と左上の情報を省くと、カードの情報を知るためにはいちいちカードをめくる必要があり、遊びやすさ(プレイアビリティ)が大幅に低下します。
必ずしも左上が正解、ではない。
ところでこれは私の制作ゲーム「陰陽賽」のカードです。
自分で「左上にアイコンが必要」と言っておきながら、このカードには左上にアイコンがありません。
それはこのゲームではカードを一人一枚しか使わないからです。
重ねて使わないのなら、左上・右上にアイコンは必要ありません。
また、このゲームではカードの「色」が重要です。
「朱雀」「青龍」といった文字や絵はフレーバー情報なのですが、その一番重要な情報がカードの一番下に書かれています。
それは、このゲームではカードを「伏せて」置くためです。
このゲームでは写真のようにカードを自分の前に伏せて置きます。
(写真は終盤なので、手前と右のプレイヤーはカードをすでに裏返した状態)
伏せた状態でカードの内容をめくって確認しやすいよう、重要な情報をカード下に書きました。
もう一つ例を挙げると、私の処女作「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」。
デザインの基礎、ということで敢えて初期デザインです。
(自分でも懐かしい)
この「鳥」カードはカードの左上にアイコンがありますが、アイコンが「横」に並んでいます。
だから持ちにくいし、なんかアイコンの無いのもあるし・・・
これはなぜかというと、このカードは手に持たず、「縦に重ねる」ことを想定しているためです。
写真のように同じ種類を重ねるとアイコンだけが見えるので、それぞれの鳥の数をカウントしやすくなります。
また判定は鳥の種類ごとに行うので、同じ種類を重ねることを示すよう、カードの色とアイコンを種類ごとに大きく変えています。
さらに、こうして場に残さないカードはアイコンをわざといれないことで、「他とは違う」という違和感が出るようにしています。
ここで言いたいのは「どれが正解」というわけでない、ということです。
自分の作りたいゲームにおいて、その文字の位置、大きさ、順序は、本当に正しいか。
それを考えて配置しましょう、ということです。
これからゲームを作ろうという方、今作っている方の参考になれば幸いです。
次回はカード裏のデザインについて、書こうかと思います。