投げ銭的な物を始めました
Pixivが制作者向けコミュニティ「Pixiv FANBOX」を開始したことが話題になりました。
Pixivはクリエイター向けのSNSからお絵かき教室、販売プラットフォームのBOOTH、展示即売会販売アプリPixivPayと「クリエイターの支援」をはっきりと打ち出しています。その割り切りは好感が持てるし、スピード感も大した物です。
だからPixiv Payも、「まだ日本じゃ早いだろうな」とは思いつつ、アプリを紹介して導入・使用しました。
ただ、今回の「Pixiv FANBOX」は、参加しないことにしました。
Pixiv FANBOXってどんなサービス?問題点は?
Pixiv FANBOXは「クリエイターを継続的に支援することで創作活動を支えるファンコミュニティ」(公式より)だそうです。
内容は支援したいクリエイターに月額で一定金額を支援し、クリエイターはそれに応じたサービスを提供するというもの。
イラストレーターさんなら「支援者向け下書き公開」もできるかもしれませんが、ボードゲームデザイナーにとっては定期的なサポートは難しいと感じました。
日本での「投げ銭」
WEBで話題になったのは「これは投げ銭サービスじゃないか?」という話でしたが、月額で支払い続けるのは支払う側にも、受け取る側にも、投げ銭というにはちょっと「重い」支払い方法じゃないでしょうか。
しかし日本では投げ銭サービス(寄付)は資金決済法の下では資金移動業者でしかできません。(実際にこのサービスをやっているのはLINE Payぐらいでは?)
事実、投げ銭サービスを実装しているPayPalも、日本だけはその機能を使用不可にしています。(過去には使用可能でした)
つまり日本では何かを「買う/売る」という行為を挟むか、金銭ではないものを「プレゼントする」という方法でしか、投げ銭的なサービスは難しいということです。
これを正面からやらかしてトラブったのが旧「Osushi」。これを解消するため、今は「食品やアマゾンギフト券と交換」としています。(トラブルの原因は他にもありますが一旦置いておきます)
実際、こうした投げ銭的なことを実現するのに一番簡単な方法は、アマゾンのギフト券をプレゼントする方法だそうです。
日本の法律に抵触しない投げ銭的なシステム
Amazonギフト券でも構わないんですが、折角なのでクリエイター向けの仕組みを考えてみました。
そこで気がついたのが先のPixivの販売サイト、「BOOTH」。
物だけでなく、画像などのダウンロード販売も行っています。
ここで、適当なイラストを販売する、という方法があります。
BOOTHの金額設定は100円から可能ですが、面白いのは購入者が購入時に自由に「上乗せ」ができること。BOOTHでは「BOOST」と呼んでいる機能です。
「特に今買いたい物はないけど、コーヒー一杯奢るわ」という時に、100円の画像をダウンロード購入して400円BOOSTすると、合計で500円(-決済手数料3.6%)が手に入るというわけ。
「投げ銭」ってそういう感覚と金額じゃないですかね?
とりあえず作ってみた
ということで実際に 投げ銭的 画像販売 、始めてみました。
ダウンロード対象は拙作「百怪夜行」の特典カード。
クラウドファンディング限定のものと、お蔵入りになっていた物の蔵出しの2点です。
私自身がこれでたくさん投げ銭を頂けるような制作者だとは思っていませんが、あくまで実験として、こうした方法もあるよという参考になれば幸いです。
またBOOTHの説明を読むと、ダウンロードデータは後から追加もできるそう。
「投げ銭が多くなればダウンロードデータも増える」となると、ちょっとやる気が出ませんかね?ボードゲームデザイナーなら、WEB限定公開ルールなんてのも面白そうです。
先日の「BOOTH Festival」でBOOTHに登録した制作者も多かったようです。
さらなるBOOTHの活用方法として、各自が一つ、投げ銭向けの画像販売する、そうしてみんながBOOTHに登録することで、「個人制作ボードゲームを探すならBOOTH」というプラットフォームになれば面白いとも思うわけです。
ボードゲームに限らず、クリエイター各位はこの仕組みをどう思われますか?色んな方の意見や法律面なども、ぜひご意見を伺いたいものです。
・・・あと、資金決済法は世界的にも色々厳しすぎるので、もうちょっとなんとかして欲しいというのが正直なところです・・・