ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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3Dプリンタを買いました。(半年ぶり二台目)

3Dプリンタを買いました。
二台目の。

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3Dプリンタを買って、それを使ってゲームの駒を作っていたのですが、
5万で買って600時間以上も稼働させれば十分減価償却しただろうということで
自分へのご褒美もかねて二台目(二代目)を購入しました。

その駒を使ったゲームはこちら。

penanddice.webcrow.jp


購入したのはこちら。

item.rakuten.co.jp

約10万円。

 

ちなみに初代はこちらの ALUNAR M508

 約5万円でした。


ALUNAR M508の方が安いのですが、どれだけ精密な物を作れるかという積層ピッチは0.1mm。
それに対してAFINIA H400は価格は高いものの、積層ピッチは最小0.2mmです。
この違いは、ALUNARは製品ではなく部品状態で購入し、自分で組み立てる「自作キット」のため、
だと思っていました。

 

DIY3Dプリンタはトラブル続き

初代ALUNAR M508はよく動いてくれましたが、トラブルも多かったことが買い換えのきっかけです。

f:id:roy:20171019020611j:plainこんなんばっかりできる


パーツから全部自分で組み立てる構造なので、どこに問題があるかも自分で全部分かります。
トラブルがある度に分解し、壊れた部品があれば交換してなんとか使う。
(ほぼ全ての交換パーツが個別に購入可能)

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そうした中で3Dプリンタの構造や注意すべきポイントにも詳しくなりました。
あと、こまごま改造するの楽しい。

 

そんな中で、展示会で見つけたのが今回購入したAFINIA H400です。
スペック上の分解能は悪いハズなのに、ものすごくきれい。
販売されていた方にはかなり意地の悪い質問をしたのですが、精度や安定性に関して
「こう使えば大丈夫」とノウハウを含めて回答を頂いたこともポイントでした。

 

性能比較

実際に購入したところ、二つの機器でこれだけ性能差がありました。
左は初代のALUNAR M508で造形した物、右はAFINIA H400で造形した物です。

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二つとも同じ設計データを使っているのに、これだけできあがりが違います。


細かさを表す積層ピッチはALUNARの方が良いのに、なんでこれだけ差が出るのか?
それは機械の「精度」が違うところが大きいと思われます。
積層ピッチは機械の「分解能」を表し、「どれだけ細かく動けるか」です。
しかし、細かく動いたところで、その位置がずれていたり、動きが悪くて樹脂が糸を引くようでは困ります。
こうした動きの正しさが「精度」です。
二台目のAFINIA H400はきちんと工場で組み立てられるため、この精度が高いと考えられます。
もちろんパッと見ただけでも、設計も優れています。

 

例えば密閉構造でフィルタを内蔵しているため、匂いの出るABSの造形が室内でも可能ですし、稼働音が静か。
ALUNAR M508はうるさいので段ボールで囲っていましたが、それでもあまり効果はありませんでした。

 

またソフトも、フリーソフトで3Dデータ通りにそのまま作るALUNARに対し、AFINIAは専用ソフトで自動的に足場となるサポートを付加してくれます。

サポートは身の詰まった本体に対してスカスカに作ることで簡単に破壊できるようにするため、これを自分で設計するのはちょっと無理。これはソフトにお願いするしか無いところです。

(左が成形直後、サポート材のある状態。それを剥がした完成状態が右)

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ちなみにこういう安価な物は土台に貼り付けるように造形するため、できあがった物を剥がすスクレイパーが同梱されています。

そのスクレイパーも、左が初代のALUNAR、右が二代目のAFINIAに同梱されていた物。

こういうところから造りの違いが出ますよね。

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書かれていない「精度」

今どき日本で大手メーカーから購入した物で、きちんと動かないということは珍しいと思います。
なんだかんだ言っても、それなりの性能要求は満たします。
というか、iPhoneが性能下げただけで訴訟が起きるこんな世の中じゃ、まともなメーカーはまともな物しか売れません。

アップルiPhone性能劣化問題にコメント - 週刊アスキー


ところがまだ市場が成熟していない3Dプリンターの世界では、性能を示す指標がほとんどありません。
このため価格と性能が比例しない、という現象がちょいちょい起きるわけです。

 

こういう物の善し悪しは、設計を見て判断するしかありません。
仕様だけ見ると、3Dプリンタの性能を表すのは「積層ピッチ」と「造形範囲」です。
しかし、造形範囲の広い(大きい物が作れる)プリンタにはそれだけの剛性が必要とされるはずで、
「造形範囲が広いのに安い」プリンタは、「どうも怪しい」わけです。
個人的にはこういう、買う側にもそれなりの知識と判断力が求められる業界は好きですが、こりゃ3Dプリンタが普及するにはもうちょっと何段階かステップが必要っぽいですね。

まだ購入したところで耐久性や安定性は分かりませんので、これからAFINIA H400でしばらく遊んでみようかと思います。

 

個人的には今後3Dプリンタが家庭に普及する可能性はあっても、
使い方は今の家庭用プリンタに近い、「あるけど滅多に使わないもの」になるかとは思います。
例えば家庭用プリンタの所有率は90%を超えますが、使用頻度は低く主用途は年賀状だそう。
昔はなんでも印刷していましたが、今ではパソコンやスマホで見られますしね。
3Dプリンタも、普及しても最終的にVR等に取って代わられるんじゃないでしょうか。
VRが先に普及すると3Dプリンタの普及タイミングが無くなる可能性も十分あると思います。
ボードゲーム勢としては実際「モノ」に触れるジャンルは生き残ってほしい所ですが、世の流れとは逆行するので難しいですね。